コメディー映画『アイム・ソー・エキサイテッド!』、見どころはポインター・シスターズ?

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スペインの名匠ペドロ・アルモドバル監督がてがけたコメディー映画『アイム・ソー・エキサイテッド!』が、1月25日(土)より公開となる。

◆『アイム・ソー・エキサイテッド!』画像

『オール・アバウト・マイマザー』でアカデミー外国語賞、『トーク・トゥ・ハー』ではアカデミー監督賞を受賞し、『ボルベール〈帰郷〉』で主演女優6人全員にカンヌ国際映画祭の主演女優賞をもたらすなど、新作を発表するたびに世界各国より高い評価を受け続けてきたアルモドバル監督だが、彼の作品で欠かせない要素のひとつとして挙げられるのが、歌や音楽だ。

『ボルベール〈帰郷〉』では、ペネロペ・クルス演じるライムンダが歌うタンゴの名曲カルロス・ガルデルの「Volver」が作品のテーマとなっており、「トーク・トゥ・ハー」ではカエターノ・ヴェローゾが歌う「ククルクク・パロマ」のライブで主人公の一組の恋人たち、フリーライターと女闘牛士が逢瀬するシーンが印象的だった。

そして、本作での見所のひとつが、3人のオネエ客室乗務員たちが危機に瀕した機内で乗客を元気付けるために歌い踊るシーンで、ここでは1980年代に活躍したアメリカのガールズ・コーラス・グループ、ポインター・シスターズのヒット曲「I'm So Excited」が起用されている。今回なぜにこの曲なのか…というポイントについて、ペドロ・アルモドバル監督は「通常、映画の中盤のストーリーに最も食い込んでいく瞬間にポインター・シスターズの曲を振付け付きで歌い踊らせることを思いついた。サビの「I'm about to lose control and I think I like it(コントロールを失う寸前よ、そしてこの感覚が好きなの)」という歌詞が、ペニンシュラ航空2549便にこのあと起きる状況を現している。ストーリーが下り坂に向かうのを防ぐばかりか、おもしろさのピークに達するシーンだ」と語っている。ストーリーと歌詞との奇跡的なマッチングを存分に楽しんでいるようだ。

本作はいつものシリアスな作風からは想像ができないほどの屈託のない脱力系コメディで、音楽も明るく楽しい曲がストーリーを彩っている。アントニオ・バンデラス、ペネロペ・クルスはじめアルモドバル作品常連の名優たちを贅沢にカメオ出演させており、2013年3月にスペインで公開され大ヒットを記録した作品だ。



『アイム・ソー・エキサイテッド!』
ようこそ快適なお空の旅へ。マドリッドからメキシコ・シティへ。快適なはずのビジネスクラス。でも、その飛行機は機体トラブルで着陸不能の状態だった!緊迫した状況の中、3人のオネエ客室乗務員たちは乗客を楽しませようと歌って踊り、怪しいオリジナルカクテルを振る舞う。徐々に明かされていく曲者だらけの乗客たち。果たしてこのフライトを無事に終えることができるのか?
監督・脚本:ペドロ・アルモドバル
出演:カルロス・アレセス、ハビエル・カマラ、ラウル・アレバロ、ロラ・ドゥエニャス、セシリア・ロス、ブランカ・スアレス
2013年/5.1ch/ビスタ/スペイン/90分/R15+
配給:ショウゲート
協力:松竹
(C)EL DESEO D.A.S.L.U M-39978-2012
1月25日(土)新宿ピカデリー他全国公開


◆『アイム・ソー・エキサイテッド!』オフィシャルサイト
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