【ライブレポート】BEGIN、「島に恩返しを」

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1990年3月21日「恋しくて」のデビューから満25周年の記念日となる3月21日(土)、地元・石垣島にある石垣市中央運動公園 屋内練習場特設ステージにてBEGINのワンマンライブが開催された。

◆BEGIN画像

石垣島でのワンマンライブとしては約6年4ヶ月ぶりとなるこの日を祝う為、全国各地から約3000名が集まり、石垣島がお祝いムード一色に染まっていた。今回のアニバーサリーライブは「島に恩返ししたい、島で皆さんとお祝いがしたい」というメンバーの言葉通り、メンバーの同級生はじめ、地元の方々といろんな場面で手作り感あふれるアットホームなライブになっている。


“音楽公園”と称されたエリアにはメンバーお勧めの付き合い深い店が軒を並べ、オリオンビールや八重山そば、オニササ(おにぎりと鶏ささみフライ)とオッポー(おにぎりとポーク(スパム)てんぷら)など地元の名物惣菜でオーディエンスも腹ごしらえ、BEGINがK.ヤイリと共同開発した弦楽器“一五一会”教室も行われ、開演前からすでに楽しめる会場となっていた。

ステージ上には、さとうきびで作られた「BEGIN」の大きな文字。実はBEGINメンバーの手作りだという。「デビューする時は3人だけだった」と、当時を思い出しながら自分たちの名前を自分たちが育った地の慣れ浸しんだ名産物で作り上げた。会場にほのかな、キビの匂いが漂いなんとも“らしい”ステージが完成していた。


1部オープニングは、沖縄からはるか遠くカントリーの聖地:アメリカ・ナッシュビルでレコーディングした、まさに「NASHVILLE」からスタートとなった。3人だけの抜群のコーラスワークが会場に響き渡り、この曲だけはピアノの上地等もギターを抱え、3本のギターでのパフォーマンス。これ以上ないくらいのお祝いムードの中、ライブスタート。


「みなさんようこそ、そしてただいま!皆さんのおかげで25周年をこの石垣島で迎えることができました。本当にありがとうございます!」という第一声に、会場からは割れんばかりの拍手が贈られた。

そこから自分たちの25年の1歩1歩を確かめるように、デビュー曲「恋しくて」、まさにその景色が石垣にある「防波堤で見た景色」、ライブでは欠かせない「オジー自慢のオリオンビール」や「涙そうそう」まで、まさに老若男女、そして会場全体が一緒に楽しめる内容で進行、また「イラヨイ月夜浜」では、高校の同級生で八重山の唄者大島保克とセッションが繰り広げられた。


1部本編最後に設けられた「いちゃりば結コーナー」では、比嘉栄昇のプロデュースで沖縄県の観光ソングとして誕生した曲「いちゃりば結」の石垣島バージョンの歌詞募集で入賞を果たした一般の方もステージに登壇した。BEGINをバックに自身で結んだ歌を披露し、1部が無事終了となった。

しばしの休憩を挟んで後半がスタート。前半の島メインの雰囲気から、一気に海を渡った2部の1曲目は、沖縄からハワイへ渡った移民の方々に沖縄が戦後、助けられた実際の出来事をつづった“ウルマメロディ”をフラ(ハワイ)と琉球國祭り太鼓(沖縄)のコラボで華やかにスタートを切った。


沖縄からハワイ・ブラジル色の楽曲をつないでいく。ブラジルへ渡った移民の方々のメンバーが実際に話を聞いて仕上げた「帰郷」、507号線までしかない国道に架空の508号線をイメージ、世界中どこにでも道はつながるんだという希望を込めた「国道508号線」、ブラジルの代表料理を題材にした「Churrasco(シュハスコ)」など、国は違えど沖縄から渡った移民の皆との心のつながりも背景に感じさせるラインナップが空に溶けこんでいく。

ブラジルのサンバのルーツミュージック、マルシャコーナーでは、自身の曲を打楽器の2拍子のリズムに乗せてのマルシャアレンジ、会場全体をステージに見立て、大人も子供も縦横無尽に踊り出し、マルシャテイストのオリジナル曲「バルーン!」では天井から1000個の風船が色とりどりに舞い、会場がさらに一体となっていく。

本編最後は代表曲「三線の花」、「島人ぬ宝」を琉球國祭太鼓の方々と締めくくり、世界をめぐった旅から再び沖縄の地に舞い戻る構成となった。アンコールでは「ボトル二本とチョコレート」は現地の中学生のブラスバンドとセッション、「かりゆしの夜」では会場中がカチャーシーで揺れたあとに、メンバーが思いを紡ぐ。

「子供のころは石垣島って狭い島だなって単純に思うこともありましたが、今は石垣に生まれて本当によかったなと思います。」──上地等

「同級生や先輩、後輩、いろんな人に囲まれて、外の屋台も手作りで作ってくれて、BEGINの3人はいろんな人に恵まれているなと、それとファンのみなさんにも恵まれているなと思います。」──島袋優

「この度、石垣島に住民票を移しました。25周年を祝うとともに、石垣島に帰ってくることができました。25年前は、テレビとかに出て、島とは違う人生が待っているんだなと思いましたが、今、振り返えると、都会の絵の具に一切、染まることができなかったなと思います。これから僕は、石垣島から全国ツアーに出かけます。島の若いミュージシャンの為にも、音楽を盛り上げる為にも僕らができることをやって行こうと思います。僕らは皆さんにとってもふるさとになるようなライブをこれからも作っていきます。どこに帰っていいかわからない時があったら、ここ(BEGINのライブ会場)に帰ってきてください。」──比嘉栄昇


最後の曲は「パーマ屋ゆんた」だった。だれもが経験する旅立ちの中で、島を離れる主人公を見送る側、そしてその裏にある見送られる側の気持ちを交差させた切ない名曲をもって、4時間を超える25歳の誕生日ライブは幕を下ろした。

3月29日(日)には、25周年に至るまでの1年を密着した特番「ダイワハウススペシャルBEGINの音色旅団~デビュー25年目の真実~」がBS朝日にてオンエアーされる。4月3日(金)には、テレビ朝日「ミュージックステーション3h SP」生出演、翌4日(土)フジテレビ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP 2015 直前SP」にも出演予定だ。


<BEGIN 25周年記念音楽公園~石垣島で会いましょう~>

1部
1.NASHVILLE
2.東京OCEAN
3.恋しくて
4.いつものように
5.NO MONEY BLUES
6.声のおまもりください
7.防波堤で見た景色
8.イラヨイ月夜浜 (w/大島保克)
9.爬竜舟
10.竹富島で会いましょう
11.オジー自慢のオリオンビール
12.オバー自慢の爆弾鍋
13.涙そうそう
14.いちゃりば結コーナー
休憩/15分
2部
15.ウルマメロディー(w/フラチーム・琉球國祭り太鼓)
16.海の唄
17.パナマ帽をかぶって
18.帰郷
19.国道508号線
20.砂糖てんぷら
21.Churrasco (シュハスコ)
22.マルシャコーナー
「太陽のチルドレン」~「流星の12弦ギター」~「バックミラーの潮騒」~「YOU」~「白い魚と青い魚」~「愛が走る」~「誓い」~「風よ」~「OKINAWAN SHOUT」~「ハイサイCalifornia」~「ほほ笑みに続く道」
23.バルーン! (w/宮城姉妹.ブラスバンド) *未発表曲
24.三線の花 (w/琉球國祭り太鼓)
25.島人ぬ宝 (w/琉球國祭り太鼓)
アンコール
26.ボトル二本とチョコレート(w/石垣第二中学校ブラスバンド40名)
27.かりゆしの夜(出演者総出演)
28.パーマ屋ゆんた

<BEGINテレビ出演>

●3月29日(日) BS朝日「ダイワハウス スペシャル BEGINの音色旅団~デビュー25年目の真実」OA   21:00~
●4月3日(金) テレビ朝日「ミュージックステーション3h SP」  19:00~
●4月4日(土)フジテレビ「HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP 2015 直前SP」 (関東地方のみ) 10:45~

<BEGINLIVE>

●4/25(土)『ヤイリギター80周年Anniversary Concert』@岐阜県・可児市文化創造センターala主劇場
●4/26(日)『ARABAKI ROCK FEST.15』@みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく
●5/10(日)『岩船山クリフステージ#15 BEGIN LIVE』@栃木県・岩船山クリフステージ
●5/16(土)『シンフォニック・エヴォリューション』@京都コンサートホール大ホール(比嘉栄昇のみの出演)
●5/24(日)『Green room Festival 15』@赤レンガ倉庫前 出演決定
●6/6(土)~7(日)開催『頂-ITADAKI-2015』@静岡・吉田公園特設ステージ *出演日は後日発表
●6/27(土)『沖縄からうた開き!うたの日コンサート2015 in嘉手納』@沖縄県・嘉手納町兼久海浜公園

◆BEGINオフィシャルサイト
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