ジャスティン・ノヅカ「みんなに近づく努力を」

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ジャスティン・ノヅカのセカンド・アルバム『ユー・アイ・ウィンド・ランド・アンド・シー』日本盤が5月12日にリリースされた。ひとあし早く発売されたアメリカでは、ビルボード誌の「Heatseekers Chart」(新人や伸び盛りのアーティストのアルバムにスポットライトを当てるもの)で初登場1位に輝くなど、その誠実な作品が高く評価されている状況だ。

◆ジャスティン・ノヅカ画像

この日本盤には、ボーナス・トラックとして前作『ホーリー(Holly)』からのシングルだった「アフター・トゥナイト(After Tonight)」の日本語ヴァージョンが収録されている。

「日本の担当から、『君には日本人の血が流れているんだから、日本語の歌をいつかは歌う資格があるよ』と言われていたけど、最初はその気はなかった。(日本人の父を持つとはいえ)日本語もしゃべれないし、何より日本に住んだこともない自分が、簡単にトライしていいものとは思えなかったんだ」。

アメリカ人の母と日本人の父の間に生まれたものの、幼い頃に両親が別離し、カナダはトロントで母と共に成長したジャスティンにとって、日本人としてのアイデンティはなかった。しかしながら、2008年以降、3度の来日プロモーションを通じて、気持ちに変化が起きたという。

「<Fuji Rock Festival>や、大阪の<Minami Wheel>に出演させてもらって、日本のアーティストも多く見ることができた。僕も好きなメロディを奏でる人達がいっぱいいたんだ。だけど、日本の市場では日本の音楽が圧倒的なシェアだという。ということは、やはりメロディだけじゃなくて、詞が伝わることが大事なんだな」

そして、彼は思ったのだ。「日本のリスナーには英語を話さない人が多いことも実感したけど、そんな人達も、ぼくの英語の歌に一所懸命耳を傾けてくれた。だったら、ぼくのほうからも、日本のみんなに近づく努力をするべきじゃないか?ってね」

信頼できるスタッフの協力を得て、原詞のイメージに沿って作られた日本語詞を、何回も失敗しながらレコーディングしたという。「なんとか、日本語に聴こえていればいいんだけどね。厳しいスタッフがOKを出してくれたんで、大丈夫かな?と思っているんだけど」

「自分の想いが、もっと日本のリスナーに伝わってくれれば…」と思う先には、父の地元である福岡からいつも応援してくれている親戚ももちろん含まれている。「おばあちゃんがね、ライヴで『ジャスティン~』って、話しかけてくれるんだよ、日本語で」。

6月9日の東京でのライヴでは、世界でもまれて成長したジャスティンと、より日本に親近感を感じ、アットホームな演奏をするジャスティンが、きっと見られることだろう。


<ジャスティン・ノヅカ 来日公演>
2010年6月9日(水)
@渋谷duo music exchange
開場18:00 開演19:00
3,900円(前売/ドリンク代別途)

『ユー・アイ・ウィンド・ランド・アンド・シー』
2010年5月12日発売
TOCP-66946 1,980円(税込)
1.グレイ
2.LOVE
3.キャリード・ユー(Mercy Mercy)
4.ハートレス
5.マイ・ハート
6.ソウルレス・マン~愛なき世界
7.さめない夢を見て
8.プット・ユア・ウェポン・ダウン
9.ユー・アイ・ウィンド・ランド・アンド・シー
10.スワン・イン・ザ・ウォーター
11.ホロウ・メン
12.ハウ・ロウ
13.スリー・イズ・ア・マジック・ナンバー※国内盤ボーナス・トラック
14.アフター・トゥナイト(日本語ヴァージョン)※国内盤ボーナス・トラック
※日本盤特典
・ボーナス・トラック2曲
・特製ポストカード・ジャケ(ライフ)※ジャケットが、1枚のポストカードになっており、開封後それを取ると、輸入盤と同じジャケのブックレットが現れる

◆ジャスティン・ノヅカ・オフィシャルサイト
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