なついろ、爽やかな夏の風のような清涼感溢れる「君の涙にこんなに恋してる」特集

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Debut Single「君の涙にこんなに恋してる」8月29日(水)リリース アニメ『名探偵コナン』オープニング曲

――森川さんはジャズ歌手としても活動してらっしゃるんですよね。

森川七月(以下、森川):そうなんです。16歳から唄ってるんですけど、今後もなついろと並行してやっていこうと思っています。

――元々、ジャズを唄おうと思ったのは?

森川:ジャズとも知らずに唄ってたんですよ。自分の好きな曲をセレクトしてライヴで唄ってたんですけど、今のスタッフと知り合って、私が唄っているのは“ジャズだよ”って言われて(笑)。

――歌は、元々どんなキッカケで始めたんですか?

森川:それも気付いたら唄ってたっていう感じですね。歌手を目指し始めたのは12歳くらいだったんですけど、本格的にライヴ活動を始めたのは16歳です。最初は姉と二人で唄ってたんですよ。

――姉妹でハモったり?

森川:姉妹でしかできない音のとり方とかアイコンタクトとかあるので、それが楽しくて自然と音楽にのめり込んで。なんの違和感もなく、ここまで来てしまったという感じですね。

――どんな歌を唄って来たんですか?

森川:ジャズはスタンダードが中心ですね。聴いたことがあるような曲から入りました。あとはジブリ映画の曲もありましたし、アースウィンド&ファイアーとかも。

――いわゆるグッドミュージックに触れて来た?

森川:はい。そうですね。

――なついろの曲もすごく普遍的ですものね。少し懐かしいような気持ちになるけど、ずっと聴いていけそうな。「君の涙にこんなに恋してる」は、コーラスがビーチボーイズ的な香りもしていたり。

森川:まさにそんな感じで、ジャケットもドーナツ盤のレコードのように作ってるんです。サウンドも、ビーチボーイズのフィーリングだったり、どこか懐かしいところを取り入れて。ビート感はイマドキだったりするんですけど。ボーダーレスな感じで、幅広く聴いてもらえるような音楽を目指しています。

――最初からそういうコンセプトで?

森川:懐かしさと新しさを兼ね備えていけたら、と話し合っていました。私自身、夏生まれで夏が好きというのもあるんですが、“なついろ”という名前は、夏限定ではないんです。夏をイメージさせたり、夏を感じさせるというのがコンセプトです。

――夏のイメージだけでも色々ありますもんね。爽やかな感じだったり、切なかったり。パーティーチューンでも夏っぽい雰囲気は出るし。今回の「君の涙にこんなに恋してる」は爽やかな夏で、「思い出は…」は切ない。

森川:「思い出は…」は秋から冬になる人恋しい夕暮れ時に、夏の恋愛を振り返ってるようなイメージなんです。ちょっと甘酸っぱいよっていうような。「君の涙にこんなに恋してる」は真夏のイメージもあり、春から夏にかけて、“もうすぐで夏が来るよね?どうする?”っていう感じで、テンション上がってくるような曲かなって。いろんな夏があるので、人それぞれ感じ方があると思うんですが、私はそういうイメージですね。

――「君の涙にこんなに恋してる」は『名探偵コナン』のオープニングでもありますね。

森川:はい。たくさんの持ち曲からこの曲が選ばれたので、『名探偵コナン』のオープニングに向けて、さらにブラッシュアップしたという感じでした。このアニメ自体が、ファン層の幅が広いですから。そのオープニングともなると、私たちが思っている以上に幅広い年代の人に聴いてもらえるチャンスだしキッカケですから、ものすごく嬉しいですね。

――曲自体、初デートの雰囲気がありますよね。やっと初デートに辿り着けて、しかも、夏もやってくる。“待ちかねていた何か”みたいなものがこの曲には唄われていますよね。森川さんがイメージした世界観は?

森川:いま“初デート”って言葉に衝撃を受けたんですが、確かにこの曲って、ドキドキワクワクするような感じですよね。私は、「君の涙にこんなに恋してる」っていうフレーズに対して、最初は“えっ?”て思ったんですよ。例えば、自分の前にいる男性がポロッと涙を流して、それに恋をした。でも、それって言葉にできないじゃないですか。その涙を見て、自分もオープンになって、素直にその人に心を開いて話ができるという状況だと私は思うんです。すごいハッピーな物語だとも思いますし。

――タイトルを見ただけでイメージが膨らんで、曲の中身が知りたくなります。

森川:そうなんですよ。二番に“君の笑顔がこんなに勇気くれる”ってあるんですが、それは割と普通だと思うんです。でも、君の涙にって言われたときに、良い意味で“なんじゃそりゃー”って感じるんですよね。歌詞をよく見てみると、ある程度話が見えてきますが、ハッキリとは書いてないので、それが人それぞれ、自分の想像を当てはめられるというか。

――森川さん自身、性別をガンッと押し出さない、中性的な声や唄い方ですし、感情を込めすぎず、曲に忠実だからこそ、いろんな想像が膨らみますね。もしかしたら、主人公が男性なのかもしれないとか。そんな風にも思えます。

森川:ジャズを唄うときもそうですが、元々すごく良いメロディを作曲家の方が作るじゃないですか。そこに入ってる作曲家の想いって強いですよね。それをアーティストとして崩したくなんです。自分がこう思うからっていう気持ちをあまり込めたくない。作曲家さんが込めたものを崩さず唄いたいんです。だから、そういう風に感じてくださることってすごく嬉しいんです。

――そういう主旋律があり、風のようなイメージのコーラスが景色を作っていますね。

森川:そうなんです。後ろから押してくれるようなコーラスですね。聴く人によって、いろんな捉え方ができるって、音楽って本当に良いですね。そういう想像力の膨らむ音楽を目指して行きたいです。

――そんなタイトル曲があり、先ほどもチラッと話が出ていたカップリングの「思い出は…」は、振り返る夏の思い出的な。

森川:女性は複雑ですから、よくコロコロ気持ちが変わるでしょ? 別れてすごく寂しいけど強がって、“私、大丈夫!”って言ったり。落ち込んだままではいけないから、前向きに生きて行こうっていう流れになっているんです。タイトル曲とはコロッと変わったような切ない感じで。甘酸っぱさが入ってて。

――そこは、なついろらしい爽やかな聴き心地もあって。

森川:はい。悲しいことはあったけど、前向きに強く生きて行こうっていう。すごく女子的な気持ちを現していますよね。作詞はメンバーの山崎好詩未ちゃんなんですけど、同じ考え方だったとしても、“へぇ~、そういう表現の仕方があるんや!”っていつも思うんです。この曲でも、そうなんですよ。きっとみんな経験することだから、共感できると思うんです。友達が話していてもわかってあげられそうな感じがあるので。

――最後は、悲しいことも全部含めて、思い出があるから強く進んで行けるという前向きな結論ですもんね。

森川:そうですね。別れて辛いけど、その人と出会ったことで強くなれるという。女性はそうやって強くなっていくのかなと。男性にも当てはまることが多いように思うんですけど、どうなんですかね?。

――デビューが8月29日で、もう残暑ですから、秋や冬に発表するなついろの曲が気になります。

森川:もうアルバムの準備にも入っているので、もっとたくさんの曲を聴いてもらったら、なついろって、そういう感じの音楽をやっていくんだ! っていうことがわかりやすくなっていくと思います。なついろだから、夏限定だと思われがちですが、春から夏を見てるとか、夏真っ盛りから秋になってきたころの風景とか、いろんなシチュエーションでも合う音楽っていうのをコンセプトに作って行きたいと思っています。ビートのハッキリしたものもありますし、「思い出は…」よりももっとバラード色の濃いものもあります。そういう曲も楽しみにしててほしいですね……って言いながら、私が一番楽しみなんですけど(笑)。

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