【インタビュー】BREAKERZのDAIGO、2ndソロシングル「BUTTERFLY/いま逢いたくて…」完成。「たぶん日本では相当な蝶ソングになったんじゃないかな」

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■誰かと付き合ったことのある人のうち95%は別れを経験してると思うんです
■過去に失恋があったから幸せな今があるんだって思い返してもらえる曲になった

──ちなみにデモを作っていた段階から、このエレクトロな曲調は思い描いていらしたんでしょうか。

DAIGO:これは最初の“OH OH OH OH”のところから作っていったんですけど、まずはこういう曲を1曲、試しに作ってみようかなっていう感じですね。今の時代にマッチングする世界観の楽曲も作ってみたいし、ある意味、ソロの自由度を活かした曲だとも思うんですよ、これは。ギターも入れずにほぼ打ち込みっていう、ソロだからこそできることを最大限に突き詰めてみよう、と。

──かなり思い切ったなという印象でした。振り切ったなというか。

DAIGO:サウンドもそうだし、ビジュアルの部分でもそうでしょうね。でも、いきなりこうなったわけじゃないですから。僕は昔、DAIGO☆STARDUSTっていうプロジェクト……ま、ほとんどの人が知らないプロジェクトですけど(笑)、そこでいろいろ派手な衣装も着てきたりとか、そういうプロセスが物語る、目には見えない説得力みたいなものが絶対あると思うんですよ。今だからこそ、曲も然り、見せ方も然り、さらに進化させて表現できる。ホントこれはクリエイティヴだし、俺の特徴を活かした曲になったと思いますね。

──俺の特徴、ですか。

DAIGO:派手なものを着てきたという部分もそうだし、いろいろチャレンジするっていう僕の精神性もそうだし。すべての面での特徴ですね。特別な蝶と書いて“特蝶”でもいいんですけど……ってこれは完全に今、思いつきで言いました(笑)。

──ははははは。つまり今の自分ならしっかりこれを表現しきれるっていう自信があるからこそですよね。

DAIGO:逆に言ったら、今までの人生を歩んできたからこそ、ここに辿り着くことができたと思うんですよ。だから表現できたし、そもそも、そういうモードにもなっていたっていうことですね。ま、そこで“DAIGO、どうしちゃったの!?”とかイタくなっちゃったらダメですけど、これはある意味、自分の中ではめちゃくちゃイキきった形ではあるけど、それが自然に見えるというか、そういうところにも今までの自分の人生がすべて活きてる気がするんですよね。

──振り切っていながら、キャッチーでわかりやすいっていうのもDAIGOさんの大きな魅力だと思うんですよ。しかもキャッチーさのサジ加減が絶妙というか。例えば、このリズムトラックだってベタと言えばベタなのに、そう聴かせないのがすごいなって。

DAIGO:そこは意識してアレンジャーとやり取りしてました。こういう曲ってもっと下世話にしようと思えばできるんですよ。差し引きが難しいっていうか、足そうと思えばどんどん足せちゃうんだけど、そこをアレンジャーがクールな最小限の要素で響かせてくれて。だからすごく洗練されてますよね。ホントすべてが絶妙に絡み合って、蝶のように完全変態を遂げた曲なんですよ。幼虫からさなぎの時期を経て、ひとつの作品に成長したんだなって。

──“成長”の“長”も“蝶”ですかね。

DAIGO:そのへんはお任せしていいですか(笑)。いろいろ言いましたけど、すみません、そこはもう丸投げで。

──承りました(笑)。ダブルAサイドのもう1曲「いま逢いたくて…」は、これがまた切なすぎるくらいのラブバラードで。

DAIGO:はい。1stシングルにも「いつも抱きしめて」というラブソングが入ってるんですけど、これはその第2弾として。

──資料には“長年温めていた”とありますけれど。

DAIGO:そう、原形は3~4年前からあった曲なんですよ。その時点から世界観にしろ何にしろ、メロディが呼んでるものが“冬”だったんで、絶対に冬にしか出せないと思って。そういう中、せっかく今回は「BUTTERFLY」も打ち込みだし、こういう和テイストでちょっと懐かしさも感じさせるメロディの曲をあえて打ち込みでやってみたらどうだろうっていうアイデアがチームから出てきたんですよ。それは逆にいいかもと思ってやってみたら、打ち込みではありつつも冬の切なさも出せた、素晴らしいアレンジの曲に仕上がって。

──打ち込みだからこそ、いいんでしょうね。切ない中にもどこかこうクールな雰囲気もあって。

DAIGO:そうなんです。こういうメロディラインはやろうと思えば演歌みたいなアレンジにもできちゃうぐらいの振り幅を持ってるんですよ。でも僕がそういう世界観を表現するのはまだ早い気がして。これは、ちょうどいいところに落とし込めたなと。
 
──テーマはずばり失恋。

DAIGO:世の中の恋したことある人ならわかると思うんですけど、確率的に言っても、人って失恋するほうが絶対に多いんですよ。この時代、初めて付き合った人と結婚するってごく稀なじゃないですか。たぶん誰かと付き合ったことのある人のうち95%は別れを経験してると思うんです。きっと失恋を経験してる人には共感してもらえる曲だし、今、幸せな人にも過去に失恋があったから今があるんだって思い返してもらえる曲になったと思いますね。

──では、この歌詞はやはりDAIGOさんの経験に基づいて?

DAIGO:まあ僕も何回か失恋はしてきてますからね。失恋の寂しさ、切なさは知ってるので、その感情を思い出しながら、冬っていう季節を感じながら歌詞も曲も書きました。

──DAIGOさんにとっての冬ってどういう季節なんでしょう。

DAIGO:やっぱり、“寒い”。

──そのまんまじゃないですか(笑)。

DAIGO:ははは。でも寒い冬にこそ響く曲ってあると思うんですよね。冬だから感じることができる温もりもあれば、より寂しさが胸に迫ってくることもある。東京では雪ってあんまり降らないですけどパッと降ってパッと溶けていく儚さなんて恋に似てる気もするし。すごく奥深い季節だなって。

──やっぱり失恋なり、感情が高まったときに曲や歌詞を書きたくなるものなんでしょうか。

DAIGO:それはありますよ、やっぱり。何かしら感情が溢れ出てきたとき……映画でもいいし、ドラマでも漫画でも、例えば街で手をつないで歩いてる幸せそうなカップルを見て湧き出てくる気持ちでもいい、いろいろ見たり聴いたり感じたりして生まれる感情ってクリエイティブにはすごく重要だと思うんで。僕もそういう閃きみたいな感覚を大事にして生きていきたいな、と。だから、すぐにボイスレコーダーに吹き込んだりメモしたり。

──その瞬間の感情を残しておくために。

DAIGO:すぐ忘れちゃうしね。最近は特にどんどん歳を取ってきて昔のことが思い出せなくなってるから。

──え、まだ早くないですか。

DAIGO:だって3日前に何を食べたか、全然思い出せないですもん。もう、なんにも思い出せない(キッパリ)。

──そんな真顔で断言しないでください(笑)。

DAIGO:はははははは。だから常にアップデートしてる感覚というか……ま、容量も少ないからね、俺。2MBくらいしかないから(笑)、常に入れ換えていかないと。

──その2MBをフルに駆使して生まれてきたものが、こうやって作品になって。

DAIGO:そう! 常に吐き出していかないと、すぐ忘れちゃう。容量いっぱいで新しいものが入らなくなっちゃうしね。だからこそ瞬間瞬間を大事にして生きていきたいんですよ。

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