【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第1回 「僕とオリ盤」

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まずアーティスト、レコーディングチームが録音してミックスして作り上げたマスター音源があります。ここからたくさんコピーを作ってレコードにしていくようなものなのですが、そのコピーを重ねていくうちにマスターが劣化していってしまいます。それで、最初の頃のプレス、つまりマスターの劣化が少ないうちに作られたレコードの方が音がよい、ということになるのです。そのため、リリース前、販売製品用のレコードがたくさん作られる前に、業界内のプロモーション用にプレスされた“白プロモ盤(レーベルが白い)”はさらに音がよいとされています(ただしこれはもちろんレアなので高値がつけられることが多いです)。再発盤では劣化の進んだマスターから再プレスが行われているので音質が落ちるということになります。つまり、オリジナル盤で、しかもプレス時期が早ければ早いものほど音がいいということになります。

ただ、これについてもそれほど単純な話でもありません。ここでの話はあくまでも大雑把に言うと、ということです。実際には材質やプレス工場、カッティング職人等々、様々な要素が絡んできます(詳しく知りたい人は、レコードというものの製造工程が詳しくわかれば納得だと思うので、調べてみて下さい)。

そして、つまり、

アーティストが出そうとした音、作りたかった音に一番近いものがオリジナル盤の音なのだと思います。僕がオリジナル盤を集める理由はまさにそこにあるのです。また、これはレコード全般に言えることですが、レコード時代のアーティストはA面 / B面を考えた上で曲順を考えてアルバム制作をしていたので、レコードで聴くことで、そのアーティストの様々な意図を感じることができます。ジャケットもやはりあの大きさを考えてデザインされたもの。紙の素材やジャケットの作り自体も様々で、そこにもアーティストのこだわりを見ることができます。

本当に好きなアーティストの作品は、そのアーティストが本当に作りたかったものに限りなく近い形で聴きたい。音に関しては特に。その欲求を突き詰めて辿り着いたのがオリジナル盤。そしてそのオリジナル盤と呼ばれる物とそうでないものとの音の差は、予想を遥かに上回るものでした。

その結果、オリジナル盤を収集することになったのです。

   ◆   ◆   ◆

さて、最後まで読んでくれたアナタ! ありがとうございます。説明につぐ説明で、長文失礼いたしました。レコードなんてわからないって人にもちょっと興味持って欲しくて、そのためにも第1回目となる今回は色々と説明しておきたかったのです。

それにやはり連載させてもらう訳ですから、これからどういうつもりで書いていくのか、自分にとってオリ盤とは何なのかというのを最初にはっきりさせておきたかったのです。

次回からは、僕が持っているオリ盤の中でも特にお気に入りのものを紹介しながら、エピソードなんかも交えつつ、オリ盤の魅力を語っていきたいと思います。

text by:鈴木健太(D.W.ニコルズ)

◆連載『だからオリ盤が好き!』は、D.W.ニコルズのアーティストページに順次掲載されます

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「イイ曲しか作らない」をモットーに、きちんと届く歌を奏で様々な「愛」が溢れる名曲を日々作成中のD.W.ニコルズ。
2005年9月に、わたなべだいすけ(Vo&Ag)、千葉真奈美(Ba&Cho)が中心となり結成。
その後、鈴木健太(Eg&Cho)、岡田梨沙(Drs&Cho)が加わり、2007年3月より現在の4人編成に。
一瞬聞き返してしまいそうな…聞いた事がある様な…バンド名は、「自然を愛する」という理由から、D.W. =だいすけわたなべが命名。(※C.W.ニコル氏公認)

待望のメジャー1st フルアルバム
2010年4月7日発売
『ONELBUM』(ワンルバム)
初回盤(DVD付)
AVCH-78012/B/3,000円(tax in)
通常盤
AVCH-78013/2,500円(tax in)

【CD】
01.B.D.K.
02.春風
03.ファミレス
04.SMOKE
05.グリンピースヌーピー
06.熱帯夜
07.太陽
08.サマーレイン
09.波待ちサーファー
10.マイライフストーリー
11.haleiwa
【DVD(初回盤のみ)】
01.マイライフストーリー
02.春風
03.B.D.K.

◆D.W.ニコルズ オフィシャルウェブサイト
◆D.W.ニコルズ MySpace
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