バンドの内情を赤裸々に曝け出した衝撃作『kocorono』DVD化決定

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2011年2月に劇場公開され、ロックバンドの内情をあまりにも赤裸々に曝け出した衝撃の内容で観る者の心を揺さぶった、ブラッドサースティ・ブッチャーズ(bloodthirsty butchers)の国産音楽ドキュメンタリー映画『kocorono』のDVDが6月15日にリリースされる。

◆ブラッドサースティ・ブッチャーズ(吉村秀樹、射守矢雄、小松正宏、田渕ひさ子) 画像@『kocorono』

吉村秀樹、射守矢雄、小松正宏、田渕ひさ子からなるブラッドサースティ・ブッチャーズは、1987年に札幌にて結成される。“札幌ハードコア・シーン”を牽引した彼らは、幾多ものバンドがインディーからメジャーへと進出し、ビッグセールスを記録しては消費されていく“ロック産業”の波にのまれていった時代において、1991年に上京。そして1996年には、アルバム『kocorono』を発表すると、多くのアーティストやクリエイターたち、そして日本のロックシーンに衝撃を与えた。

ブラッドサースティ・ブッチャーズは、その後も過去に囚われることなく数々の作品を生み出し続けるが、誰も追随できないそのオリジナリティーがために、常に孤独な道を走らざるを得ないバンドでもある。2010年には、ファンの間では最高傑作との声もある最新作『NO ALBUM 無題』を発表。クリエイティブ・スピリッツに衰えはなく、彼らが常に“今”を生きるバンドであることを証明している。

そんな彼らが退路を断ち、ロックに身を捧げることを選択した個によって成り立つ特別な運命共同体(=バンド)として存在し続けることの奇跡を描いたドキュメンタリー映画が『kocorono』だ。

監督・川口潤は、ブラッドサースティ・ブッチャーズ内に起きている紛れもない不協和音に正面から耳を傾け、張り詰めた緊張感の方へとカメラを向ける。メンバー間の衝突、理想と現実との葛藤、あまりに身勝手で人間臭い振る舞いや、とりとめもない苦悩の数々。時としてそれは、観る者にあまり心地良い印象を与えないかもしれない。

しかし、彼らは決してその活動をやめない。満身創痍となりながらもステージに立ち続ける彼らの姿は、今を生きる、という普遍的命題の具現化。ゆえに、彼らの姿は、観る者に共感を呼び起こし、心が揺さぶられることになる。なお、本作は、公開以降、多くのバンドマンやロックファンをして「ロックの教科書」とも評されているのだ。

一方で本作は、ブラッドサースティ・ブッチャーズの活動歴を象徴する膨大な映像アーカイブという面も持つ。結成、初代ドラマーでのライヴ、シーンの盛り上がりが絶頂に達した札幌でのライヴ、大ブーイングを受けながらも臆する事なくステージをまっとうするレイジ・アゲインスト・ザ・マシーン来日時のオープニング・アクト、アメリカでのライヴ、メジャーデビュー決定時のテレビ出演…。その中には初公開となる貴重な映像が多数含まれており、コアなファンも納得な貴重映像の数々である。

『kocorono』。ここには、あまりにも生々し過ぎる、バンドという共同体の実像が映しだされている。

◆『kocorono』 公式サイト
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