【インタビュー】ブルゼッケン88「音のクオリティーは僕らは絶対に譲らないし自信がある。だからこんな不真面目なこともできるんです」

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メンバー各々高いスキルを誇るというのは、このバンドにとっては当たり前。普通のラウドバンドには真似できないような超バカテクプレイの構築美でハイクオリティーなサウンドを聴かせながらも、曲はあくまでもキャッチー。そして、音楽以外ではどこまでユニークなことができるのか。そんなゴキゲンなブルゼッケン88がついに、8月8日発売の9枚目のシングル「Lovely」で、いろんな意味で勝負に出た。

■何をやってもブルゼッケンは“普通”にはならない
■どう前作とは違うことでみんなをワクワクさせるか

──ブルゼッケンの新曲が「Lovely」って。しかも、このタイトルにしてこのマッチョ水着なヴィジュアル。なにやらかしてるスか!(笑)

IKUO:そこは100%、淳士(DS)君のアイデア(笑)。今回のジャケット、プロモーションビデオなどアートワーク周りは淳士君がノリノリで“全部俺がやる”と。君らは“YES!”だけ言ってればいい、ぐらいのゴリ押し感満載な勢いだったんで僕らはNO TOUCH。

栄二郎:ヴィジュアルを総合プロデュースしてましたね。

IKUO:僕らは何ができるのか、わからない状態のままだったから。

栄二郎:撮影現場でIKUOさん“俺何されるんだろう”って震えてましたからね。最初。

IKUO:“とりあえず上半身脱いで”“次はこういうポーズして”とか淳士君にいわれるがままやって。そして、でき上がってみたらまさかの合成写真(笑)。アイコラっていうんですよね。メンバーがジャケットに顔を出すというのは淳士君のなかでは絶対条件らしくて。でも、ただ出すだけじゃ面白くないよねってところから、なぜかこういうものに(笑)。体はモデル事務所からきたムキムキ外人モデルさんなんですよね。これ。僕らが知らないところでオファーして撮影してたみたいです。僕らがポーズとって撮影している様子はPVのメイキング映像として収録されてます。

栄二郎:ちなみにそのメイキング映像は、撮りから編集までも、すべて淳兄ぃがやってんですよ。

IKUO:なので、ヴィジュアルに関する苦情は、すべて淳士君が受け付けます!!(笑)

栄二郎:今回のMVもまた、笑い死にしそうになるぐらいユニークなんです。

IKUO:淳士君を見てると、ここで勝負に出てる気がしますね。ブルゼッケンを世に広めるために捨て身で(笑)。だから、ジャケット見ただけで“なんですかコレ!”というリアクションは、まさに淳士君が狙ってたところだと思います。“カッコいいですね”とかじゃなくて、引っかかるかどうかなんです。賛否両論覚悟で今回は勝負に出てます。

栄二郎:振り切ってやっちゃったよね(笑)。

IKUO:だから、正直ジャケットとか出来上がりを見て自分でもショックでしたけどね。気持ち悪くて(一同爆笑)。

栄二郎:MVも僕らが淳兄ぃのディレクションのもと演技してるというとんでもない振り切った映像なので、これも腹抱えて笑うと思いますよ。

──コミックバンドに転身したわけではないんですよね?

2人:違います、違います!!

栄二郎:ただ真剣に演技を振り切ってやってるというだけです(笑)。

──ではそんな「Lovely」について。今回は切ない恋愛ソングでしたが。まずこれ、何拍子なんですか?

IKUO:4/4から最後は4/6になる。それを繰り返してるんだけど、ドラムがすごく変な位置で入ってくる。これは前回の「モンスター ~3/4 No good job one night show~」でも使ったトリッキーな変拍子ですね。変拍子のリフから発展させて作った曲です。変拍子だけど大騒ぎして楽しめる曲なんですよ。

──これ、いうなればブルゼッケンの夏のダンスチューンですもんね。

IKUO:まさに! 今回頭のなかで曲を考えてるときのテーマは、踊れる曲だったんです。それで、ツーステップとか入れられるようなグルーヴにしました。とにかくこの曲はサビを聴いて欲しい。そこで大騒ぎして欲しい。

──シンセが、やたらキャッチーな存在として入ってるのも特徴的でしたけど。

IKUO:ブルゼッケンは「カモン!! ~メガトン未来~」辺りからエレクトロを導入したんですけど。今回はもっと大胆に導入しようということで、Fear from the Hateという僕の大好きなバンドに“シンセのアレンジをやってくれ”と直談判して頼んだんです。ブルゼッケンは元々はオーソドックスなロックバンドで、個人の技量を売りにしてきたバンドだから、シンセパートとかはメインではないんですね。でも今回はそこを大胆に取り入れたいってことで、ダブステップをバンバン使ってエレクトロを入れてもらい、最終的にそこから僕らの音にまとめたんです。それでも、シンセはすごく主張してると思います。

──ラウドなロックミュージックにダブステップというという発想は、Skrillexとか。

IKUO:ピンときました? その通りです。そういう遊びをやってみました。

──この遊びを入れただけで、これだけテクニカルでラウドなブルゼッケンのサウンドが、夏らしい風通しのいい音に聞こえてくるところが今回のマジック!

IKUO:音の重心が(シンセの効果で)上がってるからだと思います。そこは、より踊れる、騒げるようにと。

──なるほど! 歌はどうでしたか?

栄二郎:日本語でスクリームすることにもだんだん慣れてきて、今回はそのスクリームで歌詞を伝えるということで、淳兄ぃディレクションのもといつもとは違う歌い方をしてます。滑舌よく、熱苦しくないスクリーモに挑戦してみました。まずAメロは声をオートチューンで加工しまくってエレクトロなサウンドに声も近づけて、声が素材になっていったところでサビでは、ポップな歌メロを引き立たせて思いきり歌う。そういう感じですね。また新しいブルの歌ができたと思っています。

IKUO:そういう意味ではこの曲、演奏も歌もサビ1点集中型です。

──さらにこのシングル、驚いたのは間奏パート。楽器隊ソロで見せるパートが。

IKUO:曲構成全体を見てもほぼソロがない。でも、演奏的には相当難しいことをやってるんですけどね。

──これ、ベースは2本入れてるんですか?

IKUO:そうなんです。AメロとBメロは。センターじゃなくてLRに分けて。普通ギターをダブルで入れるところをギターをシングルにして、ベースをもう1本追加してるんです。そういうのも遊びで入れてみました。プレイ内容的にはテンポ200のBPMのなか、16分音符で弾いてるんで、まあ大変な速さではあります(笑)。淳士君の2バスも相当な感じです。

──この大爆音、キャッチーな歌メロの向こう側には、いつもと同じように信じられないような超絶プレイが潜んでいるわけですね。

IKUO:そうですね。ラウドでエレクトロって、いまは世界的に見ても普通なんだけど、そのなかでドラムとベースがこんなことやってるっていうのがないと、ブルゼッケンとしてはつまらないんですよ。このメンバーだからできる音の構築美はうまく入れられた。何をやってもブルゼッケンは“普通”にはならない。その上で、どう前作とは違うことでみんなをワクワクさせるか。そこは、毎回遊び心がきいた変化球を投げてるつもりです。

栄二郎:僕なんかは、毎回その変化球を絶対打ってやるという気持ちで挑めるんで、やってるほうも楽しいんですよ。

◆インタビュー続きへ
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