ヒラリー・スコット、福岡で歌う米シンガーソングライター

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ヒラリー・スコットという名をご存じだろうか?現在、グランドハイアット福岡のBar Fizzで歌っているアーティストだ。

◆ヒラリー・スコット・ライブ映像

彼女と日本との関係は、10代の頃に遡る。彼女自身こう語っている。

「10代の頃、私の母は地元、ワシントン州プルマンの市長を務めていました。母は日本の加西市(兵庫県)と姉妹都市提携を結び、私は学生代表団としてホームステイをするために来日しました。日本ではどこに行っても笑顔と寛大さで迎えられ、お互いの文化やライフスタイルの違いから学ぼうとする人々の熱意の高さに感動しました。帰国する時、ホストファミリーのお父さんが、これからずっと第二の家族だからねと言って送り出してくれたことを今も覚えています。」

そんな日本と縁のある彼女が今日本で歌っている。そして日本での活動をスタートするために動き始めている。

彼女の曲を、彼女の地元紙ザ・ミズーリアンのAmanda Dahlingは「ヒラリーの音楽は力強い歌声、流れるようなギター、親しみの湧く曲調に特徴づけられる。これらは今まさに、音楽業界が注目する音楽性そのものだ」という。シカゴ州立大学のラジオ局WCSUのゼネラル・マネージャー時代のJohn Kulidasは「ヒラリーの曲はもちろんヘビーローテーションしていますよ。リスナーの反応もすごく良い。注目の新人だと見ています。ついこの間、仲間の1人がこんなこと言っていました。“最近はキャロル・キングみたいないいシンガーは出て来てないのかね”と。だから言ってやったんですよ。ここにいるじゃないかって」。

ヒラリー・スコットは、地元で評価されたアーティストだ。こんな証言もある。レイ・チャールズのバックでドラムを演奏していたビリー・バーンズは「ヒラリーの声は感情豊かに、語りかけてくる。ヒラリーは世にいう“最高のモノ”を持っているということだ」と語った。Northeast In-Tune誌のJeff Dameは「ヒラリーには、アラニス・モリセットやトーリ・エイモス、シェリル・クロウと同じくらいにビッグになる潜在能力がある。今彼女を聴いておけば“最初からいいと思ってたよ、僕はね”と、後になって自慢できる」と。

今回、彼女の曲を初めて聴いた。彼女の音楽への思いが重すぎくなく込められた曲だと感じた。曲を聴いて!と押しつけるものではなく、そこに存在するものをつい手に取ってしまいたくなる存在。そして、手に取らずにはいられない存在と言えばよいだろうか。

イタリアのサンレモ・フェスティバルで、高い評価を受けたのももっともだと言える。そして、2011年、世界的なプロデューサーEuro Ferrariとともに、新しい楽曲をこの世に送りだすことが約束されている。

日本では、多くの人が知らないヒラリー・スコット。今聴くことが、自分の感性で評価できるタイミングかもしれない。売れてしまったら、それは自分の感性ではなく、世の中の評価になってしまうだろうから。

彼女からのメッセージにこんな言葉がある。「私は現在、グランドハイアット福岡のBar Fizzで毎日歌っているのですが、こんなことがありました。1人の日本人の男性が演奏していた私に近づいてきて、私の歌声に涙が出たとおっしゃるのです。その方は、おそらくは英語はあまり得意でなく、私の歌のニュアンスを細かなところまでは理解していらっしゃらなかったろうと思います。このできごとはまさしく、音楽と文化が言葉の壁を越える力を見せ付けた瞬間でした。これほどミュージシャン冥利を感じさせることはありません」

生で彼女の歌を聴きたい人は、今がチャンスだ。

◆ヒラリー・スコット・オフィシャルサイト
◆ヒラリー・スコットMyspace
◆ヒラリー・スコットFacebook

伊藤緑 http://www.midoriito.jp/

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