【インタビュー】DIV、結成2周年とその歩みのすべてを語る「ヴィジュアル系を元のサヤに戻したい」

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■年末年始は“ステージでは喋りません”って、いじけてた時期なんです
■でも、今は歌から出てくるメッセージを喋ろうって

──なるほど。そんな葛藤を経て、10月23日にリリースした1stフルアルバム『ZERO ONE』が、オリコン・インディーズアルバム週間ランキングで1位獲得して、さらには新宿BLAZEのライヴチケットがわずか60秒でソールドアウトするという、バンドの勢いに拍車が掛かっている状態だったわけで。そんな中で行われた2ndワンマンはいかがでした?

CHISA:この日はパフォーマンスとかセットリストに関しては凄く良かった、悪いところが見当たらないくらい。だけど、僕の中ではまだ1stワンマンで言われたメンタルのことが頭にあって。それをどうにかする努力をちょっとずつしてたんですよ。MCとかは気にしながらやってみたものの、まだ自分の実像とリンクできない部分はあって。

──DIVとしてのCHISAとしては“こうしなきゃ”だけど、自分の感情とは異なっていたということ?

CHISA:その時の自分の感情とリンクしないチグハグなことをMCで言ったり、自分が歌に入り込めない部分があったりはしましたね。ライヴとしては良いものができたものの、1曲1曲の中で自分が入り込める瞬間が意外となかったというか。自分がグッときて、それを外に出すってことがあまりできなかったのかもしれない。多少出すことはできたとしても、それは(※胸を指差して)ここからきたものじゃない。“こういうことを言おう”と自分が思っているものではあるけど、ステージ上の自分がその時そういう気持ちになっていたかといえば、そうではなくて。言い変えれば、それをやろうやろうと思ってた。

▲<2nd ONEMAN LIVE「ZERO ONE」>@新宿BLAZE
▲<2nd ONEMAN LIVE「ZERO ONE」>@新宿BLAZE
▲<Visual BANG!~SID 10th Anniversary FINAL PARTY>@日本武道館
──そのメンタルという課題が、いよいよ2ndワンマンで浮き彫りになったということですよね?

CHISA:そうですね。あとでこの日のライヴ映像とかを見て、単純に“良いな”とは思ったものの、自分だけ納得いってないという感じですね。課題というより、もやもやが残ったライヴ。

──他のメンバーは、そういうボーカリストの葛藤に気付いてました?

将吾:正直、俺は何も感じなかった。

ちょび:俺も。

CHISA:1stワンマンの頃のMCは、いい意味で自然体だったんですけど、見方によっては、O-WESTをソールドアウトして何ヘラヘラしてるんだよって感じで。だからO-WESTが終わった後には“もっとちゃんとア─ティストっぽいことを”とスタッフとかからも要求されて、結構悩んで。それを受けたMCを新宿BLAZEでしてみたものの、気持ちが全く入らなかった。それが自分の中のもやもやで。ただ、ライヴとしてはホントに良いものになったとは思うんですけど。

──バンドとしてクリアできたものがあったけど、ヴォーカリストとしては満足の行くものではなかったと。

CHISA:そうですね。個人的には、年末年始周辺のライヴは“もうステージでは喋りません”って、いじけてた時期なんですね。新宿BLAZEの後に、「無理して喋らなくていい」とスタッフに言われたんです。「喋れ」って言っといて、「無理して喋らなくていい」ってなんだよって。じゃあもうステージ上では絶対喋らねぇよって。だから、12月27日の武道館(シド主催<Visual BANG!~SID 10th Anniversary FINAL PARTY>)と年始イベントくらいまでは、ステージ上では全く喋らなかった。でも、それに物足りなさを感じたんです。歌っている時に、“こういうことを言いたいな”とか考えたんですよ。じゃあ、それを言ういい形を探そう、曲を見つめようと。今までは、MCと楽曲演奏を分けてたんです。自分の想いは全部曲に入ってるから、それ以外のことをMCで喋れって言われてもできないと思ってた。でも、歌から出てくるメッセージを喋ろうって。今はそれが自分の形なのかなとは思ってますね。

──本当の意味で、自然体になってきたということですよね?

CHISA:お客さんに届けたいことを無理に探すからいけないのかなと。僕にとっては歌から出てくるメッセージが一番ストレートに伝えられるかなって思ったんです。もっと言うと、それを伝えず今まできたってことは、本当の意味でお客さんに曲が聞こえてないのでは?と思い始めたんですよ。MCの煽り方も「次こうやってやります、次こっちいきます」みたいなノリ方の指導的なことばっかりで、曲は聞こえてても、気持ちは届いてなかったのかなって。

──ああ。昨今のV系シーンのお客さんは、ノリ方や曲を頭で考え過ぎちゃって、心の奥底から湧き上がるような感情を素直に表現するということが減ってきてるかもしれないですね。DIVがそういう現状に対して新しい答えを出してあげられそうですか?

satoshi:今後はそう出来る、答えを出せるって思うんですよね。こう言えるのは、2014年2月に開催した<感謝祭ツアー>があったからなんですよ。僕にとっては2014年2月14日の渋谷WWWが生まれてから今日までのベストライヴで。演奏以外の部分も含めて、今までで一番良かった。長く時間をかけてワンマンライヴに耐えうる曲をこれだけストックできたし、遂に確固たるワンマンライヴがやれるバンドになったと、2年活動してやっと思えたんですよ。

CHISA:俺もそう思ったかも。実はこのツアーの名古屋公演が最悪だったんです(苦笑)。歌ってる最中にマイクが飛んでっちゃうトラブルがあって。あわあわしてしまって、気持ちを切り替えようと思っても全然できなくて。で、その終演後の握手会が凄く心に響いたんですね。全然良いライヴじゃなかったのに、「めっちゃよかったです」って言ってくれるファンがいっぱいいて。これはもっと気持ちを入れないとやばい、絶対に東京のライヴは良いものにしなきゃって。

──メンタルをお客さんに変えられたのかもしれないね。

CHISA:それはありますね。その時期、僕は精神的に参ってたんですよね。日々のバタバタで“大丈夫、これ?”みたいな気持ちがあって。そんな時に名古屋で自分的には最悪なライヴをしたんだけど、やっぱりファンの言葉が、グッと心にきたんですよね。

satoshi:僕はそれまで、お客さんにはなんでも感謝をしなきゃいけないと思ってたんですよ、CDを買っていただいたんだから。ずっと、ただただ機械的にそう思ってたんです。もちろん、ライヴは毎回一生懸命やってるんですよ。でも、今まではもしお客さんに「今日のライヴ全然良くなかった」とか言われたら、“じゃあ握手会とかつけたら満足するんですか?”っていう気持ちもゼロじゃなかった。みんな音楽なんて欲しくないんでしょって、それがずっと最大の悩みだったから。インストアイベント終わった後、家に帰るときに泣いたりしましたもん。でもこのツアーで、初めてお客さんの気持ちを真っ正面から受け止められたというか。ハグしなくてもCD買ってくれるんだって。

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