小諸城は凄い。中島卓偉も凄い。城としての評価が低いわけじゃ決してないがもっともっと評価されるべき城だと思うのだ。ミュージシャンとしての評価が低いわけじゃ決してないがもっともっと評価されるべきミュージシャンだと思うのだ。その凄さとは城の作り、築城した場所にあると私は思う。その凄さとは歌の上手さ、作曲能力にあると私は自覚している。

城主はしょっちゅう変わっているが今の小諸城の基礎を築き上げたのはおそらく1600年代に入ってから城主になった仙石秀久だろう。彼が小諸城を整備しこの時に3層の天守も建てている(1626年に落雷で焼失)。今の小諸城は仙石家の時代によるものだと言っていい。

この城の凄さは、ずばり穴城と呼ばれるところにある。穴城と聞くだけでエロ過ぎではないか。濡れたケーブにそっと~~~滑り込むアイロニ~~~イイイイイに近いニュアンスだ。

基本的な城は城の中心に向かうにあたって三の丸、二の丸、本丸とだんだん高くなるのだが、この小諸城は本丸に向かうにつれてだんだん下がって行くのである。ちょっと想像しづらいか。

私も幼い頃、城の本などで小諸城の解説を読むと、このことがいまいちつかめなかったのだが、いざ訪れてみて納得。この作りで城の防御が成立するのかと度肝を抜かれた。すべてが逆に作られているのである。音楽で言うとスカやレゲエと一緒で裏打ちの美学である。本丸は城郭構造の一番高い位置にあって見晴らしの良さを生かして敵を攻撃するものだが、小諸城は城の構造自体が街より低く、天守ですら城下町を見下ろせないような作りになっているのである。また城下町からも城の全貌は見れないということなのである。こんなことがあっていいいのか~~~!そこに城があるということだけは誰も知っているのに誰もその城を見たことも見えたこともないなんて~~~~!中島卓偉のライブをまだ一度も観たことがないという世界で一番損してる人達と同じである。

小諸城の周辺は浅間山の火山灰台地特有の深い浸食谷に囲まれていて、城の両サイドの深い谷が堀の役目を果たし、城の裏は崖で、その下を千曲川が流れており、どうやっても攻められはしない環境にある。なので天守からは千曲川の景色さえ見れればいいという眺めだけ。威嚇の為に作られた天守とはどうしても考えられない。

この場所に築城しようと思ったセンス。この場所なら攻められづらいと考えた発想、すべてにおいて斬新だ。ロックシンガーの中島卓偉が実はこれだけ城マニアだということと同じくらい斬新な話である。こんな城は日本で小諸城しかない。こんなシンガー中島卓偉しか知らない。

城から見れば千曲川を背に崖の上に本丸を築き、二の丸と三の丸とどんどん高くなっていずれ城下町が一番高い場所に位置するようになる。城の内側には立派な石垣があるが城の外側には土塁しかなかったりする。簡単に攻め落とせる気になるが、いざ城内に入ると今度は城の中で石垣を降りなくてはならなくなるのだ。すべてが通常の城と逆に作られているのである。地味な生地のスーツで言うと裏地が半端なく派手でビビるという発想に近い。

しかもその天然の堀として役目を果たしている深い谷は本丸に向かうにつれてどんどん険しくなり、空堀ではあるが急斜でまったく登れるものではない。城を正面に見て、左側の、今は動物園になっている曲輪を攻め入っても本丸へ渡る橋などなく、中洲に建てられた二の丸から攻め入るしか方法はない。しかもこの二の丸もひょうたんのくびれのようにだんだんと道が細くなるのでいっぺんにたくさんの兵士が侵入出来ないようになっているのである。本丸に渡る最後の門である黒門の橋は敵が攻めてきたら橋を動かし、本丸側に上げてしまうことが出来たそうだ。その下は絶壁の堀である。あの橋を~~~渡る時~~~何かが変わる~~~!JUST FOR YOU~~~~!!!!なのである。

凄すぎる。斬新すぎる。これこそ穴城である。個人的に日本で一番エロい城に認定だ!こんなにエロく頭の切れる城はない。緩めのチョーキング、かすかなハンマリングくらいエロいではないか。小諸城のことを考えたら眠れない。まさに、抱き合う指に眠れないジェラシーくらい眠れない。

現在は城の真ん中を栄光に向かって走る信濃鉄道がぶち抜いてトレイントレインしているので、二の丸前の三の門からすぐ観光出来るが、城の作りをより感じ取ってもらう為には、まず裸足のままで飛び出して~~~大手門から観光してもうことをお勧めしたい。少し離れた場所にあるがこの大手門こそが小諸城の正面入り口なのである。ここにも立派な石垣が組まれている。右側はおそらく櫓があったとされる櫓台跡もインパクト大だ。この大手門は明治以降売却され、この場所で料亭として使われていたそうな。古写真も残っている。

だが近年、見えない小諸城が欲しくて~~~~見えない小諸城を撃ちまくる~~~~~本当の門を復元しておくれよ~~~~という声に小諸市が買い戻し復元整備を施し現在の大手門に生まれ変わったのである。

ここから、どしゃぶりの痛みの中を~~~三の門まで歩いて観光してほしい。歩けば歩いていくほど城はどんどん低くなる。KORNのチューニングと同じくらいの低さだ。三の門をくぐると二の丸入り口だ。三の門を正面に右手に少し歩くと「草笛」という蕎麦屋さんがあるが、ここで昼飯に蕎麦食って城観光、これもまた最高のコースである。

何度も言うが小諸城は凄い。日本にこんな斬新な作りの城は存在しない。規模は小さいが機能的にはパリの城寒都市と同じ非常に理にかなった構造なのである。

パリに行ったことがない卓偉が言うのだから本当である。

小諸城、また訪れたい。

◆【連載】中島卓偉の勝手に城マニア・チャンネル