【インタビュー】lecca「どうしたら自分が作る音楽が、聴いている人を元気にできるのかなぁと思いながら作っていることが多いんです」

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■曲って人を元気にしようと思うほど力を持ってくれるので
■この曲を聴いた人にこの言葉が届くと良いなぁと思います

――この曲の後から、アルバムの流れが柔らかくなりますよね。このコントラストがアルバムの説得力なのかなと。特に「to be continued」は曲調も綺麗で切なくて。

lecca:自分の作った曲の中でも、この曲はとても気に入っています。そもそも私はこういう曲が作りたくていつも曲作りをしているんだなぁと思った曲です。

――「こういう曲を作りたい」っていうのは歌詞ですか?

lecca:曲もそうですが、歌詞が特にそうですね。これはとある人に向けて書いた曲なんですが、相手は友人とかではなく、自分からはちょっと遠い人なんです。でも、すごく落ち込んでいて。その人は、落ち込んで自分の悪い評判を検索してしまったりするんですが、そういうことをしはじめると、自分の良いところがすべて色あせて疲れきって、「もうやめてしまおうかな」ってところまで気持ちが行っちゃうと思うんですね。そんな風になってしまった人に向けて書いたんですが、自分が聞いても元気づけられるところがあったりして。曲って、人を元気にしようと思えば思うほど力を持ってくれるので、この曲を聴いた人にこの言葉が届くと良いなぁと思います。

――届けたい人がいる曲って、結果的に多くの人に伝わりますよね。


▲『TOP JUNCTION』【CD+DVD】CTCR-14813

▲『TOP JUNCTION』【CD】CTCR-14814
lecca:そうかもしれませんね。書き方にもよると思うんですけどね。一番最後の「JUNCTION」も、とある女子高生ファンからもらったファンレターがきっかけでできたんです。女子高生って悩み不安が多くて、将来何をやるのか、何をやりたいのかわからない中にいるわけでじゃないですか。私の曲って、昔から暗闇から光を見いだすとか、どうしたら低いところから高いところに行けるかっていうのがあるんですが、「ぜひそういう曲を書いてください」って手紙に書いてあったので、それに答えた曲なんです。比較的、相手がいる曲でも、「JUNCTION」は歌詞が多いので、届く範囲は狭まると思うんです。モラトリアムとか限定的な要素も入ってきちゃうので。でも「to be continued」の場合はできるだけ歌詞を減らそうということで書いてるんです。「あいあん・はあと」もそう。説明の部分をなるべく入れないようにしたので、今、どんな状況にいるのか違っていても、広い人が「私の曲かも」って思ってもらえるのかなっていう気がしました。

――「Back to U」はTEEさんとのコラボですね。RHYMESTERさんとのコラボとはかなり違う雰囲気です。

lecca:TEEくんとはバラードがやりたいなぁと思ったんです。TEEくんが、日本に元々あるような、コードが動く歌謡テイストのバラードをやりたいというので、何度かトラックを作り直して。TEEくんって良い意味でアーティスティックで、今まで私が見てきたレゲエのアーティストの中でも群を抜いてジャマイカ人っぽいんです(笑)。

――ははは(笑)。

lecca:私は割と頭の中で考えて考えてやる方なんですけど、TEEくんはその場の感覚とノリでやる人なので、一緒に作るのは結構苦労しました。でも、TEEくんは、すごいホームランを打つことがあって、それがすごく面白かった。私は考え過ぎなところがあるんですが、TEEくんは直感で一番気持ちのよい部分を出すっていう、今作の3曲目「BLANK」で書いたようなことを実践している人なんですよね。だからTEEくんからもらえたものもすごくありました。今、彼が持っているジャマイカンヴァイブスを改めて近くで感じさせてもらって、パワーもあるなぁと思ったし、心地よいヴァイブスをもらえたのはすごく良かったです。

――1枚通して聴くと、本当に元気をもらいますけど、leccaさん自身がポジティヴだからこそ、こういう気持ちにもなるんですね。leccaさん自身はポジティヴですか?

lecca:はい(笑)。自分自身は比較的ポジティヴですが、過去には悩みきってにっちもさっちも行かない時期もありました。最近はそういう時期を思い出して書いたりすることが多いです。でも、自分にはダメなところ、弱いところもたくさんあるんですよ。それがあるから、面白いという気持ちで自分の弱いところやダメな部分を見ています。小説やドラマを見るのも読むのも好きなんですが、そういう物語の中にだって完璧な人はあまりいないし、スーパーマン、スーパーウーマンに憧れることってないんです。むしろダメダメな主人公とか、グチャグチャなんだけど、その中でバランスを保ってやっている中で、たまに大ホームランを打つようなヒロインが好き。きっと世の中のほとんどがそういう人だと思うんです。だから、どうしたら自分が作る音楽が、聴いている人の背中を叩いて、その人を元気にできるのかなぁと思いながら作っていることが多いんです。

――3月にはツアーも控えていますが。

lecca:『ZOOLANDER』が「楽しい」をテーマに作った作品だったので、ツアーも楽しいものだったんですが、『TOP JUNCTION』はある意味、来た人全員のケツを叩くような内容のツアーになると思います。叱咤激励、ストイック、シンプル……ステージ上も装飾品を入れずに、来た人が自分自身と向き合うような感覚になると良いなと思っています。自分と向き合いたい人はぜひ来てください。

取材・文●大橋美貴子


『TOP JUNCTION』
2013-12-11発売
【CD+DVD】CTCR-14813 ¥3,360(tax in)
【CD】CTCR-14814 ¥2,940(tax in)
【CD】
01.RUNWAY
02.Sky is the Limit feat.RHYMESTER
03.BLANK
04.ヤマトナデシコ
05.あいあん・はあと
06.to be continued
07.恋初め
08.MOVE
09.SOLA
10.Back to U feat.TEE
11.100年の明日
12.霧が晴れるまで
13.JUNCTION
【DVD】
・Sky is the Limit feat.RHYMESTER(MUSIC CLIP)
・SOLA (MUSIC CLIP)
・楽曲解説
・OFF SHOT

<lecca LIVE TOUR 2014『TOP JUNCTION』>
3/2(日) Rensa(宮城)
[問]GIP 022-222-9999
3/7(金) Zepp Sapporo(北海道)
[問]マウントアライブ 011-211-5600
3/14(金) Zepp Nagoya(愛知)
[問]サンデーフォーク プロモーション 052-320-9100
3/16(日) Zepp Fukuoka(福岡)
[問]キョードー西日本 092-714-0159
3/20(木) Zepp Namba(大阪)
[問]YUMEBANCHI(大阪) 06-6341-3525
3/22(土) CRAZYMAMA KINGDOM(岡山)
[問]YUMEBANCHI(岡山) 086-231-3531
3/26(水) Zepp Tokyo(東京)
[問]HOT STUFF PROMOTION 03-5720-9999

◆lecca オフィシャルサイト
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