コルグ、過去から未来、9つの音源を一体化したミュージック・ワークステーション「KRONOS」

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コルグは、同社を代表する9 つの音源を搭載した新世代ミュージック・ワークステーション「KRONOS」 を4月上旬より発売する。

「KRONOS」は、過去から未来まで、9つの音源を一体化した新世代ワークステーション。88鍵、73鍵、61鍵の3モデルをラインナップする。

最大の特徴はなんといっても9つのサウンド・エンジンの搭載にある。往年の名機から最近の機種まで、リストアップされたモデルを見ただけでもそのすごさがわかるはず。

●SGX-1(Premium Piano):ピアノ音源
KRONOSのために新開発されたピアノ専用音源。ダンパー・ペダルを踏んだときのノイズや、グランド・ピアノの箱鳴りまでもサンプリングし再現した、音のリアルさ/楽器の持つ温もりへのこだわりは、今まで到達できなかった領域まで電子楽器の表現力を高めたもの。

●EP-1(MDS Electric Piano):エレクトリック・ピアノ音源
6種類のエレクトリック・ピアノの名機をリアルに再現した新開発のエレクトリック・ピアノ専用音源。

●CX-3(Tonewheel Organ):トーンホイール・オルガン音源
1980年に発売されたコンボ・オルガン、コルグCX-3。このトーンホイール・オルガンの名機をモデリングしたオルガン専用音源。

●HD-1(High Definition Synthesizer):PCM音源
大容量シリコン・ディスクに対応した最強のPCM音源。これまでカットしていた部分まで忠実に収録し、リアルなサウンドを追求。

●MS-20EX(Legacy Analog Collection):アナログ・モデリング音源
1978年に1オシレータ版のMS-10と共に登場したコルグMS-20。この名機を忠実に再現したバーチャル・アナログ・シンセサイザー音源で、パッチ・パネルの機能を大幅に拡大し、当時の上位機種であったMS-50に迫る音作りの自由度を実現。

●PolysixEX(Legacy Analog Collection):アナログ・モデリング音源
1981年に登場したプログラム・メモリー付き、6ボイス・ポリフォニック・シンセサイザーPolysix。最大の特徴であるストリングスやパッドは、1980年代初期のあのサウンドが欲しいときに強力な手助けとなるはず。

●AL-1(Analog Synthesizer):ハイ・クオリティ・アナログ・モデリング音源
2005年に登場し、その先進性で世界を驚かせたオープン・アーキテクチャー・シンセシス・スタジオ、コルグOASYSに初めて搭載された新次元のアナログ・モデリング音源。従来のアナログ・シンセサイザーでは不可能だった新しいサウンドを生み出す。

●MOD-7(Waveshaping VPM Synthesizer):VPM/FMシンセシス音源
1995年に登場したProphecy、それをさらに進化させて1997年に登場したZ1という、2つの名機で評価の高かったVPM(Variable Phase Modulation)アルゴリズムをベースにしたVPMシンセシスに、さまざまなパラメーターを組み合わせて自由にパッチングできるセミ・モジュラー・シンセサイザー。

●STR-1(Plucked String):物理モデル音源
コルグが長年培ってきたフィジカル・モデリング(物理モデル)技術をベースに、最新テクノロジーを導入した打弦/撥弦系の物理モデル音源。

ここまで多彩な音源を使いこなせるのだろうか、という不安は無用。コルグは、9つの音源を最大限に生かすために、「一流ミュージシャン自身に、彼らの音をそのまま提供してもらう」という手法をとった。KRONOSには一流ミュージシャンによるアーティスト・シグネチャー・サウンドが搭載されるのだ。自分の手の内を明かしかねないこの難しい申し出に、多くの一流ミュージシャンが「コルグの新しい楽器の誕生のためなら」と快く応えたのだという。Jordan Rudessのピアノ、Herbie HancockやGeorge Dukeのエレピ、Tom Costerのダイノマイ/オルガン、Ricky Lawsonのドラム・トラックなど。一流アーティストの名前を冠したプログラムを選ぶだけで、彼らにしか出せない、おなじみのサウンドが手に入るというわけだ。

すごいのは音源だけではない。KARMA、ドラム・トラック、サンプリング、オーディオ録音、MIDIシーケンサーなど、パフォーマンスから音楽制作をサポートする機能を網羅している。プロ・ミュージシャンの求める、現場での「対応性の高さ」「絶大なる信頼感」というメリットを最大限に活かし、なおかつPCにはないリアルタイム性にこだわった結果である。「なぜワークステーションでなければならないのか」。その答えがKRONOSにあるのだ。ちなみに、「KARMA」というのは、2002年にKARMAミュージック・ワークステーションに初めて搭載された、画期的なMIDIデータ生成技術。鍵盤で弾いたノート、コード情報をベースに、ノブやスライダー、スイッチなどを感覚的に操作するだけで、高度な音楽的変化を一瞬にして生み出し、自分の想像を遥かに超えたフレーズが生み出されるというものだ。

このほか、全16系統同時使用可能なエフェクト、モードを意識することなく1ボタンでプログラムなどのセッティングを呼び出し可能なセット・リスト・モードの搭載、全モードで常に有効、音色切り替え時の音切れを解消したスムース・サウンド・トランジションといった特徴も備えている。

鍵盤にも注目だ。88鍵モデルには、ハンマーを4段階の重さに分け、低音部ではより重く、高音部ではより軽い感触が得られる優れた性能を持つリアル・ウェイテッド・ハンマー・アクションのRH-3鍵盤を採用。73鍵モデルにも同じくRH3鍵盤を搭載する。このクラスのシンセサイザー/ワークステーションでは異例の決断は、「KRONOSの最大の魅力であるピアノ/エレクトリック・ピアノを、是非この最高の鍵盤で弾いて欲しい」という、コルグからのメッセージだ。なお、61鍵モデルはナチュラル・タッチ・セミ・ウェイテッドとなっている。

◆KRONOS-88
価格:372,750円
◆KRONOS-73
価格:330,750円
◆KRONOS-61
価格:294,000円
発売日:2011年4月上旬

◆KRONOS 製品詳細ページ
◆コルグ
◆BARKS 楽器チャンネル
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