【インタビュー】結成10周年 9mm Parabellum Bullet 、日本武道館映像『act O 』『act E』を語る「見つけてくれてありがとうね」

ポスト

9mm Parabellum Bullet が10周年を記念して開催した日本武道館2Daysライブ、10th Anniversary Live「O」/ Live「E」。2日間、楽曲被りのないスペシャルなセットリストで行われたこの模様を完全収録したLIVE DVD & Blu-ray『act O 』『act E』が5月7日にリリースされた。今作リリースにあたり、結成10周年を迎えたバンドについて、そして武道館公演でのエピソードを菅原卓郎(Vo&G)に語ってもらった。

◆そこで武道館ライブをやったからこそ、武道館という場所のすごさが解ったというか。
“絶対にまたここでライブしたい!”って思うようになった


――2月7日と8日の2日間で行われた日本武道館ライブは、10th Anniversary Liveだったわけですが、10周年を迎えた今の気持ちはいかがですか?

菅原卓郎(Vo&G /以下 菅原):10周年と言っても、メジャーデビューから数えてではなく、結成から数えての10周年なので、なんと言いますか。当初は学生だったし、最初の2、3年目くらいは誰にも知られていない時代もあったので、正直あまり実感がないというか、アッという間だったなっていう感覚なんですよね。何か区切りがあっての10年でもないですからね、本当にひたすらアッと言う間の10年だったなって感じです(笑)。

――結成した当時の1番最初の思い出って記憶にあります?

菅原:4 人になった瞬間ってのは覚えてますね。かみじょうくん(Dr:かみじょうちひろ)の家で、和彦(B:中村和彦)に電話して、“ベース弾いてくれない?”って言って、和彦が“いいですよ~”って言ってくれたのが、1番最初でしたね(笑)。和彦は俺らの後輩だったんで、やろうよやろうよ! みたいなノリで誘ったのを覚えてますね。そこからの10年ですからね、ホント、そこから数えていいのか!? って感じもありますが(笑)。

――あははは。でも、始まりなんてみんなそんなもんなんだろうからね(笑)。そんな当時から、10年続けられるバンドになれたらいいなって?

菅原:いや、その頃は何も考えてなかったですね。続くと思ってたと言うよりは、毎年更新していく感じで、長く続けて行けたらいいなぁとは思ってましたけど。最初から10年やろうとか20年やろうとは考えてなかったです。でも、10年ってホント、アッという間なんだなぁって思いますね。

――10年が見えて来たのって、いつくらいでした?

菅原:9年が見えたくらいかな(笑)。

――え!? そんなに後(笑)!? めちゃめちゃ最近なんですね。

菅原:そうなんですよ(笑)。バンド名に“9”っていう数字が入っているから、“10”の前にバンドにとっては10よりも特別な9が来るんで、まずはそこかなって感じで。9年目でやっと、あぁ、もう10年なんだぁ……みたいに感じましたね。

――9mm Parabellum Bulletが最初に日本武道館というステージでライブを行ったのは、2009年の9月9日の9づくしの日でしたもんね。

菅原:そうなんです。バンドとしては、9の方がプライオリティが高かったんで(笑)。9年をとにかく盛大に祝って、10年は人並みに祝おうぜ! みたいな感覚でしたから。

――なるほど。そのときの武道館と今回の武道館とでは、そこに向う意識が少し違いました?

菅原:最初に武道館でライブをしたときは、まだ結成して5年目だったので、武道館という場所でライブが出来るなんて思ってもなかったですし、そこまでの実感がなかったんです。とにかく9がいっぱい付くこの日に、何か面白いことをしてやろう! ここで面白いことしなけりゃいつするんだ!? っていう完全にお祭り感覚だったというか。武道館でライブをするという、事の大きさをみんなあんまりわかってなかったんですよ。“武道館でライブ出来るならやりたい!”って思いだけだったというか。

――勢いだけみたいなところが強かった?

菅原:そう。何もわかってないからこその勢いがあって。やるならとことん楽しんじゃおう! みたいなね。でも、そこで武道館ライブをやったからこそ、武道館という場所のすごさが解ったというか。“絶対にまたここでライブしたい!”って思うようになったんです。語り継がれている“ライブハウス武道館”という言葉の意味を理解出来たと言うかね。そんな感じでしたね。何もわからずに立った1 回目の武道館も、結果すごくいいライブが出来たと思うし、すごく楽しかったので、あのときの武道館はあのときにしか出来なかったライブだと思うんです。そこと比べると、今回は感覚が少し違いましたね。思い入れとしては今回の方が強かったなと思います。10周年のお祝いライブであり、そこにバンドマンとして全うな“武道館でライブをやるんだぞ!”という思い入れがプラスされたライブだったと思うんです。

――武道館に立ってみて、武道館という場所への想いが強くなっていったと。

菅原:ですね。そこまで“絶対に武道館に立ってやるぞ!”っていう想いがあった訳でもなかったので。

◆昔の曲になればなるほど複雑で難しかったりするので、リハしながら
“お~。このバンドやるなぁ~”なんて言い合いながらやってましたね(笑)


――9mm Parabellum Bulletにとって、立ってみたかった場所って何処だったんです?

菅原:当時は、渋谷のラママとかですかね。普通にライブハウスのオーディション受けて、そのオーディションに受かったら出させてもらえるっていうハコの方が思い入れが強かったですね。武道館とかは、当時の僕たちにとっては、想像もしない大きなハコでしたから。それよりは、目の前の現実的なハコへの思い入れの方が強かったです。段階を踏んでいったら、いつかは出来る場所っていうふうにも考えていなかったですしね。2009年に武道館やったときも、なんとなく、いろんな人たちが9mm Parabellum Bulletを知ってくれはじめたあたりだったとは思うけど、“いきなり武道館やんのか!?”って思われていたと思いますしね。

――いやいや、充分だったんじゃないかな? 実力的にもちゃんと見合うキャパだったと思っていたけど。

菅原:いやいや、ホント、結成から5年しか経ってなかったですからね。だから、完全にお祭り感覚だったんです。

――2月7日と8日の2日間で行われた武道館ライブは、<10th Anniversary Live「O」/ Live「E」>というタイトルを付けて2日間まったくメニューを変えて挑んだライブでしたけど。

菅原:はい。Oddは“奇数”、Evenは“偶数”、つまり、これまでリリースしてきた音源に収録されている曲の収録順を、奇数と偶数に分け、2日間いっさい被りナシで、この日ならではのセットリストを組んだんです。

――斬新ですよね、奇数と偶数で分けるって。カップリングだけでセットリストを組むとかは聞いたことあるけど。

菅原:はいはい。ありますよね、カップリングデーとか。あと、アルバムを丸ごと曲順通りにやるとか(笑)。

――そうそう(笑)。いっさい被りなしでのセットリストであったことで、アンコールも合わせたら、60曲近かったわけですよね。リハーサルでは、全曲あたったんですか?

菅原:そうですね。昔の曲になればなるほど複雑で難しかったりするので、リハしながら“お~。このバンドやるなぁ~”なんて言い合いながらやってましたね(笑)。

――あははは。自分たちのことなのに!?

菅原:そうそう(笑)。自分たちで作った音なのに(笑)。でも、意外と僕たちは昔の曲もやってたりはするんで、そこまで思い出す作業が大変だったってことはなかったんですけど、やっぱり流れがどうしてもなかなか覚えられなくて。足元には貼ってあるんですけど、“あれ? 次なんだっけ?”みたいな戸惑いはずっとありましたね。最初の3回くらいまでのリハーサルは、とても見せられたモノではなかったですけど(笑)、だんだんリハを重ねていくうちに、自分たちの中に流れがちゃんと入ってきてましたね。

――どういうところから、奇数と偶数に分けることに?

菅原:みんなでミーティングしてたときに、2日間まったく曲が被らないセットリストにしたいね、って話しになったんですよ。そうするにはどうやって曲を決めようか? ってことになって。もともと9mm Parabellum Bulletって、毎回ライブごとにセットリストを変えているんですけど、その究極ヴァージョンとして被りなしにしよう! って決めたんです。そこで、奇数順の曲と偶数順の曲に分けようっていう案が出たんですけど、最初はどうなるのか自分たちも想像がつかなくて。それで、実際に並べてセットリストを作ってみたら、結構イケルね! って感じだったんです。

――なるほど。あと、やっぱりカップリング曲って、どうしてもライブでは、なかなかやらない曲になってしまうけど、菅原くんもMCで言っていたように、9mm Parabellum Bulletはカップリング曲もすごくいい曲が多いから、2日目の中盤に届けられたカップリング3連発は、すごく魅力的な流れでもあったなと。

菅原:カップリングばっかり続けてやるって、そうそうないですからね。

――そう。私は個人的に“B面女”なので、つまりカップリング好きなので、すごくビビビっときましたね。

菅原:あははは。“B面女”っていいですね(笑)。でも、その感覚わかりますよ(笑)。

――カップリング曲に名曲が多いバンドは、本当にいいバンドだと思っているので。

菅原:たしかに。それありますよね。カップリング曲って、そのバンドにとってのすごく本質の部分でもあると思うので。表題曲ももちろんですけど、いろんなことを考えて作られた曲も多いし、いい顔をしているところもあるから、本質とはまたちょっと違ってる部分である時もあるというか。僕もカップリング曲はすごく好きです。

◆インタビュー続きへ
この記事をポスト

この記事の関連情報