花少年バディーズ【インタビュー】『Bible』僕たちは未来に向かって進まなければいけない。その時には大切な人が必要だ。

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8月にシングル「Bicycle」をリリースした花少年バディーズが、11月7日に満を持してアルバム『Bible』をリリースする。制作のために活動を小休止し3年越しで完成したこの作品は、ロックミュージックの名鑑的に色んなスタイルのロックを彼らなりに踏襲した一枚だ。試行錯誤や楽しんでレコーディングしている様も見えて来るようなこの作品についてメンバーに語ってもらった(ヴォーカルの獏は残念ながら病欠)。

――8月にシングル「Bicycle」をリリースして、そのときにも二年越しでアルバム制作をしている話をしていましたが、ついにアルバム『Bible』がリリースになるんですね。

ミネムラ(Gt,Key):結果、三年越しなんですけどね。

――色んなロックのスタイルを詰め込んだ作品になるという話もされてましたけど、本当にその通りで。5人が楽しんでレコーディングしているのも伝わりますね。

ミネムラ:楽しかったです。1トラックごとにギターとアンプの組み合わせを考え抜いてレコーディングしていったので、ギターの数、アンプの数もハンパなかったんですけど。

――いろんな音作りをしていても、一つ一つの音がしっかり聞こえてくるのは、そういう丁寧な作業の結果ですかね。

ミネムラ:今作は、できるだけ機械的な音を入れずに、5人の生演奏が生きる仕上がりというのを目指していったんです。そういう意味では一個一個の素材を丁寧に録って住み分けて行ったという感じがあるので、音の分離感もいいと思います。ちゃんとセレクトしていない音とか、しっかりしていない演奏が一番音楽をゴチャっとさせると思うんですよ。アレンジ云々より、まずサウンドや演奏をしっかりすることが音の分離の良さを出すのかなって。

――「Bicycle」のカップリングに収録されている「モトカレ(アパレル編)」では、フォークにチャレンジするのに試行錯誤があったじゃないですか。今作はさらにサウンドの種類もいろんなパターンがあるから、そこらへんで試行錯誤もありましたか?

ミネムラ:いっぱいありましたよ。「ああいうギターの音ってどうやって出すんだろう?」ってなったら、Youtubeを検索して弾き方や使ってる機材をチェックしたり。アルバムに入ってる「モトカレ(美容師編)」はワルツなんですが、ワルツのような曲はどういう楽器構成で作られているんだろう?ってことで、マンドリン合奏みたいなのをYoutubeで見たりとか。「gdgd」のように明瞭簡潔な楽曲作り……ツルッと終わってツルッと聴けるっていうシンプルな構成にするなら初期のビートルズじゃないかなとか思って、初期のビートルズやその時代のアーティストの曲を聴きまくったり。「ブーカーゴーゴー」もサーフロックでディック・デイルのプレイを観て、ギターフレーズを研究したりしたんです。

――洋楽のロックのテイストにニヤッとする部分はたくさんあるんですが、日本人のワビサビが加わってるから面白いですよね。洋楽そのままのリスペクトじゃなくて、あくまで日本人がやっているからこうなるっていう和洋折衷だからこそ出て来る個性っていうか。特にメロディにはそれが強く出ていると思います。

ミネムラ:それは面白い解釈ですね。確かにメロディはそうかもしれないですね。歌謡曲からビートロックな感じのメロディだから。そこは自分達の中にあるものしか出せないので。

――いろんな曲がある中で、この曲のレコーディングは忘れられないっていうのは?

ツブク(Ba):「カメリアサブマリン」のベースフレーズは、こうしたほうが絶対にいい!っていうイメージがすぐに湧いて、少ない音の間を埋めて行くベースラインというところで根本を見直せたので、満足できた曲ですね。アップライトのベースも2曲使ったり。感覚的にエレキベースで弾いているものをアップライトに変えるっていうふうに考えていたので、フレットのない音だったり、フレットのないスライドの音っていうのを学びつつ楽しんでできました。このアルバムは僕たちの実験であって、今最高のアルバムに仕上がったかなって。このレコーディングを経て成長できたところもあったので、まさにバイブルと言える自信作ですね。

ミネムラ:曲っていうか、全体的なことなんですけど。音の良さを追求したのはもちろんで、最初からアルバムを作る方向性としては「音の良いアルバムを作る」って思ってて。でも良い音ってなんだろう? 誰がどういう環境で聴いたら良い音っていうんだろう? って作りながら我に返ったり、迷いが出たりもしたんですよ。でも、やっぱり、そこは自己満足の世界が大きいなって。それで途中から開き直れたんです。そうなってから邪念もないぶん楽しくて。こういうギターの音って今ドキじゃないよなとか思うんですが、関係ないなって思えるようになれたので。途中で、自己満足すぎて、人様に聴かせるのはどうなんだろう? って思ってた時期もあったんですけど、出来上がったら早くみんなに聴いてもらいたいって思えたから。割とエゴっぽいようでエゴっぽくない(笑)。

――ポップなところが出せた?

ミネムラ:うん。自分の目指しているところって、ポップなところにいるんだなって。

――広志くんは?

広志(Dr):アルバム13曲ある中で、ひとつもリズムパターンがかぶってる曲がないんですよ。バンドのフルアルバムとなれば、2~3曲は8ビートでちょっとかぶってるようなのがあるんですが、どの曲も、どのフレーズを聴いてもかぶってない。それは自分の中ですごく刺激になったというか。昔はドラマーはどのジャンルの曲でも叩けなきゃダメだったんだよって言われたことがあって。それを思い出して、自分への修行じゃないですけど、そういう意味も込めてレコーディングできたので。特に苦戦したのは「カメリアサブマリン」なんですけど。出だしから何度も何度も録り直ししたんです。そういう意味で思い出深いレコーディングでした。

琢磨(Gt):「カメリアサブマリン」はボトルネックに挑戦したり、僕も印象に残ってますね。他にも環境的にいろんなアンプと色んなギターが揃ってたので、せっかくそれだけの機材があるから、生っぽさとか人間らしさ、あったかい音っていうのをそれぞれの曲に当てはめていきたいって思いながらやってました。型にハマってないからこその難しさもあるんですよ。今までとも違う状況にもあったし。逆にこういうレコーディングをしたことで、人間らしい音の出し方もわかったし、そこの面白さですよね。作り込まれたギターの音じゃない、人間らしい音のスリリングさ。そういうのがウケたり、絶妙な味になった感じが出たので勉強になりました。

――バンドのコンセプト自体に「絶対的ハピネス」っていうのがあるだけに、聴いたあともハッピーな気持ちになるね。

ミネムラ:一曲目の「Bible」には特にそれが出ていますよね。いくつになっても明るい未来に向かっていこうとする気持ちが大事だというのを忘れないように。実は「カメリアサブマリン」も同じようなテーマなんですよ。本当の現実ってすごくシビアで息苦しくなることがあるけど、でも僕たちは未来に向かって進んで行かなければいけない。その時には大切な人が必要だっていう。「Bible」から少し大人にはなってるけど(笑)。良い始まり方と終わり方が出来たなって思います。僕たちにとっても、聴いてくれた人にとっても『Bible』になるといいなと思います。

取材・文●大橋美貴子

1st Album『Bible』
2012.11.7(水)リリース
Type-A 初回限定盤(CD+DVD)BDBX-0010A \3,800(tax in)
Type-B 通常盤(CD)BDBX-0010B \2,800(tax in)
(CD)
1. Bible
2. gdgd
3. 乙女桜
4. Book
5. ブーカーゴーゴー
6. モトカレ(美容師編)
7. 笑!うるせぇすマン
8. Blue Bad Boy
9. バレリーナ
10. 落陽
11. Bicycle
12. カメリアサブマリン
13. クリスマスのココロ(※通常盤のみ収録)
(DVD)
ドキュメント映像『絶対的ハピネスへの道 Part2 2011-2012』、2012/5/1ライブ映像、他 約120分収録

<Boys write Bible -Wow バイブル×彼女の履歴!->
11月7日(水) 浦和Narciss
[問]enter brain http://www.enter-brain.jp
11月17日(土) 宇都宮KENT
[問]enter brain http://www.enter-brain.jp
11月18日(日) 宇都宮KENT
[問]enter brain http://www.enter-brain.jp
12月1日(土)名古屋HOLIDAY
[問]enter brain http://www.enter-brain.jp
12月2日(日)大阪RUIDO
[問]enter brain http://www.enter-brain.jp
12月9日(日)渋谷BOXX
[問]HOT STUFF PROMOTION TEL.03-5720-9999
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12月10日(月)渋谷BOXX
[問]HOT STUFF PROMOTION TEL.03-5720-9999
[問]enter brain http://www.enter-brain.jp

<SPLIT TOUR 2012>
11月8日(木)渋谷O-EAST
出演:AUBE/BugLug/花少年バディーズ/ベルベット/ダウナー/Awake/カラット/Blitz
[問]チッタワークス 044-276-8841

<rivabook presents>
12月27日(木)高田馬場AREA
出演:花少年バディーズ/ambergris/cocklobin/ベルベット/the LEM/コドモドラゴン/カラット/セッション1(Vo.手鞠/Gt.源依織/Gt.ミネムラ/Ba/猟平/Dr.sora)/セッション2(Vo.獏/Gt.希/Gt.yuya/Ba殊/Dr.ラミ)
[問]AREA:03-3361-1069

◆花少年バディーズ「Bible」SPOT CM ver.30sec
◆花少年バディーズ オフィシャルサイト
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