【レポート】世界が決めた2013年の日本のベストアーティストは? 「第7回 J-MELOアワード」

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NHKワールドが世界137の国と地域にむけて放送している『J-MELO』。2013年も様々な日本の音楽を世界に発信し続けてきた同番組が、1年の締めくくりとして発表する「第7回 J-MELOアワード」の番組収録が、さる12月11日に渋谷にあるNHK放送センターにて行なわれた。

◆番組収録中のMay J.とデーブ・スペクターの様子 画像

「J-MELOアワード」は、2013年に世界の国と地域から寄せられた3万通にもおよぶ写真やメール、動画から大賞を決定するという、史上類を見ない“地球的・日本音楽アワード”。なかでも注目なのが、全世界から寄せられるリクエストの結果を集計して選出される「アーティスト部門」だ。

今年、寄せられた世界中からのリクエストをもとにリストアップされたのは、全411組の日本のアーティストたち。その中で最多リクエストを獲得し、頂点に立つアーティストが、番組では発表される。

ちなみにここ数年の同部門では、嵐、Alice Nine、AKB48、the GazettE、モーニング娘。、L'Arc~en~Ciel(50音順)といったアーティストが世界中からのリクエストを集めて上位にランクインしてきた。2013年のアワードを獲得するのは、これら常連組か。はたまたいきなり食い込んでくるニューカマーか。後で紹介するデーブ・スペクターのコメントにもあるように、世界のファンたちは日本のファンよりもシビアに各アーティストを見ている。ゆえに、東アジアの小さな島国でCDがどれだけ売れようが、何万人動員しようが、このアワードにはあまり関係がない。それよりも、世界に通用する実力、世界を虜にする魅力を備えたアーティストが正当に評価され、結果を残すことになる。なお番組では、1位を獲得したアーティストからの喜びのメッセージ映像もオンエアされる。

そして、最も多くの反響を寄せた国・地域が受賞する「国・地域別部門」。日本国内にいると耳にするのが「アジアで人気!」というフレーズ。これははたして本当なのか? 逆に言うと、日本の音楽がアツい国は、アジアの国々なのか?

2013年の同部門では、“当たり前”という名の我々の勝手な思い込みが覆されるであろう結果が待っている。

また、24の国から100本以上届いた、海外の視聴者が日本の曲を歌う投稿動画のアワード「シンガーサーチ部門」。こちらの審査には、Team J-MELOから、☆Taku Takahashi、Alice NineのSHOU、モーニング娘。が参加。厳正な審査会の模様は、それぞれ審査員のコメントとともに番組内で紹介される。

なお11日の番組収録には、司会のMay J.とスペシャルコメンテーターのデーブ・スペクターが参加。授賞式にふさわしいエレガントなセットを前にした最終打ち合わせで、番組内でオンエアされる収録映像や1位となった作品を見ながら段取りを確認していく。もちろんデーブは、アメリカン・ジョークが30秒に一回のペースで次々飛び出す絶好調ぶりだ。

収録が始まると、May J.がテンポよく番組を進行。そもそも世界に向けた番組なので、May J.もデーブも英語でコメントしていくのだが、実はこのふたり、カメラが回っていないところでも、ふたりで話している時は意外と英語のことが多かった。そのことをMay J.に訊いてみると、「あー(笑)、あの、英語ですね。英語なんですけど、日本語も混ぜます。日本語のほうが話しやすいんですけど……。」とコメント。さらに横からデーブが「聞かれるとマズい話の時は英語です。ここだけの話は英語です。」と、ジョークで答えてMay J.は爆笑。さすがに5年も一緒に番組をやっていると息もピッタリだ。

最後に、May J.とデーブ・スペクターに、2014年の『J-MELO』についてコメントをもらった。

「『J-MELO』を通じて海外に行くことが結構多いので、その時にも常に感じるんですけど、日本の音楽って世界中ですごく広まっているなって。特にアニメだったりとかロックだったり、アイドル、ヴィジュアル系、ジャニーズのアーティストがすごく人気なのがわかります。でもそれ以外にも、日本にいる私たちがあまり知らない、日本では知られていない日本のアーティストさんたちを海外の人たちは注目していたりして、それを逆に海外の人から聞いて、「こういうアーティストさんが注目されているんだ」っていう新しい発見が毎回あるので、2014年の『J-MELO』でもそういう発見ができたらいいなって思いますね。」── May J.(『J-MELO』MC)

「今のMay J.さんの発言を全部否定しますけど(横にいたMay J.、笑)、『J-MELO』は8年目になるんですけど、想像できないくらいのリーチ力というか。日本の音楽を広めた第一の先駆者で、海外の人にとって日本の音楽への入り口になっていて、そこから動画サイトを見たり。逆に動画サイトで『J-MELO』を知って、友達同士で「『J-MELO』見なきゃ、(日本の音楽に)ついていけないよ」って。ひとつのリーダー的存在になっているんですよ。同じような番組ってまったくないし。あと、海外の人たちみんな、日本の音楽に詳しくてビックリします。僕は番組に送られてきた全部のメールに目を通しているんですけど。いや、詳しいっていうもんじゃなくて、たとえばモーニング娘。のグループ構成から始まって、「この曲が好き」とか延々と書いてある。ひとつ言えるのは、世界中の『J-MELO』の視聴者は、非常にピュアな気持ちで、アーティストやバンドを好きになっている。なぜかというと、彼らは日本で住んでいないから、毎日TVで“見せられている”わけじゃないんです。ある程度、自発的に情報を探して、ちょっとしたきっかけで見るわけです。その時に見たパフォーマンスがイケてなかったらファンにならないんです。日本って、たとえばテーマソングだったりと、曲が頻繁にテレビとかで流れて、いつの間にかヒットしている。海外はそんなのないです。ある意味でもっとシビア。だから、日本で流行っているからこのバンドについていく、ということではないんです。非常にシビアですよね。あとね、かなり歌唱力を見ている。変な話、日本のファンよりはるかに選別して、好きになっている。だから、日本のアーティストは、海外のファンから支持されることはもっと喜んでいいと思うんです。今、J-POPとか日本の音楽もそうだけど、日本人は世界が驚くぐらい謙虚で、自虐的。ビックリしますよ。あと、全部繋がっている、アニソンブームから、コスプレ。そして世界中でやっているJAPAN文化のコンベンション。全部つながってる。すべてはJ-POPと『J-MELO』から始まったんです。……まぁ、僕、『J-MELO』見たことないんだけど。」── デーブ・スペクター(『J-MELO』スペシャルコメンテーター)

『J-MELO #407「第7回J-MELOアワード」』は、海外では2014年1月20日にNHKワールドで、日本国内では2014年1月26日にBSプレミアムにてオンエアされる。

最後に。今回、送られてきたリクエストの数などから決定した「第7回J-MELOアワード」だが、番組が何よりも大切にしているのは、声。視聴者から番組に寄せられた想いとメッセージは、May J.、デーブ・スペクターはじめ、『J-MELO』に関わる多くの人たちがすべて目を通して、番組に反映させている。

『J-MELO』が、日本の音楽を愛してくれる世界中の人たちから長年にわたって高い支持と評価を得ている理由のひとつは、ここにある。


text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

◆BARKS Music Entertainment(English ver)
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◆BARKS 日本最大音樂娛樂情報網站
◆『J-MELO』オフィシャルサイト
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