ミュージック・シーンはデヴィッド・ボウイの10年ぶりの新作『The Next Day』の話題でもちきりだが、そのカヴァー・アートにも注目が集まっている。

◆デヴィッド・ボウイ画像

ボウイの1977年のアルバム『Heroes』をアレンジしたデザインは、『Heathen』(2002年)、『Reality』(2003年)同様、ジョナサン・バーンブルックが手がけた。彼は、ブログで“なぜ新しいデザインではないのか?”“なぜ『Heroes』なのか?”等、これまで寄せられた質問に答えている。

まず、「なぜ新しいデザインではないのか?」との疑問にこう説明する。「なにか違うことをやりたかったんだ――あらゆることがやりつくされた分野ではとても難しいことだが、僕らはあえてこれを新しいと考えている。過去のデザインを使う場合、たいてい“リサイクル”や“グレーテスト・ヒッツ”を意味する。でも、僕らはタイトルの『The Next Day(次の日)』を引き合いに出している。それに『Heroes』のカヴァーを白い紙で覆ったのは、“いま現在の”素晴らしいポップ、もしくはロック・ミュージックのスピリットの象徴であり、過去を忘れる、または抹消することを意味する」

「しかしながら、僕らはみんな、そういうわけにはいかないのはわかっている。僕らはどうやっても過去から逃れることはできない。クリエイティヴでいるとき、それはどんな場面にでも現れる――どんな新しいものの中にも染み出てくる(とくにボウイのようなアーティストの場合は)。それはいつだって大きく立ちはだかり、どれだけ逃れようとしても人々は過去と関連づけ判断を下す。それに、過去のイメージを覆うのは人間の条件でもある。僕らは過去を後に絶えず次の日へ向かって進み続けている。それしか選択がないからね」

なぜ『Heroes』だったのか――「もしボウイのアルバムを破壊しようとするならば、たくさんの選択があるだろう。でも、これは最も崇拝されるアルバムの1つだし、破壊するならば本当にショックを与えるイメージである必要があった。『Heroes』はあらゆる点で至当だと考えた。それに、新作はとても観想的で、『Heroes』のカヴァーはこの雰囲気にマッチする。“Where Are We Now?”という曲は、壁が崩壊したときのベルリンといまのベルリンの比較だ。ボウイがベルリンで成した偉業についてはよく知られている。みんなにオリジナル・アルバムが作られたときといま現在について考えてもらいたいんだ」

ボウイ待望の新作『The Next Day』は3月にリリースされる。


Ako Suzuki, London