【ライブレポート】THE BOHEMIANS、ファン渇望のワンマンで魅せた、最高に熱いロックンロール。クリスマス・イヴのライブも発表

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2013年8月27日。
この日、下北沢GARDENは間違いなくこの夏一番熱い場所だったと言えるだろう。

◆<SUPER SUMMER FIRE ATOMIC BOHEMIANS SHOW 2013 in SHIMOKITAZAWA>画像

CDが売れなくなったという言葉を聞くようになって数年、ここ最近では、音楽雑誌までもがどんどん姿を消していく現状――。音楽が存在する意味までも考えさせられる状況に追いやられる中、この日、THE BOHEMIANSは、音楽の必要性と音楽のパワーと、求められることの素晴らしさと幸せを、ロックンロールを通して教えてくれたのだった。

2012年の12月にリリースされた3枚目(インディーズ時代のアルバムを含めると4枚目)のアルバム『BOHEMIANS FOR LOFE』後、ツアーを含め、ワンマンライヴ的な目立った動きがないままでもあったことから、その最高にロックンロールなアルバムを生で聴きたいと待ち望んでいたTHE BOHEMIANSファンは少なくなかった。もちろん、この原稿を書いている私も、そのうちの1人。そんなこともあり、自らのホームページだけの告知であったにも関わらず、8月27日の下北沢GARDENでの久しぶりのワンマンライヴには、THE BOHEMIANSの音を待ち焦がれていた多くのオーディエンスが集まったのだ。

ステージに彼らが姿を見せると、彼らのライヴを渇望していたオーディエンスは、大きな歓声を彼らに贈り、一気に前へと押し寄せた。ゾクゾクするこの瞬間を忘れていたことにハッとさせられた瞬間でもあった。そう。ここのところ、アルバムリリースがあれば、当たり前のようにツアーがあるというルーティンな流れに慣れてしまっていたのだろう。こんなにも渇望される音と存在であるTHE BOHEMIANSというバンドを素晴しく思った。これぞまさしくライヴ本来の形である。

そんな中、彼らが始まりの曲として選んでいたのは「明るい村」だった。メジャーコードの鮮やかなギターフレーズから幕を開ける、胸がキュンと締め付けられる甘すっぱい恋の情景描写がとても印象的なロックンロールに、オーディエンスは右手を高く上げ、躍りまくった。そんな光景と音に、無条件体を横に揺らしていた自分にまたもや驚いた。純粋に、心が音によって動かされたのだ。

「THE BOHEMIANSだ! よろしく!」(平田ぱんだ)

脳内をアドレナリンが駆け巡る状態とでも表現しようか、この時、すでに平田ぱんだはすっかりロックンロールの中に居た。そんなぱんだの声を受け、オーディエンスがさらに、彼らに向ける声を荒げると、彼らはその声に応えるかのように、さらなるロックンロール・ダンスナンバー「夢と理想のフェスティバルに行きたい」を届けたのだ。

ときおり、視線を合わせ、ニヤリとした笑みを浮かべながら息の合った、さすがのプレイを見せる、鍵盤の本間ドミノ先生とドラムのチバ・オライリー(と無法の世界)a.k.aジャン。終始ゴキゲンな笑顔で躍りまくりながら、“俺は今、誰よりも幸せ者だ”と言わんばかりに唄いまくる平田ぱんだの両脇を、クールながらも大きなステージングでノリを司っていた星川ドントレットミーダウンと、華やかなギタープレイで魅せるステージングを披露し、根っからのロックスターっぷりを発揮していたビートりょうがしっかりと固めるといった、その申し分無いフォーメーションである。その光景は、5人がしっかりとTHE BOHEMIANSという音に向き合っていることも意味していたのだ。それを証拠に、この日聴いた、ライヴではほぼテッパンとされている「Girl On A Motorcycle」は、これまで以上にユニゾン感が分厚くなっていたのである。

「久しぶりにワンマンライヴが出来てうれしいぜ!」 と、曲間に、想いのままを言葉にするぱんだ。とにかく手放しで楽しかったのだろう。彼らの音を求めるオーディエンスと、ロックンロールとTHE BOHEMIANSを愛してくれるファンたちを愛しく想う彼らの熱で、フロアの温度は湿気を帯びるほど上昇し、息苦しい状況だった。

冒頭にも書いたとおり、音楽業界が不況だと言われる今日この頃。ふつふつと、音楽の在る意味を考えさせられていたさっきまでの日常が嘘のように思えた。こんなにも熱くなれる空間を作り出せる音楽は、まだまだ捨てたもんじゃない。どこにも負けない熱い空間を作り出せるTHE BOHEMIANSの音は、もっともっと多くの人を巻込んで、ここ以上のネクストステージへ行くべきだ。そう思った。彼ら自身ももちろん、きっとここに集まったオーディエンスのすべてが、そう思っていたに違いない。

そして彼らは中盤に、新曲を2曲届けてくれた。表立った活動が少なかった地下活動時期に、ライヴの景色を思いながら作っていたに違いない。1曲目に届けられた新曲は、メジャーコードとマイナーコードが交互に放たれる、いままでのTHE BOHEMIANSにはないテイストの楽曲。オーディエンスは必死で耳を傾け、最初は様子を伺っていたのだが、中盤を過ぎた頃には、右手を高く上げ、彼らの音に応えていたのだった。間髪入れずに届けられたもう1曲は、透明な光に包まれながら届けられた。それは、シンプルなコード進行の上で、彼ららしい甘ずっぱい歌詞が弾ける極上のラブナンバー。ビートりょうが奏でる最高にロックンロールなギターソロが、とても印象的な1曲だった。

「今年の夏、みんなは楽しかったですか? 僕らは山形出身のロックンロールバンドなんですが、ナント今年の夏は、地元山形の高校が甲子園でベスト4に行ったんです! いままで山形が最弱だと言われていたのに、その山形が、ついに甲子園でベスト4までいったんです!」(平田ぱんだ)。普段はテレビを見ないというぱんだが、この夏はテレビの前から離れなかったという興奮気味のMCは一瞬にしてフロアを和ませた。

ライヴ後半戦では、お馴染みの「太陽ロールバンド」「シーナ・イズ・ア・シーナ」「ジーン・ヴィンセントのTシャツ」などの楽曲で盛り上げ、アルバム『BOHEMIANS FOR LOFE』の中にあった「That Is Rock And Roll」の曲中にメンバー紹介をし、会場を1つにすると、デビューアルバムのリード曲であり、多くのオーディエンスがこの曲で彼らと出逢ったことであろう「THE ROBELETS」で声を重ね、毎回ライヴのラストを飾る「ロックンロール」で本編を締めくくったのだった。

鳴り止まぬ歓声と歌声に応え、「恋はスィンギン・イン・ザ・レイン」から再び幕を開けたアンコールは、インディーズ時代の名曲「おぉ!スザンナ」へと繋がれたのだ。そして、彼らはここで、12月24日に新宿ロフトでワンマンライヴを開催することを告知し、毎年イヴにライヴを重ね、いつか武道館に行きたいと夢を語った。きっとその言葉は、ここに集まったオーディエンスを証人とした誓いでもあったことだろう。メンバーのその想いに、大きな拍手とあたたかい歓声を送っていたオーディエンスの、屈託のない笑顔がとても清々しかった。

そして。アンコールラストは、デビューアルバム『憧れられたい』のタイトル曲「憧れられたい」で締めくくられたのだが、夏の終わりを感じさせる、なんとも言えない淡い余韻が、いつまでも胸を離れなかった。彼らがメジャーシーンへと飛び出した2011年の夏。そんな夏の日が脳裏にはっきりと浮かび上がった。

THE BOHEMIANS! 元気がなくなったと言われている音楽業界を、そのゴキゲンなビートでひっくり返してやってくれよ!半端じゃねぇその最高のビートを、ガツンと響かせてやってくれよ! 眠れない、でかめの夢を見せてくれよ!

彼らはそれが出来るバンドだ。この日のライヴを見て、改めてそう思った。最高のロックンロールバンドTHE BOHEMIANSに、この日以上の最高の景色を見せてもらえる日を、今から心待ちにしているとしよう。

文●武市尚子

<LOVE TIME COLLECTION OF THE BOHEMIANS SHOW ~Happy Endless X'mas 2013~>
12月24日(火)  新宿 LOFT
OPEN 18:15 / START 19:00
新宿 LOFT(http://www.loft-prj.co.jp/LOFT/)
オールスタンディング・ステッカー付
前売¥3,000 (ドリンク代別途要)
※ステッカーは当日入場時にお渡しします。
※小学生以上有料、未就学児童は無料
一般発売
10月26日(土)10:00~
ローソンチケット 0570-084-003 (Lコード:後日発表)
チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:後日発表)
イープラス
[問]:HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999(平日12:00~18:00)

◆THE BOHEMIANSオフィシャル・サイト
◆「THE BOHEMIANSの5人全員かたまりダイナマイト連載」まとめページ
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