【インタビュー】山崎あおい「そのまま倒れて起き上がれないくらいの究極のキュンを目指していきたいなぁと思っているんです」

ポスト

11月にリリースされた先行シングル「恋の予感」から約二ヶ月。ついに山崎あおいの1stアルバム『アオイロ』が届いた。今までシングルではキュンキュンの楽曲を届けてくれていた彼女だが、このアルバムではシニカルな部分や、繊細な内面も吐き出され、より多面的に山崎あおいというアーティストを知ることができる。この等身大の作品についてじっくりと語ってもらった。

■人生長い目で見てもすごく濃い一年だったから
■そういう部分を作品として残しておきたいと思って


▲初回限定盤

▲通常盤
――『アオイロ』はファーストアルバムですが、デビューアルバムが『ツナガル』なので正確には初めてのアルバムではないですよね。でもファーストアルバムというのは気持ちは違います?

山崎あおい(以下、山崎):違いますね。デビューはアルバムでしたが、今回のアルバムが一枚目みたいな感じです。東京に出て来てデビューしてからずっと、「私がアルバムを作るなら?」というイメージをして曲作りをしていたんですよ。だから、気持ち的にはやっとできた一枚っていう感じですね。

――アルバムに対してどんなイメージをしながら曲作りをしてたの?

山崎:シングルを何枚か出す中で、こういう面を見せたから次は反対の面も見せたいなぁとか、そんな風に考えながら曲作りをしていました。前回の「ツナガル」っていうアルバムは、中学生、高校生のときに書いた曲で、キラキラ今を生きるとか、将来なんてとか、大人なんて……みたいな感じだったので、今振り返って聴くと「若いな」って思っちゃうんです。でも、その時に考えていた「将来」が「今」なんですよね。意外とすぐに訪れてしまって、「じゃあ、これからどうして行くの?」っていう迷いや、東京に出て来てから考えてきたことがたくさんあるんです。人生長い目で見ても、すごく濃い一年だったから、そういう部分を作品として残しておきたいなぁと思いました。

――ということは、最初からリアルなものを目指していた?

山崎:はい。月並みな表現ですが、大人でもなく子供でもなくっていうのを実感した一年だったので、その変化をアルバム全体で表現したかったんです。

――結果、ブレずにコンセプト通りの作品になりましたね。中には「これもあおいちゃんの曲なの!?」ってびっくりするような曲もあったりして。「レイコさん」は、アルバムならではの意外な一面も感じますね。

山崎:うふふ(笑)。これは友達のお母さんのことを曲にしたんです。シングルでは絶対にできなかった曲ですよね。実は、こうやってふざけて曲を書くのがすごく好きなんです。高校生の頃から、友達と遊びといえば、こういう面白おかしい曲を作るっていう感じだったんですよ。もちろん、マジメに伝えたい、聴いてもらいたいって書く曲もあるけど、こういう風に単純に音楽を楽しんでいるような曲もアルバムには入れたかったんです。しかもこの曲はライヴですごく盛り上がるんですよ。

――なるほど。シングルのイメージだけじゃない山崎あおいもいるんだよという感じですね。ブログを見てても思うけど、あおいちゃんは言葉の使い方が上手だし独特ですよね。「レイコさん」もそうだけど、「スコーレ」なんていう聞き慣れない言葉をタイトルに持って来たりして、掴みがうまい。「スコーレ」はラテン言語ですよね。

山崎:はい。「School」の語源ですね。これは、私が高校生の時に読んだ「スコーレNo.4」っていう小説からインスパイアされていて。小学校、中学校、高校、大学…と、いろんな学校で体験したことを綴った小説なんですけど、それを読んで、「高校生はやっぱりキラキラしておくべきだ」って思ったんですね。「勉強だけじゃない!」と思って、数学の時間に書きました(笑)。

――大学生の今唄うことで、より説得力が増しましたね。

山崎:そうですね。「Blue days」も高校時代に作った曲なんですが、きっとそろそろ中高時代の曲を出すのも最後のタイミングなのかなと思ったので、今作にはその中でも特に聴いて欲しい曲を収録したんですよ。

――その他はアルバムに向けて書いてた曲なんですね。「レイコさん」とは別の意味で衝撃的だったのは「カランコロン」なんですが。心の中をかなりぶっちゃけているから。

山崎:生々しいですよね。

――あおいちゃん自身のことを唄っているのか、東京に出て来て出会った誰かから感じたことなのか、想像も膨らみますね。

山崎:「こんなこと考えてたのかな?」って思いました? この曲はそう思ってくれると嬉しいなぁと思って書いたんですよ。私の気持ちも、周りの人を見て感じたことも混ざっているっていう感じですね。

◆インタビュー続きへ
この記事をポスト

この記事の関連情報