【インタビュー】EARTHSHAKER、変わることのないポテンシャルの高さで証明してみせた自らの信念とロック魂

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■ソロアルバムのセルフカバーでは
■EARTHSHAKERは古いバンドではないことを証明したかった

──今回、『THE EARTHSHAKER』をリリースされる前(5月22日)に、それぞれソロアルバムをリリースされていますが、このタイミングでソロアルバムを制作しようと思われたのはどうしてですか?

MARCY:EARTHSHAKERももちろん、僕らもそれぞれが個人のアーティストとして30周年を迎えたということで、そこも含め、EARTHSHAKERの30周年というのを大きくしたかったんです。個人のアルバムを作ると、その個人が発信する音楽がそこに詰め込まれる訳じゃないですか。そこでお互いが、まったく違った個性を見せて、お互いがクオリティの高いモノを作って、そしてEARTHSHAKERとして2人が音を作ったときには、そこにはEARTHSHAKERという個性が生まれる。意識してやっている訳じゃないけど、自然と集まるとEARTHSHAKERのサウンドを作り上げるんだということを証明したかったというかね。

SHARA:僕も、どんな曲を作っても、どんな傾向の曲調を作っても、EARTHSHAKERで曲を作るときは、無意識にシェイカーの音になるから、まったく縛られることなく、自由に曲を作れているからね。そう思うと、バンドってすごいんだなって思う。それが、ソロで今回曲を書いたときは、不思議とEARTHSHAKERにはならなかったんだよね。それはバンドが違うからなんだと思う。

──EARTHSHAKERで曲を作るときも、ソロで曲を作るときも、曲の作り方は変わらないんですよね?

SHARA:うん。まったく変わらない。同じように完璧なデモも作るし、それを基にみんなが音を重ねていってくれるんだけど、シェイカーとはまったく違う音になるんだよね。

──MARCYさんも、バックの音が変わると、EARTHSHAKERのMARCYではなくなる?

MARCY:うん。聴いてる感じはそんなに違わないかもしれないけど、自分的には全然違ってますね。細かいところから全部が変わる。そこもまったく自分では無意識。曲を作るときもそうで、僕もソロ用の曲を作るときとEARTHSHAKER用の曲を作るときって、分けて作ってはないからね。今、自分の中から出てくるベストなモノを作って形にして、それを届けるときにバンドが違うっていうだけの話なんだけど、それでまったく違った印象のモノになるんだよね。

──MARCYさんのソロアルバムに収録されている「DARK ANGEL」はEARTHSHAKERのセルフカヴァーですが、サウンドと空気感があまりにも違っていたので、最初EARTHSHAKERの曲だって気付かなかったんです。ソロアルバムの中で、セルフカヴァーをしようと思ったのはどうしてだったんですか?

MARCY:EARTHSHAKERの曲は、どんなふうに変化しても良くなるんだってことをやってみたかったんだよね。「DARK ANGEL」は、デビューアルバム『EARTHSHAKER』の中の曲なんだけど、1曲目の「授かりし命と共に」は2013年に作った曲。敢えて最近の曲と30年前のEARTHSHAKERの楽曲とを並べて置いてみたかった。そうしても、まったく違和感を感じさせないというところを見せたかったというか。それだけEARTHSHAKERはすごいバンドだってこと、2013年にも通用するようなことを、30年前のあの時代にやっていたということを見せつけたかった。この1曲目と2曲目の間に、30年という時間を感じさせないということを証明したかったんです。どうだろ、すごいだろ! って。EARTHSHAKERは古いバンドではないんだぞってところをね。

──なるほど、そういう意図があったんですね。SHARAさんは聴いてみてどうでしたか?

SHARA:うん。バンドサウンド自体は、すごく今どきなサウンドになっていて素晴しいし、その個性を蹴飛ばすくらいのMARCYのボーカルの個性はすごいなって思いました。明らかにシェイカーとは違うと感じるから、別のMARCYを感じますね、純粋に。

──MARCYさんは逆にSHARAさんのソロを聴いてどうでした?

MARCY:すごく自由ですよ。なんかね、悩まなくていいって感じで、すごくSHARAらしく、すごく自由にやってるなぁって感じるよ(笑)。楽しい。今、SHARAがどんなことに興味があるとかは全部知ってるから、聴いてて、なるほどって思うし、その自由さが楽しい。

SHARA:僕も同じかな。MARCYの今、好きなものを知ってるからこそ、なるほどねって思いながら楽しんで聴けた感じでもあったかな。

──MARCYさんは今、ソロでアコギ1本で歌って全国を細かくまわっていますが。

MARCY:そうそう。いろんな土地を細かくまわらせてもらってます。あれは、すごくいい。いろんな人と出逢えるしね。またアコギ1本で歌っているから、まったく違ったモノになっていると思うからね。

──そうですね。SHARAさんは、ボーカルをLOUDNESSのボーカリストである二井原実さんが務められていますが、SHARAさんのギターでありながら、やっぱりEARTHSHAKERのサウンドではなくなっていたし、二井原さんも、LOUDNESSで歌われている二井原さんとはまた違った個性を感じて。

SHARA:バンドが違うとここまでみんな変化するんだなっていうのは、自分自身の発見にもなった。それぞれの個性が、よりはっきりとわかるというかね。

──あと、インストも相当良かったです。SHARAさんのインストは、普通にJ-POP好きな子たちも好きだろうなって思えるんじゃないかな。

SHARA:うん、その感覚すごくわかるよ。実はね、僕もギターのインストアルバムとかって嫌いなんですよ。すごく退屈でね。友達のギタリストのインストアルバムとかだったら、その子の癖とかも知ってるから裏側からの聴き方をしたりして楽しいんだけど、知らない人のインストは退屈過ぎて聴けない。だから、僕は、インストをインストだと思って作ってないんですよ。サウンドトラックを作るつもりで、メロディ重視で作ってるから、歌を聴くような感覚で聴いてもらえたんだと思うよ。

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