[クロスビート編集部員リレー・コラム] 編集長大谷編「キッス・トリビュート」

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2012年4月号のハード・ロック特集をやってみて、改めてわかったのが90年代オルタナティヴ勢によって後の世代に繋がっていったということ。特にキッスの影響は大で、8歳の時に初めて買ったレコードが「地獄のロック・ファイア-」で自らトリビュート・バンドをやっていたウィーザーのリヴァース・クオモ、わずか7歳ではまったジョン・フルシアンテ、ジーン・シモンズの格好をした父親とライヴに行ったマリリン・マンソンと枚挙に暇がない。

そんなキッス再評価の発端となった一枚がトリビュート・アルバム『Hard to Believe: Kiss Covers Compilation』だ。オールやコフィン・ブレイク等80年代アンダーグラウンドで活躍していた面々がそれぞれ好き勝手にカヴァーを披露。メジャー・デビュー前のニルヴァーナも「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」(76年の「地獄の軍団」収録)を楽しそうにプレイしている。また2005年のフジロックでキッスTシャツを着ていたデイヴ・グロールは、エース・フレーリーのソロを「I'll Stick Around」のB面でカヴァー。こちらは本当に好きな奴にしかわからない渋い選曲だが、歌い方までそっくりのなりきり振りが最高だ。

キッスのメンバーのソロは、全盛期の1978年にメンバー全員が似たようなジャケットを同時発売して当時は注目を集めたもので、そのコンセプトをまんまコピーしたのがシアトル・グランジの元祖メルヴィンズである。何とメンバー全員のソロEPを同時リリース。このジャケットを観た時は大笑いしたけど、「とにかく一度やってみかった」という本人たちの気合いが伝わってくる。

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