コルグから61ミニ鍵盤&スピーカー搭載のコンパクトな作曲アシスト・キーボード「microARRANGER」

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コルグは、、61キーのミニ鍵盤搭載、浮かんだ曲のイメージを「スタイル」によって拡げる作曲アシスト・キーボード「microARRANGER」を11月下旬より発売する。

コアなユーザー向けの製品が多いというイメージのコルグだが、カンタン&気軽に音楽を楽しみたいライト志向のユーザーに向けた製品の開発も長年続けられてきた。1983年には弾いたメロディに伴奏を付けてくれる当時としては世界初の機能を搭載した「SAS-20」を発表。また、コード演奏に合わせてさまざまなジャンルのバッキング・パターンを生成するキーボードとして1993年に登場した音楽ジャンル別の「スタイル」を搭載したInteractive Music Workstation i2/i3を記憶している人も多いだろう。トップ・クリエイターが制作した即戦力のバッキング・パターン「スタイル」はプロの作曲家やアレンジャーから絶賛され、その後スピーカー搭載機やモジュール型など、数多くの派生製品が登場。この技術は1人で多くのパートをこなすワンマン・バンド向け本格派アレンジャー・キーボードへと進化し、現在も主に海外で多くの支持を得ているという。

即戦力となる素材のスタイルを内蔵することで、感性やひらめきを音楽にすることができるiシリーズの思想を受け継ぎ、最初のバッキング・キーボード製品から30年に渡る進化を遂げた作曲アシスト・キーボード。それが今回新たに登場した「microARRANGER」というわけだ。

「microARRANGER」は、61鍵のナチュラル・タッチ・ミニ・キーボードを採用し、直径10cmのスピーカーを左右それぞれに配置しながらも、幅87cm/重さ4.2kgのコンパクト・ボディを実現。電源を入れれば、他の機器への結線は必要なく演奏できるので、思いついたアイディアをすぐに形として残すことが可能。便利なメモとして、本格的なツールとして、さまざまな場面で創作活動を強力にバックアップする。

続いて注目の「スタイル」をチェックしていこう。本体に304種類のジャズ、ピアノ曲、ラテン、ポップス、ロックなどのスタイルを内蔵、プロ・クオリティの楽曲制作をアシストする。これら「スタイル」には、イントロ、エンディングや曲の途中で流れを変えるフィルなど、バッキング演奏のバリエーションも本体パネル上のキーを押すだけで切り替え可能。また、メジャー/マイナーといった一般的なコードから、テンション・コードや転回形まで認識する高度なコード・スキャニング機能が搭載され、複雑なコード展開の曲にもスタイルによる自動演奏が確実に追従するのもポイント。これらのスタイルは編集も可能で、本体に48までメモリーすることが可能だ。また、今後コルグ・ホームページには新しいスタイルもアップ予定。好きなスタイルをこのユーザー・エリアに追加してさらに「microARRANGER」をパワー・アップさせて楽しむことができるのもうれしいところだ。

曲のラフスケッチ作成に活躍するのが「スタイル・プレイ」機能。スタイルを使って、リズムにあわせて鍵盤からコードを入力するだけですぐに演奏を楽しめるというものだ。浮かんだメロディにぴったりのスタイルを選んで曲のイメージを膨らませたり、また逆にスタイルを選びながら弾いてみることによって思いがけないメロディが浮かんできたり。曲作りの上でガイドとなる伴奏やアレンジの部分を全て本体に任せることができるので、最初に浮かんだイメージを逃すことなく作曲に集中できるというわけだ。

用途にあわせた2つのシーケンサーを搭載するのも大きな特徴だ。1つめの「バッキング・シーケンサー」は、「リアルタイム録音」と「ステップ録音」を用意。リアルタイム録音は、「スタイル・プレイ」で、リズムにあわせてコードを切り替えながらメロディを弾いたリアルタイムによる演奏を直ぐに録音できるもの。一方のステップ録音は、鍵盤演奏が苦手な人でも、コード情報等を1ステップずつ画面から入力していけるというもの。これにより、まるで本物のバンドが目の前で演奏しているかのような、リアルでゴージャスな最大8パートにわたる演奏を簡単に録音することができる。

もう1つの「ソング・シーケンサー」は、16トラック、56,000ノートに対応した標準仕様のシーケンサー。バッキング・シーケンサーで作成したバッキング・トラックに、さらにパートを重ねて録音できるので、本格的な曲の作り込みにも便利。こちらも「リアルタイム録音」と「ステップ録音」に対応する。作成したシーケンス・データはスタンダードMIDIファイル対応なので、手持ちのDAWやシーケンサーへ展開可能。PC上でさらに編集やボーカル・トラックなどを追加して楽曲データを完成させることができるというわけだ。本体にはSDカードスロットを装備。追加のスタイル・データをPCからSDカード経由で直接読み込んだり、PCへのデータの移動もカンタンだ。

サウンド面にも抜かりはない。搭載音源は、同社のTRITON STUDIOやExtremeなどでも採用され、多くのミュージシャンやクリエイターから支持を得ているHI(Hyper Integrated)シンセシス音源。ピアノやエレピ、オルガン、シンセ・リード、パッドなどのキーボード・サウンドは、バンドのスタジオ練習や、ライブでの使用に充分に対応するクオリティ。その他にも太いベース、リアルな管/弦楽器、タイトなドラムなど、実際にプロの現場からの要望に応えてきた音をセレクトした662音色+33ドラム・キット搭載。単体機として実績のある高品位エフェクトも89種類装備し、制作用としてもこれ1台でしっかりと作り込める仕様だ。

鍵盤は、ミニ鍵ながら演奏しやすいよう白鍵と黒鍵のバランスを熟考した箱形鍵盤で、タッチにもこだわっている。また、パネルのクロスフェーダーによって、2つのシーケンス・サウンドの音量をミックスできるXDSクロスフェード・デュアル・シーケンサーは曲間をうまくコントロールでき、リアルタイム・パフォーマンスの強い味方となってくれる。

9月の報道陣向けの内覧会で公開され、ついに正式発表となった「microARRANGER」。作曲用ツールとしてはもちろん、コンパクトさをいかしてライブにも持ち出せるなど、さまざまなシーンで活躍してくれるキーボードとなっている。

<おもな仕様>
●鍵盤部
鍵盤:61鍵ナチュラル・タッチ・ミニ鍵盤(べロシティ対応)
●音源部
音源システム:HI (Hyper Integrated)シンセシス・システム
最大同時発音数:62ボイス(62オシレータ)
マルチ・ティンバー:内部40チャンネル、MIDI16チャンネル
エフェクト:システム/4基のステレオ・デジタル・マルチ・エフェクト、エフェクト・タイプ=89個ユーザー・サンプリング:なし
●サウンド/ドラム・キット
プリセット:662(GM2 音色配列準拠の256プログラムを含む)+33ドラム・キット(GM2 音色配列準拠の9ドラム・キットを含む)
ユーザー:128サウンド+64ドラム・キット
●スタイル
プリセット:スタイル構成パート 最大8トラック(ドラム、べース、コード音色など)、プリロード 304個(最大 304個)、ユーザー 最大48個、各スタイルに付き4個までのSTS(シングル・タッチ・セッティング)と1個のスタイル・パフォーマンスを登録可能
スタイル・レコード:録音・編集が可能、スタイル・エレメント(例:2 イントロ、2 エンディング、 2フィル/1 ブレイク、4バリーションなど)を含み、各スタイルあたり 最大36パターンのコード・バリエーションの設定が可能
パフォーマンス:最大160個
●その他
スピーカー:10cm×2個 オープンエアー シングル・コーン・スピーカー
電源:DC12V(電源アダプター)
消費電力:9W
外形寸法:873(W)×277(D)×91(H)mm(本体のみ)
質量:4.2 kg(本体のみ)
付属品:ACアダプター、ACアダプター用電源コード、クイック・ガイド、譜面立て、アクセサリー・ディスク

◆microARRANGER
価格:52,500円
発売日:2011年11月下旬予定

◆microARRANGER 製品詳細ページ
◆コルグ
◆BARKS 楽器チャンネル
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