RAG FAIR、明るくて文句なしに楽しい新アルバム『Magical Music Train』リリース大特集

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RAG FAIR アルバム『Magical Music Train』リリース大特集
結成10周年・デビュー8年を飾る土屋礼央プロデュースの最新作は 目の前にいる人を喜ばせるノンストップ・トレイン級

――今回新しくやってみたことって?

引地:“ザ・ヒットパレード~ショウと私を愛した夫~”というミュージカルに呼ばれたときに思ったのは、僕らは歌う人が6人いるからそれでミュージカルができるんだなということなんです。今まではヴォーカルでリレーをしたり、声だけで色々やってみてたんですけど、今回はオケを含めて遊んでみたらどうかと。「フラっとしちゃってゴメンなさい」なんかは、浮気をした一人の男の心の中で作戦会議を開いてる人たちっていう情景を表現するために、1行単位で細かく歌い分けをしてるんです。これは初めてやってみたんですが、オケがないとできないことだったと思うし、面白かったですね。

――そういえば、前作の主人公はほとんど引地さん自身と重なってたんですよね。今回この曲の浮気な主人公も引地さんと重なってたりするんですか?

引地:いやこれはまったく重なってない(笑)。重なってないんだけど、他のメンバーが重ねようとしてくれちゃって。加藤君なんか“浮気とかそういうの、ちょっと歌えないんだよなぁ”なんて(笑)。

土屋:そうそう、大変でしたあの日はもう(笑)。

引地:いやいや待ってくれ、6人でコミカルなミュージカルをするネタなんだよって、ずいぶん話し合った。

――礼央さんの新たなチャレンジは?

土屋:僕は、ラジオにテレビに書きものにって、ホントに自分の活動が広がってて、それで言われたのが、礼央は色々なものに合わせ過ぎだ、と。RAG FAIRの土屋、タモリ倶楽部の土屋、色々器用にできていいけど、じゃぁこの人なに?って言われると掴みどころがない。確かにそうなんですね。もうここまできたら、どこへ行っても堂々と一人の土屋礼央でいいんじゃないかと。それで今回は他の自分とすべて同じ考え方で作りました。アルバムでそうやって作ったのはこれが初めてですね。そうそう、だから今までサングラスだったんですけど、これからは自分が一番堂々とできる姿で、ということでメガネに替えたんです。僕はみんなの前で、けっこう断腸の思いで“替えようと思うんだけど”って話をしたんだけど、みんな“あぁどーぞどーぞ”って(笑)。

――タイトル曲「Magical Music Train」は、礼央さんの鉄道好きが爆発したナンバーですよね。

土屋:この曲の後ろのコーラスは全部鉄道用語なんですよ。音楽という鉄道に乗って、みたいなのはみんな一度は考えるだろうし、それだけじゃ普通だから、鉄道用語満載にしてみようと。ただ、音楽として気持ちよく聴こえる単語しか使ってないんです。だから気にしないで聴いてるとわからないかも。あまり鉄道用語ってのを押さないでサラッと入れたかったんで。

――その鉄道用語、わからない人も多いと思うんで、いくつか解説してください。

土屋:一番気に入ってるのは、“シーメンスインバーター~♪”ってやつですね。京急のインバータの、あの音階になってる音がすごく好きなんですよ。サビ前なんて“ビスタカー、ロマンスカー、スカイライナー、アーバンライナー”だし、“うううううらわぁ”とか“品川ステーション”とか駅名も。駅名は北から南に順に下がってくるんです。まあ誰も知らなくていい情報なんだけど(笑)。ブリッジのところはブリッジだけに、橋の形式で“トラス橋”とか。ホントにどーでもいい話だ(笑)。

――メンバーは、その鉄道用語についていけたんですか?

引地:いや、みんな覚えるの遅かったですよ、イメージできないから(笑)。一つ一つ録るたびに“これ何なんだ”って。説明聞いてもわからないけど(笑)。まぁリズムにハマると気持ちいいし、なんとなく耳障りのいいコーラスをやってるよりは、実はこういうことやってるんだぞ、というのがあったほうが楽しいんで。

――ところで、RAG FAIRも今年で結成10年ですよね。

引地:そうなんです。でもまだまだ大人げなくていいかな。10年前の勢いに負けないものを今このレベルで作りたいと思ってます。まぁでも歳はとったなと思いますね。楽屋で同期のバンドとうちの加納君が、子育ての話題で盛り上がってたりするし(笑)。

土屋:僕は変わったって言われるんですけど、僕の中では何も変わってない。表現方法が変わっただけなんです。大人げないというところも含めて、これをずっとやり続けられたら最高だなと思いますね。ただこれが続くと結婚できないな(笑)。

――ではこれからの10年でやりたいことは?

引地:10年後は全然違っててもいいんだけど、今思うのは、RAG FAIRって感動させようとかいうのは向いてないなぁと。目の前にいる人をどうやったら喜ばせられるかをひたすら考えて楽しいことを積み重ねて、そうしたらひょっとして感動に結びつくかもしれないけど。今までの10年は、涙より笑顔を増やす10年だったと思うし、これからも行けるところまでそれを追求するんだろうなと思います。

土屋:つねに過去の10年を否定せずにやっていける活動を積み重ねていきたいですね。誇りに思えることをし続けていれば、きっと10年後には新しいことをやれてるだろうなと思います。

取材・文●田澤 仁

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