手のひらサイズシンセKAOSSILATOR新モデル「kaossilator 2」がマイク&スピーカー搭載、microSD対応で登場

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コルグは、手のひらサイズのシンセサイザー「KAOSSILATOR」の後継機種として「kaossilator 2」を3月中旬より発売する。

「KAOSSILAOTOR」は、ガジェット楽器の元祖である手のひらサイズのシンセサイザー。初代モデルは2007年に登場、2010年も上位モデルの「KAOSSILATOR PRO」、2011年にはiPhone/iPad版の「iKaossilator」が登場しているが、初代のコンパクトさを引き継いだ後継モデル「kaossilator 2」がついに登場することとなった。

音源部のパワー・アップによりさまざまなジャンルのダンス・ミュージックをカバーするシンセ/ドラム・サウンドはもちろんのこと、「kaossilator 2」ではループ・レコーディング機能を大幅に強化。2つのループを使ったDJライクなミックスや、内蔵マイクでギター/ボーカルなどの音をルーパー・エフェクトのように録音できるなど、一人でも複数人でも楽しめる機能が多数備えられている。また視認性の高い有機ELディスプレイ、使い勝手の良いタッチ・スライダー、microSDカード対応、スピーカー/マイク内蔵などあらゆる点でパワーアップしている。

指でタッチ・パッドをなぞったり、叩いたり、擦ったりするだけで、自由自在にメロディー/フレーズを演奏できる独自のインターフェイスを採用。タッチ・パッドを横方向になぞると音の高低を、縦方向になぞるとカットオフ/フィードバック/モジュレーション・デプスなどの音色を彩る要素をコントロール。各ドラム音を単音で収録したドラム・キット音色の使用時には、同時に複数の音を鳴らすことができ、ドラムパッドのごとく叩いて演奏することも可能だ。鍵盤を弾けない人でも気軽に演奏でき、鍵盤では演奏しきれないような音色変化に富んだプレイも思いのまま。基本となるユーザーインターフェイスは従来モデルと同様だ。


搭載されるサウンドは、コルグが誇るシンセサイザー・テクノロジーを小さなボディに惜しみなく投入したもので、あらゆるダンスミュージックに対応する150種類を内蔵する。ヒップホップ/ハウス/ダブステップ/ニュー・ディスコ/エレクトロなど幅広いジャンルをカバー。シンセサイザーの定番であるシンセ・リードやシンセ・ベース、ピアノやギターなどのアコースティック・サウンド、DJなどで使えるSEサウンドを揃えている。新搭載のPCM音源によりドラム・サウンドがよりリアルになっているのも注目だ。キック、スネア、ハイハットなどから成るドラム・キットが15種、タッチ・パッドに触れるだけで様々なパターンのドラム・フレーズを演奏できるリズム・ループ・パターンを25種搭載している。

誰でも音程を外さずに演奏できるスケール/キー設定機能も健在。これにより、まったく楽器を触ったことのない人でも、曲調にマッチした演奏が可能となっている。半音階/メジャー・ペンタトニック/マイナー・ブルースといったポピュラーなスケールはもちろん、スパニッシュ/琉球/ラガなど独特なものまで全35種のスケールと、±12までのキー設定機能を搭載。両方を楽曲に完全に合わせておけば、一切音を外さずに完璧にソロをとることも可能だ。さらに、演奏可能な音程の上下幅を変更できるノート・レンジ機能を搭載。幅を狭めて正確に思い通りのメロディーを演奏したり、極端に広くして自分では思いつかないようなダイナミックかつ奇抜なフレーズを偶発的に生み出すなど、さまざまな演奏感覚が得られる。

初代モデルには搭載されたものの「iKaossilator」では削られたゲート・アルペジエーターも内蔵される。これは、タッチ・パッドに触れるだけで自動的にフレーズやビートを刻むもので、全50パターン搭載する。さらに「kaossilator 2」の新機能としてアルペジエータのゲート・タイムやスウィングの値をエディットすることができ、より自分の思い通りのフレーズで演奏することができるようになっている。

直感的にフレーズを重ね録りできるループ・レコーディング機能ももちろん搭載。タッチ・パッドでの演奏を何度でも重ねて録音することができる。自分の思いのままに、お気に入りのフレーズを重ねて録音(オーバー・ダブ)していけば、誰でも簡単に魅力的なトラックを作り出せる。スケール/キー設定機能を搭載しているおかげで、どんなプレイを重ねても音楽的におかしくなる心配はない。

そして、2つのループ・レコーディング・バンクを組み合わせることで、これまでのKAOSSILATORではできなかった新たなパフォーマンスが可能となっている点も見逃せない。2つのループそれぞれに異なる音色・フレーズを録音しておき、クロスフェードしたり、ミュートしたり、ループの長さをリアルタイムに変えたりすることで、誰でも簡単にライブ・パフォーマンスが可能。また、不要になったループの消去/新たなループの録音を、再生しながらリアルタイムに行えば、音を一度も止めることなくDJライクなプレイを行うこともできるのだ。

さらに、外部入力音のループ・レコーディングも可能だ。これは、内蔵マイクとマイク・インプットの搭載により実現したもの。「kaossilator 2」で演奏して作ったループ・フレーズをバックに、自らラップ/ボーカルなどの音をオーバー・ダビンクしてトラックを作り込んだり、ギターなど他の楽器を持ったメンバーとのレコーディング・セッションなどを楽しむなど、これまでのモデルにはない、より幅広いパフォーマンスが可能になっている。

microSDカード対応も待望の機能だろう。ループ・レコーダー・データを直接セーブ/ロードできるのはもちろん、タッチ・パッドを使った演奏やループ・レコーディングのフレーズの抜き差しなど、「kaossilator 2」で演奏したパフォーマンスの内容をそのままマスター・レコーダーに録音し、microSDカードに記録することが可能。頭に浮かんだフレーズを次々にセーブして曲作りのためのネタとして活用したり、「kaossilator 2」でプレイしたパフォーマンスをインターネット上で公開するのにも便利だ。また、オーディオ・プレーヤー機能も搭載しており、マスター・レコーダーで録音したパフォーマンスを本体で再生可能。自分のベスト・パフォーマンスを聴き直したり、仲間に聞かせたりといった楽しみ方もOKだ。対応するファイル形式はWAVファイル(16bit、44.1kHz/48kHz、ステレオ)。なお、SDXC カードは使用できない。

コルグのiPhone/iPadアプリ「iKaossilator」との連携機能も注目を集めそうだ。これは「kaossilator 2」と「iKaossilator」の間でのオーディオ・ループ・データのやり取りができ、お互いのデータにBPMなどを同期させたプレイが可能になるというもの。「iKaossilator」と「kaossilator 2」は同じKAOSSILATORでも、その音源部やレコーディングのスタイルはまったく異なる。PCM音源を搭載した「iKaossilator」に対して、モデリング・シンセを採用した「kaossilator 2」。そして5パート・シーケンサーで音の抜き差しといったプレイも自在の「iKaossilator」に対して、無限にオーバーダブでき、外部入力音のレコーディングも可能な「kaossilator 2」。それぞれの機能を活かしたプレイを収めたオーディオ・データと組み合わせることで、パフォーマンスの可能性はより一層広がるというわけだ。連携は3月予定の「iKaossilator」のバージョンアップにより可能となる。

使いやすいハードウェア・デザインは、同時発表の「mini kaoss pad 2」と共通のもの。高コントラストで見やすい有機ELディスプレイは、音色名や機能名を分かりやすく表示し、暗いDJブースやステージなどでもはっきりと視認可能。VALUEスライダーにはタッチ・パッド同様にタッチ・センスを採用。スライドやタップなど各機能ごとにそれぞれ最適化された操作方法で操作することができ、スムーズなパラメータ・コントロールを実現する。また、単3乾電池×2による電池駆動、スピーカー搭載でいつでもどこでもプレイ可能なので、まさに「いつでも・どこでも・誰でも・誰とでも」楽しめる楽器になっている。

<おもな仕様>
プログラム数:150
プログラム・カテゴリー:Lead=25、Acoustic=10、Bass=30、Chord=25、SE=20、Drum=15、Drum Pattern=25
スケール数:35
キー設定:±12
ゲート・アルペジエータ・パターン数:50
サンプリング周波数:48kHz
AD/DA:24bitリニア
入力端子:マイク・インプット(ステレオ・ミニ・ジャック)
出力端子:ヘッドホン・アウトプット(ステレオ・ミニ・ジャック)
外部記憶装置:microSD カード(512MB~2GB)、microSDHCカード(~16GB)※SDXCカードは使用できない。
電源:単3形乾電池2本(アルカリ乾電池、ニッケル水素充電池)、別売ACアダプター(KA191、DC4.5V)
電池寿命:約5時間(ニッケル水素充電池使用時)
外形寸法:76(W)×128(D)×25(H)mm
質量:105g(電池含まず)
付属品:動作確認用単3形乾電池2本
オプション(別売):ACアダプター(KA191、DC4.5V)

◆kaossilator 2
価格:16,800円
発売日:2012年3月中旬



◆kaossilator 2 製品詳細ページ
◆コルグ
◆BARKS 楽器チャンネル
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