【インタビュー】ミザリー・インデックス「俺たちの頭の中はいつだってデス・メタル・モードだよ」

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アメリカン・デス・グラインドの雄、ミザリー・インデックスが4年ぶりのニュー・アルバム『ザ・キリング・ゴッズ』(5月21日発売)で還ってくる。

◆ミザリー・インデックス画像

暴虐エクストリーム・サウンドにこだわりながら、王道デス・メタルに回帰。さらに起伏に富んだサウンドで、攻撃性を増幅させている。新メンバーを加えて再始動したバンドのギタリスト、マーク・クロッペルに、じっくり話をきかせてもらった。

──『ザ・キリング・ゴッズ』は4年ぶりの新作ですが、アルバムの完成までにこれほど時間がかかったのは何故でしょうか?

マーク・クロッペル:世界中をツアーしていたんだ。アメリカ、ヨーロッパ、東南アジア…それでアルバム作りが遅れたんだ。ただ、ライヴ・アルバム『Live In Munich』やロック・アップとのスプリット7インチ・シングルを発表したり、リリースが途絶えたわけではなかったから、みんなに忘れられていないと信じているよ。

──『ザ・キリング・ゴッズ』はバンドの歴史において、どんな位置を占める作品ですか?

マーク・クロッペル:最高傑作、かな(笑)。俺とアダム(ジャーヴィス/ドラムス)がバンドに加入して最初に作ったのは、2枚目のアルバム『ディスコーディア』(2006)だった。まだこの頃はそれぞれがバンド内での役割を模索していたけど、俺はすぐにメイン・ソングライターの一角となった。そうして次の『トレイターズ』(2008)は、バンドのアイデンティティを確立する作品だった。『エアーズ・トゥ・シーヴリー』(2010)はアルバムとしてのインパクトはそれほどでもないけど、各々の曲は気に入っているものばかりだ。どの曲も強力そのもので、誇りにしている。それまで2年に1枚のペースでアルバムを出してきたけど、今回はツアーが長かったし、より時間をかけてベストなアルバムを作ろうと考えたんだ。

──『ザ・キリング・ゴッズ』の音楽性が正統派デス・メタルに接近したのは?

マーク・クロッペル:時間をかけて、複数のリフを繋ぎ合わせたり、アレンジを加えるなどしたせいで、曲が長く、複雑になっていった。曲を書き始めたのはもう2年半から3年前のことだったんだ。新加入のギタリスト、ダリン・モリスが加わったことも大きかった。彼は元々、俺たちがプリ・プロダクションで使っていたスタジオを経営していたんだ。だからスパーキー・ヴォイルズが脱退したとき、ダリンに声をかけるのが自然な成り行きだった。彼はユニークなリード・プレイヤーだし、俺たちの音楽を知り尽くしているからね、彼はソングライティングでも貢献していて、「ヘレティクス」「クロス・トゥ・ベア」「センチネルズ」を書いている。驚いたのは、「センチネルズ」は俺たちのデビューEP『Overthrow』(2001)に通じるサウンドだったことだ。俺やアダムが加入する以前の、オリジナル・ミザリー・インデックスの原型に近い。新加入のダリンが、そんな先祖返りをするのが面白かったね。

──ジェイソンがデス・メタル研究書『Extremity Retained: Notes From the Death Metal Underground』を刊行したことも、バンドがデス・メタル・モードになったことと関係あるでしょうか?

マーク・クロッペル:いや、俺たちの頭の中はいつだってデス・メタル・モードだよ!ジェイソンの本は最高だよ。ジェイソンのデス・メタルに対する知識と愛嬢が込められている。俺自身、1990年代後半にモービッド・エンジェルとカンニバル・コープスを聴いて以来、デス・メタルから多大な影響を受けてきた。決して意識したわけではないけど、『ザ・キリング・ゴッズ』にはダークでミニマルな、ヴェノムに通じる要素があると思う。

──オープニングを飾る「イントロ:ウルファウスト」から5曲目「ザ・ハロウイング」までのアルバム前半は、曲間を間奏曲で繋ぐなどしていますね。

マーク・クロッペル:そう、最初の5曲は「ファウスト」という、15分半の組曲だったんだ。ゲーテの戯曲『ファウスト』を下敷きにして、現代社会に対する俺たちなりの考察を加えた組曲だよ。「ザ・ハロウイング」の中間部みたいに、スーパー・グラインドな部分もあるし、「ジ・オース」のようにダークで内省的なインストゥルメンタルもある。「ジ・オース」はファウストが悪魔と約束をするシーンを音楽化したもので、後ろの方で聞こえるカエルの声などは、ジェイソンがフロリダのエヴァーグレイド国立公園まで行って録音したものなんだ。

──組曲の後に収録された「ザ・キリング・ゴッズ」もインパクトのある曲ですね。

マーク・クロッペル:この曲はジェイソンと俺が書いたリフにアダムが幾つかパートを加えて、まとめる形で曲にしたものだ。イントロに修道僧による鎮魂歌を入れたのは、ジェイソンのアイディアだった。ストレートなグラインドコアやハードコアも好きだけど、緩急をつけることで、ブルータルな部分がさらに引き立ったよ。俺たちはみんなが神を信じることは否定しないけど、人間の思想を統制しようとする宗教というものが嫌いなんだ。

──ボーナス・トラックとしてミニストリーの「シーヴズ」~「N.W.O.」のメドレーを「シーヴズ・オブ・ザ・ニュー・ワールド・オーダー」としてカヴァーしていますが、それは誰のアイディアですか?

マーク・クロッペル:俺だよ。十代の頃からメタリカやアンスラックス、フェイス・ノー・モアを聴いて育ったけど、そんな中に、ミニストリーの『ザ・マインド・イズ・ア・テリブル・シング・トゥ・テイスト』もあった。ギターをフィーチュアしたインダストリアル・ミュージックは聴いたことがなかったから、衝撃を受けたね。アル・ジュールゲンセンのハーシュなヴォーカルも好きだった。それで今回、カバーしようと思ったんだ。

──2006年に単独ツアー、2009年に<EXTREME THE DOJO Vol.22>で来日していますが、ぜひまた日本に来て下さい。

マーク・クロッペル:アルバムを出してヨーロッパ、それから北米をツアーすることが決まっているんだ。でも、その合間に日本でプレイしたいと考えているよ。俺がデス・メタルに入門したバンドのひとつがカンニバル・コープスだったけど2009年、初めて彼らと同じステージに立てたのが日本だったんだ。今回も強力なバンド達と一緒に、日本に行きたいね。

取材・文:山崎智之

ミザリー・インデックスの歴史上、最高傑作と位置づけられた『ザ・キリング・ゴッズ』。正統派デス・メタル・サウンドの全貌は間もなく明らかとなる。


ミザリー・インデックス『ザ・キリング・ゴッズ』
5月21日発売
2.300円
直輸入オフィシャルTシャツ付き通販限定セット 4,000円
1.イントロ:ウルファウスト
2.ザ・コーリング
3.ジ・オース
4.コンジュアリング・ザ・カル
5.ザ・ハロウイング
6.ザ・キリング・ゴッズ
7.クロス・トゥ・ベア
8.ギャロウズ・ユーモア
9.ザ・ウィーケナー
10.センチネルズ
11.コロニー・コラプス
12.ヘレティクス
13.シーヴズ・オブ・ザ・ニュー・ワールド・オーダー ※ボーナストラック

ジェイソン・ネザートン(ベース/ヴォーカル)
アダム・ジャーヴィス(ドラムス)
マーク・クロッペル(ギター/ヴォーカル)
ダリン・モリス(ギター)


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