【ライブレポート】アーバンギャルド、「避妊しろ！」

12月25日、＜アーバンギャルドのクリスマス～SANTA CLAUS IS DEAD～＞が日本橋三井ホールにて開催された。

◆アーバンギャルド画像

アーバンギャルド初のホールワンマンとなった今回のライブは、熱狂あふれる普段のスタンディングライブとは異なる独特のシアトリカルなステージとなった。賛美歌「もろびとこぞりて」をダンスミュージックにアレンジしたSEとともにメンバー登場、天使の羽を身にまとった浜崎容子（Vo）、松永天馬（Vo）を中心に「トラウマテクノポップ」の名に相応しいテクノポップ「子どもの恋愛」からスタートし「神様、今夜エイズ検査に行ったの」という衝撃的なバラード「ラヴクラフトの世界」「ヌーヴォーロマン」など普段のライブでもレアな曲を立て続けに披露した。その後「ワンピース心中」など定番曲を経て、更に恒例のソロコーナーでは松永が大槻ケンヂとのコラボレーション曲「戦争を知りたい子供たち」のジャズヴァージョン、浜崎は「月へ行くつもりじゃなかった」のアコースティックバージョンを披露した。

後半は「君にハラキリ」に始まり、ハイテンションなナンバー「都会のアリス」「オペラ・オペラシオネル」などを演奏。MCでは、サンタクロースを信じていた浜崎容子が母親からサンタはいないと告げられた子供時代のエピソードなども披露。最終的には父親が牧師であるという瀬々信（G）とともに「サンタは信じている人にはいるよ！」という当たり障りのないコメントで締めくくった。

アンコールではそのサンタクロースに扮した松永が客席から登場。「避妊しろ！」と叫びながら客席を練り歩き、袋に入れたアーバンギャルドのグッズでもある特製のコンドーム二百個を配り歩きながらステージへ。「処女捨てたもうことなかれ！」と歌いながらコンドームを投げるライブ定番曲「ベビーブーム」を演奏した。

メンバー紹介ののち、浜崎よりいくつかの発表がなされた。まず、2月8日に行われるライブ＜フラッシュバック・ワンマンVol.1「少女は二度死ぬ」＞。こちらはアルバム毎の収録曲を収録順に披露する新シリーズのワンマンライブ。更に4/4と4/5に2daysワンマン＜二部制☆鬱だ一番！アーバンギャルドまつり2015～ワンマン＆スペシャル・今度は戦躁だ！～＞の開催も発表。こちらは通常のワンマンライブに日毎の特別なイベントを二部に開催するという趣向で、初日は＜詩劇：アーバンギャルドの新宿に死す＞、二日目は＜浜崎容子VS松永天馬！水玉紅白歌合戦＞なる謎のイベントが第二部に開催される。

発表ののち、浜崎は「この2年間はとても苦しかった」と、谷地村啓（Key）鍵山喬一（Dr）の脱退が相次いだ2年間を回顧。しかし2014年4月に加入するおおくぼけい（Key）やサポートメンバーの事にも触れつつ「アーバンギャルドは今が最高の状態だと思う」と締めくくった。

MC終了後はアーバンギャルドも参加している12月17日にリリースされたムーンライダーズかしぶち哲郎のトリビュートアルバム『a tribute to Tetsuroh Kashibuchi ～ハバロフスクを訪ねて』より、ムーンライダーズ「スカーレットの誓い」のカバーをライブ初披露。更に2014年リリースしたアルバム『鬱くしい国』のリードトラック「さくらメメント」を演奏し、ライブを終了した。