MERRY、歴史と“今”の調和が証明された夜

11月7日、MERRYの誕生10周年を記念しての東京・恵比寿リキッドルーム6夜公演、題して＜MERRY 10th Anniversary NEW LEGEND OF HIGH COLOR「6 DAYS」＞が開幕を迎えた。各日、彼らの歴史を彩ってきた各アルバムをテーマに掲げたライヴが繰り広げられることになるが、この日のお題目は当然ながら彼らにとって最初のフル・アルバムにあたる『現代ストイック』（2003年発表）。当時を思わせるブラック・スーツの正装でステージに登場した5人は、このバンド生来のイビツな美学を、あくまで最新作である『Beautiful Freaks』を経た現在なりの成熟感と完成度をもって体現。懐かしさではなく、確実かつ飛躍的な進化を印象付けた。

◆MERRY画像

ライヴそのものの詳細については11月29日発売の『FOOL'S MATE』誌1月号に掲載予定なのでそちらをお待ちいただきたいところだが、まずはこの公演初日を終えた直後のネロ（Dr）のコメントをお届けすることにしよう。今回の6夜公演開催にあたり、グッズ関係すべての監修を担当したという彼は、パンフレットに掲載されている各メンバーのインタビューも担当。その執筆作業及び締切りとの闘いで3kgも体重が落ちたのだという。

「この企画が決まった瞬間から今日という日が近付いてくるにつれて、『ヤベえ、俺たちすごいことを成し遂げようとしてるんじゃないか？』みたいな気持ちがどんどん高まってきて。その気持ちがMAXまで高まった状態で今夜に臨めたのは良かったと思います。しかもこのライヴを心待ちにしてくれてたヤツらがこんなにいてくれて、しかもみんなはしゃいでくれて、本当に素晴らしい第1歩目になったなと思います。同時に、あの頃の曲たちを、ちゃんと今の自分たちの音でやれてよかった！　俺たちの10年がいかに充実したものだったかを証明してくれたのが『Beautiful Freaks』だったと思うし、あのアルバムがあってこその企画なんで。そのことを改めて実感してます。実は昨日、眠れなかったんですよ。リハーサルは納得いくまでやってきたんで、音については何の不安もなかったんだけど、自分が担当したグッズがちゃんと予定通り会場に到着するかどうかとか、いろいろと気になってしまって（苦笑）。だけど今夜はぐっすり眠れると思います！」──ネロ

そして11月8日、このライヴの第2夜は同じくリキッドルームにて、インディーズ時代の第2作、『モダンギャルド』(2004年発表)を主題に据えながら行なわれる。ネロはこの作品について次のように語っている。

「2枚目の『モダンギャルド』は本当に思い入れの強い1枚で。一度バンドを立て直したことで開花できたアルバムだと思ってるんです。だから当然、演奏しながら当時の葛藤を思い出さずにはいられない部分があると思う。それを今の音で、今の感情で演奏するとどうなるのか。それを提示したいと思います」

なお、この第2夜の公演チケットはすでにソールドアウトになっているが、第3夜以降の計4公演については当日券も発売される予定だとのこと。加えて、会場内に併設されている10周年を記念してのギャラリー（観覧自由）にも是非ご注目いただきたい。まさに今からちょうど10年前にあたる2001年の11月7日、目黒・鹿鳴館で初のライヴを行なっていたMERRY。その誕生日以上に重要な意味を持つものとして、この6夜公演は語り継がれていくことになるに違いない。

文／撮影：増田勇一

＜MERRY 10th Anniversary NEW LEGEND OF HIGH COLOR「6 DAYS」＞
11月7日（月）Vol.1～『現代ストイック』
・六本木ジャジー喫茶
・黄昏レストラン
・頭がザクロ
・Ve-doro
・ビニ本2丁目八千代館
・ドラマティック・チルドレン
・ピンク色の青春
・チック・タック
・路地裏哀歌
・東京テレホン
・ブルージーナイト
・やさしさ・キッド
・イエローガール
・バイオレット・ハレンチ
・陽の当たらない場所
‐encore‐
・finale
・夜光
・不均衡キネマ
・絶望
・消毒
‐special encore‐
・愛国行進曲

＜MERRY 10th Anniversary　NEW LEGEND OF HIGH COLOR「6 DAYS」＞
＠東京・恵比寿リキッドルーム
11月7日(月)Vol.1～『現代ストイック』(終了)
11月8日(火)Vol.2～『モダンギャルド』（SOLD OUT!!）
11月9日(水)Vol.3～『nuケミカルレトリック』
11月11日(金)Vol.4～『PEEP SHOW』
11月12日(土)Vol.5～『M.E.R.R.Y.』
11月13日(日)Vol.6～『アンダーワールド』

◆MERRYオフィシャルサイト