【ライブレポート】1万2000人が興奮、熱狂、そして感動。三浦大知が初の横浜アリーナ単独公演を開催。アルバム11月決定もサプライズ報告

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三浦大知の全国ツアー<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2013-Door to the unknown->の追加公演となる横浜アリーナ公演が9月8日に開催され、1万2000人のファンが会場に詰めかけた。この数、三浦大知単独公演としては自身最多の動員である。

◆<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2013-Door to the unknown->横浜アリーナ公演 画像

「横浜アリーナはやってみたいなって思いますね。KREVAさんに連れて行ってもらったのもありますし、武道館もそうだったんですけど、そこも自分で、自分の力で、もちろん支えてもらいながらですけど、三浦大知という看板でできたらいいなって思いますね。」(2013-02-06 BARKS掲載 【インタビュー】三浦大知と雑談をしよう。前編 「(ファンのこと)ほんと誇りに思います。」 より)

実のところ、三浦大知のライブに会場の大きさなんてものは大した問題ではない。イベントのちょっとしたステージだろうが、ライブハウスだろうが、ホールだろうがアリーナだろうが、会場の一番後ろの席で観ている人の視線まで釘付けにして、興奮させ、熱狂させ、そして感動させる。そんなライブができるのが、三浦大知なのだから。……とはいえ、やっぱり会場が大きくなっていくのは気持ちがいいものである。思い返せば、2012年3月から実施された全国ツアー<DAICHI MIURA LIVE 2012「D.M.」>のファイナルは、これまで目標だった日本武道館。そして全9カ所11公演、3万人を動員した今回の<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2013-Door to the unknown->を締めくるる場所として選ばれたのは、日本武道館公演後に新たな目標として口にしていた横浜アリーナ。毎年、作品を発表するごと、ツアーを行なうごとに、三浦大知は誰の目にもわかるような進化を見せ、常に驚きと感動を与えてくれる。もちろんこの日も、横浜アリーナ公演を大成功させて、大知はさらにビッグなアーティストへとなっていく。開場前の段階でも、それだけは断言できた。

まもなく開演する旨を伝える場内アナウンスが、開演時間を少し過ぎて流れる。途切れることがないようにすら思われた入場者の列もやがてなくなり、誰もがその瞬間を心待ちにする。あらためて会場を見渡せば、フロアはもちろん、アリーナ席、そして天井に一番近い席にまで観客が。公式発表で1万2000人の動員。それだけの人が、この日、三浦大知のライブを観るためだけに集まった。その光景は壮観。昔から大知を応援しているファンは、「うちの大知、すごいでしょう?」なんて、誰にというわけでなく胸を張りたくなるような、そんな景色が目の前に広がっている。

オーディエンスの鼓動にも似たクラップが自然発生し、少しずつリズムを早めていく。そして、客電オフ。一気に沸き起こった拍手の中で、女性ファンの、男性ファンの、そして三浦大知の凄さを理解するのに年齢は関係ないのだということを教えてくれる、親に連れられてきたであろう幼い子供の「ダイチ!」と呼ぶ声が飛ぶ。

ステージに浮かぶドア。ピアノの流麗なサウンドが、三浦大知が横浜アリーナまでたどり着くまでの時間を思い出させる。2010年の全国ツアー<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2010 ~GRAVITY~>の初日は横浜BLITZだった。Zepp Tourとして行なわれた<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2011 ~Synesthesia~>の追加公演は、TOKYO DOME CITY HALL(ちなみにこの時に夢の日本武道館公演開催が発表された)。<DAICHI MIURA LIVE 2012「D.M.」>ファイナルは日本武道館。そして2013年9月8日、横浜アリーナ。走馬灯のように、ここ数年の三浦大知のライブで目にした様々なシーンが思い起こされる。

そして横浜アリーナのステージに設置されたDoor to the unknown=未知への扉が、ついに開く──。

大歓声に包まれて登場した大知は、次の瞬間、なんと宙を舞う。空中浮遊する姿を目の当たりにして、「この男の周りは重力がおかしい。」なんてフレーズが、ふと頭に浮かぶ。そのまま大知は、メインステージ最前に位置する観客の頭上を飛び超えて、フロア前方に設置されたセンターステージへ着地(今回のステージは、メインステージ上手下手から花道が円を描くように伸び、その先にセンターステージを設置。メインステージ前の客席は、両サイドを花道に、背面をセンターステージに囲まれた空間に用意されていた)。そして1曲目は、未発表曲「Can You See Our Flag Wavin' In The Sky?」。それは、楽曲を予習・準備して当日を楽しむという現在の一般的なライブの楽しみ方の中で、初めて耳にする三浦大知の音楽に純粋に触れて、感じて、戯れて、楽しんでほしいという大知からの新たな提案のようですらある。

「Door to the unknown。横浜アリーナ、はじめようか!」

会場は、この日のためにホールツアーダンサー4人に加えさらに、スペシャルなダンサー4人の計8人のダンサーズとのパフォーマンスに冒頭から圧倒され、「Right Now」や「Elevator」が続く頃には会場のボルテージはMAXに達する。“ボルテージはMAX”なんて簡単に書いてしまうが、では、それがどのくらいなのかというと、たとえば記者が観覧していた席の近くにステージを背にしていた、ライブ会場ではおなじみ・スーツ姿の警備スタッフ。そんな彼が、よく見ると(きっと無意識に)体でリズムをとってしまっているほど。「音だけで警備スタッフをも踊らせてしまう男、三浦大知」。これはもう、流石としかいうほかない。そして警備のスタッフですらこうなのだから、ステージに心を奪われている1万2000人のオーディエンスの盛り上がりはというと、それはもう、これ以上ないくらいのもの。すなわちMAXである。

さらに未発表曲「Baby Just Time」では、天井からの吊りマイクにパッションのすべてをぶつける熱唱。テンポを落としてライブ用にアレンジも一新され、大人な気だるさをも漂わせた「Who's The Man」をエモーショナルに歌い上げては、華麗なステップでステージを舞う。まさに<レベルが違う>という歌詞を体現しているかのよう。そして、上條頌が鳴らすアコースティックギターのアルペジオも美しい「Lullaby」へ。ドアの前に座り込み歌う大知。歌声は、明日のドアを開ける前の安らぎのひと時のように、会場へと染みこんでいく。観ている側にパワーを与えるような、熱く盛り上げるステージと、毎日の生活の中で疲弊した身体と気持ちを癒すような、歌声で包み込むステージ。どちらも三浦大知のライブが持つ一面。特に「Lullaby」は、日本を襲った未曾有の大震災直後の大知とこの曲についてのエピソードを知るファンにとって特別な1曲であり、この日の歌声もまた、思わず胸にこみ上げてくるものがあった。

さて、ライブでおなじみの「DanceNumber」は、今回、2つ用意された。ひとつは、どこか異国の古き良き酒場のようなシチュエーション。大知は4人のダンサーズとともに、音に、リズムに戯れながら、酔っ払ったコミカルな演技も披露。あちらこちらから笑いが溢れる。

「みなさん楽しんでますか? まだまだ、もっともっと遠くへ。一緒に最高の景色を見に行きましょう。」

そんな一言で、「Hypnotized」からの「Far away」。観客のハンズアップの森の向こうに、スモークが雲を形作り、ステージ上の大知は雲に乗って歌っているかのよう。両手を広げ、もっと遠くの最高の景色を目指して気持よさそうに歌い上げるその姿を観ながら、“一体、この男はこれから先、どこまで上を目指し、そしてどんな景色を我々に見せてくれるのだろうか……?”と考えてみる。ただそれだけで、期待と楽しみが入り混じって思わず頬が緩んでしまう。

衣装チェンジを経て、ステージ後方からの光に照らされ、浮かび上がるシルエット。スーツ姿に衣装チェンジしての「Half of You」。激しい感情を歌とダンスにぶつけて、ステージをところせましと動きまわり、会場を大興奮に陥れる。絶えることない歓声。続く「Twinkle shiny star」で、重力のない世界にいるようなステップを軽やかに決めるたび、悲鳴のような声がこだまする。それはもう横浜アリーナがクラブのピークタイム状態。誰もが一緒に歌って踊って、そして熱狂した。

映像演出とあいまって、ドラマティックなステージを展開した「The Answer」。さらに傘を小道具として用いたもうひとつの「DanceNumber」に、ボブ・ディラン「Make You Feel My Love」の弾き語り。実は記者はツアー開始前に都内スタジオにて、リハーサルの模様を少しだけ見学させてもらっていたのだが、その時、ヒリヒリと痛いほどの緊張感漂うスタジオで目にしたのが、まさにこの「DanceNumber」からの「Make You Feel My Love」。スタジオ一面に敷き詰められた鏡の前で、真剣な眼差しで自らの動きを何度も何度も確認していく姿と、ギターを抱えての練習中、ミスタッチをしてしまって苦笑いを見せる姿。そんな、観客には決して見せることない大知の努力の痕跡をつい探そうとしてしまうが、「DanceNumber」では、そのモーションだけで物語を語っていたし、ボブ・ディランのカバーは見事に自分のものにしてしまっていた。まさに、昨今流行りの“大人たちによる努力や全力といった演出”をまったく必要としない、完璧なまでにプロフェッショナルなステージがそこにはあった。

岸田容男(Dr)と滝元堅志(Bs)によるビートが会場に音の粒を叩きつける中で、DJ大自然のスクラッチに、上條頌の歪んだギター、そしてキーボード・GAKUSHIのトークボックスが会場の熱量を膨張させていく。三浦大知や、彼とシンクロするダンサーズの凄さの影に隠れがちだが、DMバンドもまた、彼らだけでライブが成立させてしまえるくらいのテクニックとパワーを持った集団である。

「横浜アリーナ、いくぞ!」

赤いライトに照らされてステージに舞い戻る大知。ここからは「SHOUT IT」「Touch Me」などなど、一気にアップテンポなナンバーでライブをたたみかけていく。大知のホイッスルボイスも連発され、1万2000人が突き上げた拳は揺れ、興奮と絶叫が空間を埋めていく。見れば天井近くの席まで総立ち状態で、ただただステージに心を奪われている。テンションが引き上げられていく感覚は、会場をひとつにし、そして昇華していく。
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