AAA史上最大規模の全国ツアー、初日のはずだった伊勢原公演で全日程終了

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AAA(トリプル・エー)が7月7日、グループ史上最大規模となった全国ツアー<AAA“Buzz Communication”Tour 2011>の最終公演を神奈川県の伊勢原市民文化会館で迎えた。

◆AAA 画像@<AAA“Buzz Communication”Tour 2011>最終公演

思い返せばそれは、グループ史上最も波乱のツアーでもあったのかもしれない。全国31公演、約9万人を動員した今回のツアーの初日は、ほかでもない、最終公演となった伊勢原市民文化会館のはずだった。そしてツアー初日公演は、3月12日を予定していた。

AAAは3月10日にこの会場で一度リハーサルを行なっており、自分たちがこれまでたどり着いたことのない、新たな規模で挑むツアーへの準備を着実に固めていた。ところが本番前日となる3月11日、誰もが想像していなかった事態が発生する。日本列島はもとより、全世界を深い悲しみに包んだ、東日本大震災だ。

東北地方を中心に未曾有の被害をもたらしたこの震災の影響を受けて、初日の伊勢原公演を含むツアーの延期が決定した。メンバーは、震災発生直後から昼夜を問わずTwitterを通じて被災地に向けて情報を提供し続けるとともに、被災地のファンや全国のファンへメッセージを発表。メンバーからの言葉は、AAAとファン、AAAファン同士、そして人と人というように形態を変えながら、Buzz Communicateされていった。

延期されたツアーは、日程を変更し、4月24日の札幌・ニトリ文化ホールからスタートを切った。ところが、またもやAAAにアクシデントが振りかかる。メンバーの伊藤千晃が、公演の合間に行なわれていた広告撮影中の事故で負傷。ツアーを一時降板せざるを得ない状態になってしまう。“今まで感じたことのない悔しさ”“ステージに立てなくなって初めて感じる気持ち”。のちにそう表現した千晃の心境を察して、ファンからは励ましのメッセージが寄せられる。Twitterでは、今回のツアーの公式ハッシュタグ「 #AAABC 」のほかに、有志によって「 #chiakifight 」タグが制作され、両タイムラインともに千晃への温かい言葉で溢れかえった。千晃もそんなファンの気持ちに応えるかのように、自分が降板中の公演の開始時刻が近づくと、つぶやきを発信。ステージ上には立てないものの、千晃の気持ちは会場に、ステージに。そしてAAAのメンバーとファンと共にあった。

多くの人たちとBuzz Communicationしながら、手をとり、支え合い、いくつもの苦難を乗り越えてたどり着いた場所。全国ツアーの終着地点。7月7日、七夕の夜の伊勢原市民文化会館が、そこだった。

当日、宇野ちゃん(宇野実彩子)は、「ツアー最終日、伊勢原公演。ここはツアー初日を迎えるはずだった場所。ここにまた戻ってこれてよかった。色んなありがとうを胸にステージに立ちます♡」と、リーダー・浦田直也は、「最高の歌で締めくくるぞーっ」と、意気込みをそれぞれTwitterでつぶやく。開演前には日高光啓が「よし!行くぜ伊勢原!ファイナル!やる!だけ!だ!!!!」、末吉秀太は「本当は初日にやる場所だったはずが最終日になり散々待たせてごめんね!でも無事に戻ってこれて本当よかった^_^ 後は思い残すことがないよう全力で走りきるだけ!」と気合いを入れる。

泣いても笑ってもラストということで、オープニングの幕が開くと、会場は即座にヒートアップ。ライヴは、新曲「No cry No more」を加えた、<AAA “Buzz Communication” Tour Deluxe Edition>(さいたまスーパーアリーナ公演)以降の新セットリストで展開された。

また、メンバー自身が企画して演じたアトラクションコーナー(いわゆる『お願い!!Buzzキング』のコーナー)では、歌あり、ゲームあり、ファンから大好評な“UNO48”ありのパフォーマンスが繰り広げられた。その上、これまでにはなかったバージョンやメンバー同士のモノマネなんかも披露されるなど、最終公演ならではのサプライズが続出。

そして、アンコールのラストでは、リーダーの浦田直也が「公演の延期や千晃の怪我など、いろんなことがあったけれど、そんな中、31公演ものツアーができるなんて本当に貴重な経験。これからも頑張って行くので応援よろしくお願いします。」と締めくくり、メンバー全員が満面の笑みで挨拶。会場は温かい拍手と歓声に包まれた。

<未来の近道はないから 何度も 自分を信じ 行こう> ──AAA「STEP」より

様々なアクシデントや想定外の事態を前に、メンバーそれぞれが全力で挑み、個人として、グループとしてできる最高のショーを一日、また一日と積み重ねた。それが、今回の全国ツアー<AAA“Buzz Communication”Tour 2011>。奇跡的な出来事の連続が、さいたまスーパーアリーナ公演2daysを含む、AAA史上最大規模の全国ツアーの成功という結果をもたらしたのではない。それは、メンバーが(そしてもちろん、スタッフやファンが)ひとつひとつ着実に、全力で積み重ねていった日々がもたらした、当然の結果だった。

全日程終了後、浦田直也はオフィシャルブログを更新した。そこには、<震災の影響で延期があったり、AAA史上最大規模の31公演だったり、不安や心配もたくさんありました。もちろん、喉や体力的にも精神的にも最後まで乗り切れるのか正直不安な公演もたくさんありました。>と、ツアー中はAAAのリーダーとして見せてこなかった胸の内とともに、<皆、ありがとう。そして、皆、愛してるぜ。>と、最終公演を迎えられたことについての感謝の気持ちが綴られていた。

このあとAAAは、7月末からスタートする夏の一大野外フェス<a-nation>の全公演に参加。さらに秋からは<6周年アニバーサリー全国ZEPPツアー>を開催する予定となっている。また、デビュー6周年にあたる9月14日には、ベストアルバムをリリースすることも決定しているほか、今回のツアーを追いかけたツアー・ドキュメント・ブックが今秋に発売されることも告知された。

◆AAAオフィシャルサイト
◆AAA BEST ALBUM特設サイト
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