【インタビュー】the brilliant green、セルフカバーベスト発表「ブレな過ぎだろオレ、みたいな」

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■'60年代とか'70年代初頭の音楽って、基本的に闇が元にあると思う
■でもそこに惹かれる要素があるみたいな。クレイジーだなと

──原曲からアレンジが大きく変わって、おっ!と思った曲も多かったと思いますが?

川瀬:一番ビックリしたのは、「長いため息のように」です。すごく鬱みたいな歌詞なのにアレンジが明るくなってて、メッチャとまどいました。サビの明るい感じとか余計怖いですよね(笑)。躁鬱みたいでヤバいだろう、これ、と思いながら歌いました(笑)。でも、スタッフとか周りの人たちに気に入ってると言ってくれる人が多いので、良かったのかなと。

──すごく楽しめましたよ。「There will be love there~愛のある場所~」は、ちょっとビートルズの匂いがするアレンジになっていますね。

川瀬:私たちは、リアルタイムでは'90年代のUKロックブームを経験して、夢中になって影響を受けてきた世代なんです。そのルーツを辿れば、'60年代だったり、'70年代だったりしますよね。そういう中でも一番濃い'60年代の雰囲気がすごく好き。でも、the brilliant greenで、ここまでパロディーっぽいアレンジを要所要所に散りばめたことはあるようでなかったので、新鮮でしたね。

──「You & I」にはローリング・ストーンズの「She's A Rainbow」を思わせるアレンジも。

川瀬:そうやって連想してもらったりすることを楽しんでもらえたら成功かなっていうアルバムになっています。'60年代のテイストを入れるということがテーマとしてあったので。さりげなくシャレが効いていると。今回のアルバムは'60年代の音楽が好きな人たちがニヤリとできる場所がところどころにあるんです。全面的なパロディーもコンセプトに合えば面白いと思うけど、the brilliant greenならではという世界観に気づいてもらいたい意図もあるので、あくまでもさりげなく、そういうエッセンスや雰囲気があって、トータルとしてはアンプラグド的に統一されている。そこが大人っぽくて、いい具合いじゃないかなと思います。

──たしかに。'60年代ポップスのみならず、ワールドミュージックのテイストを活かした「冷たい花」や「Stand by me」なども印象的です。

川瀬:その辺りも、もろではなくて。でも、新曲「Little World」だけは、わりと完全な'60年代パロディーみたいな曲にしました。ちょっと面白がってやったんですよ。シングルとか表題曲ではないから、新曲だけど遊びの要素を強めたかった。他のアルバムには入らないものを敢えて入れた感じで。

──12弦エレクトリックギターの使い方などが、パロディーとして最高です。完全なアコースティックアルバムではないということが、『THE SWINGIN' SIXTIES』の大きな魅力にもなっていますね。

川瀬:ちょうどそういう話が持ち上がったときに「A Little World」ができて、“SWINGIN' SIXTIES”という言葉が思い浮かんだんです。で、アルバム全体がそういう方向になるのかなと思ったら、全然アンプラグドっぽい曲が普通にいっぱいあって(笑)。だから、どこら辺が'60年代なんだろう?と思う人もいるかもしれないけど、分かる人が聴いて、おっ!と思うくらいのほうがいいと思っています。

──同感です。

川瀬:私、'60年代とか'70年代初頭の音楽って、基本的に闇が元にあると思うんですよ。その闇の部分を極端にPOPに見せている感じとか、すごく怖い……でもそこに惹かれる要素があるみたいな。クレイジーだなと(笑)。「A Little World」は、60年代のパロディ感がかわいい曲だと思うんですけど、『THE SWINGIN' SIXTIES』というアルバムタイトルが示すカラーをいちばん持っているサウンド感なので、このアルバムならではの遊び心のある選曲なんです。

──ということは、「A Little World」は、今後のthe brilliant greenの方向性を示唆しているわけではないんですね?

川瀬:はい。全然違います。ただ、60年代の完全なパロディのような、それこそ冗談みたいなアルバムを本格的に作ってみたい気分になったりもしてますけど。それなら60年代を象徴する楽曲をカバーするアルバムでいい気がしてます。最初は「A Little World」でミュージックビデオとか作る予定とかもなかったんです。スチール撮影のメイキングに、たまたま乗せる音がいちばんしっくり来そうなのがこの曲だっただけで。ボーナストラックというか、オマケみたいな感覚だったから。たまたまこういう曲が入っていますよという感覚(笑)。

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