[クロスビート編集部員リレー・コラム] 荒野編「ハニークラック」

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95年にデビューしたハニークラックは不遇なバンドだった。60'sロック的な要素と、ハード・ロック寄りのパワー・ポップ感覚、パンクの激情を1曲に詰め込もうとしていた彼らは、まだブリットポップ一色だった当時のUKシーンにおいて余りに異色。フロントマン=ウィリー・ダウリングのズバ抜けた作曲センスも見過ごされがちだったように思う。小ヒット曲をいくつか放ちながらも短命に終わったハニークラックだったが、ウィリーは近年ジャックドー・フォーを率いて精力的に活動中。9月にはジンジャーをサポートする形で久々に来日も果たした(写真はジンジャーとウィリー)。

9月18日、新代田Feverで観たステージは、ジョン・スティール(G)と、ウィリー(Vo, G, Key)の2人編成。アルバム「ジ・エターナル・ストラグル・フォー・ジャスティス」がジェリーフィッシュに肉迫する完成度だっただけに、どんなライヴになるのか興味津々だったが、シンプルなアレンジでもメロディの旨味はしっかり伝わってきた。「ポルノグラフィ」ではインスパイア源であろうモット・ザ・フープル「メンフィスからの道」をちらっと歌うなど、ポップ中毒者らしい遊びもちらほら。「次はハニークラックの曲を歌う」と予告するや巻き起こった拍手にウィリーが苦笑いして「うれしいんだけど、今はジャックドー・フォーをやってるからメーリング・リストに登録しろよな!」と笑わせる。声に円熟味が出てきたウィリーが歌う「Samantha Pope」は、ハニークラック時代とは一味も二味も違っていて感涙ものだった。

photo by saya38

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