[クロスビート編集部員リレー・コラム] 「シスターズ・オブ・マーシー」

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2011年のフジロックのラインナップを見て、思わず「おっ!」と驚いた人がいたはずだ。そう、シスターズ・オブ・マーシーである。今では知る人ぞ知る、キング・オブ・ゴシック。正真正銘の初来日なのだ。しかも1986年と1998年の2度、過去に日本ツアーが発表されていたのに、どちらも直前にキャンセルとなってしまっただけに、ファンにとっては悲願の来日である。

彼らがデビューしたのは1983年、まだニュー・ウェイヴが主流だった時代に独特の光を放っていた。無機質なドラム・マシーンとダークなサウンド、そして地を這うようなヴォーカル。バンドのイメージは黒で統一され、ファンに媚びる様子は皆無というスタイルはまさしく孤高。1作目『First And Last And Always』にはフロントマン、アンドリュー・エルドリッチのそんな美学が凝縮されていたが、彼らのパフォーマンスもまたバンドのスタンスを見事に体現していた。

ライヴ前から物凄い量のスモークが焚かれ、何も見えないその向こう側でアンドリューが歌い続けるのだ。ロック・スターが好きなスポットライトを拒み、歌が主人公というパフォーマンスこそがシスターズ・オブ・マーシーの真骨頂だろう。

1990年代に入ってからはライヴ中心の活動に移行したが、2011年は結成30周年記念ツアーを敢行中。かつてはジム・モリソンのような佇まいだったアンドリューも今や丸坊主になってしまったものの、その美学とサウンドは不変だ。ゴシック・ロックとは何か? その答えは彼らのライヴにあると断言したい。

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