【インタビュー】B'zサポートベースのバリー・スパークス、新バンド結成「メタルじゃなくて、クラシックハードロック」

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■マイクとバリーの2人でやっているっていうところは
■B'zのTakとKoshiにも似てるかもしれないね

──いくらバリーでも、ギターはピックで弾くんですよね?

バリー・スパークス:アコースティックとかフラメンコっぽいプレイはフィンガーピック(指弾き)だけれども、普通はピックで弾くよ(笑)。

──ベースではピックで弾くことはあるんですか?

バリー・スパークス:ピックでも弾くよ。イングヴェイと演った時は、イングヴェイに「ベースプレイヤーはピックで弾かなきゃダメだよ」みたいに言われたから、「じゃあそうするよ」って演っていたけど、むしろピックのほうが簡単。リッチー・ブラックモアのオーディションを受けた時は、ちょっと複雑なクラシックっぽい課題曲が送られてきて「これにベースフレーズをつけて」って言われたんだ。朝までかかって音を入れたんだけど、それは、「全部指で演ったとは思えない!」ってリッチー・ブラックモアにびっくりされた(笑)。

──バリーはほとんど指弾きですよね。

バリー・スパークス:だいたいは指かな。B'zでも曲によってはブリッジの近くでグリグリとピックで弾くほうが良かったりする時もあるから、そういう時にピックを使うけど。でも自分はフィンガーガイだと思っている。スティーブ・ハリスもゲディー・リーもフィンガーだよね。

──ゲディー・リーといえば、12曲目の「Consequences」などはラッシュっぽさを感じました。

バリー・スパークス:それは興味深いな。自分の中ではレインボーの「スターゲイザー」の感じなんだ。あれはディストーションペダル…TDCのCREAMY DRIVEを使っているんだよね。本当はギター用ペダルなんだけど、ゲディー・リーも使っているよ。クリーミードライブだけだとあんまり良くないから、チャンネルを分けてT-REXペダルとミックスするんだ。TDCはEQをいじれるけどあんまりブライトな音が出なくて、ちょっとウォームな音が出る。2曲目の「Out of Sight」とかはけっこうクリーンなトーンでやってるかな。「Consequences」とか「Alba Patera Suite」みたいなインストではベース単体で聴くとブオンブオンした音なんだけど、セパレーションさせて音作りするとすごいファットないい音が出る。アンペグSVTのああいう音を出したかったから。「ハイウェイスター」的な。「Alba Patera Suite」では、クリス・スクワイアがミュートロンを使ったようなサウンドに挑戦したよ。

──好き放題楽しんだようですね。

バリー・スパークス:「Alba Patera Suite」は自分のノートPCで聴いてもベースの音がすごくよく聴こえたから嬉しかったな。ベースの音って、あんまりよく聴こえないことが多いでしょ? このアルバムに関してはベースの音色にはすごくこだわったからね。あとからベースだけ全部撮り直していたりもするから。

──アルバムにはB'zの稲葉浩志もブルースハープで参加していますけど、この経緯は?

バリー・スパークス:「Movin' On」は、もともとスライドギターが入っていて、エアロスミスっぽい感じのフィーリングを持ってた曲だったんだ。でもだんだんとハーモニカの音が聴こえるような気がして…スティーブン・タイラーが吹くような、ね。で、Koshiもそういうプレイができる人なので、やってもらおうかなと思った。もう、スライドギターを全部抜いて、Koshiに渡したんだ。

──バリーがイメージしていたハーモニカのニュアンスは、ちゃんと稲葉さんにも伝わっていましたか?

バリー・スパークス:頼む時には、絶対伝わっている…というか「聴いたらわかってくれる」っていう確信があったから、「もう好きなようにやってください」ってお願いしたよ。B'zでも「Don't Leave Me」でハーモニカを吹いているけど、どうやってやってるのかな?ってぐらいカッコいい。だから全く不安はなかったな。

──このアルバムを披露するようなライブの予定はないんですか?

バリー・スパークス:すごくやりたいよね。ライヴをやるとしたら、俺はベースをやったほうがいいのか、ギターをやったほうがいいのかがすごく迷う。想いを込めた自分のものっていう感じのソロもあるから、それを自分が弾かないのはちょっと心苦しいなあ。

──まずはベースとギターのダブルネックで(笑)。

バリー・スパークス:ははは(笑)、俺たちはニューバンドだけど、マイクとバリーのふたりでやっているっていうところは、ちょっとB'zのTakとKoshiにも似てるかもしれないね。Takが風景を描いてそこにKoshiが詞を乗せてくるという組み合わせも、共通するところかもしれない。自分がギターを弾く時にメロディックなプレイを心がけているのはマイケル・シェンカーから学んだところがあって、口ずさめるようなギターソロを目指しているんだ。彼はすごいテクニカルなことをしているけど、そこを気付かせない。なぜかって、メロディとしてみんな口ずさんでしまうからね。そういうのっていいよね。マイク・ヴェセーラは、アニメタルUSAとかイングヴェイでのパフォーマンスでメタル寄りのイメージがあると思うけど、このアルバムによってマイクの良さがいい形で出せたアルバムになったんじゃないかなって思う。ジャーニーが好きな人とか、アイアン・メイデンが好きな人とかは、絶対気に入ってくれると思う。

──B'zファンにとってバリーは頼れるベーシストなんですが、バリー・スパークスというアーティストは1970年代ハードロックの伝道者に見えてきました。

バリー・スパークス:その通りです(笑)。B'zの音楽ってすごく新しくもあるけれども、ある意味でそういう要素もたくさん詰まっていて、自分には惹かれる要素がすごくいっぱいあるんですよ。

──ぜひライオット・オン・マーズのライヴの実現を楽しみにしてます。

バリー・スパークス:まず初めとしてアコースティックショーだけでもやってみたいっていう話はしているけどね。僕も楽しみにしているよ。

取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也



■アルバム『First Wave』

2015.3.25 on sale
ZACG-9002 ¥2,500 + tax
01. Carry on
02. Out of Sight
03. Movin' On
04. Sacrifices
05. Prologue
06. This is the time
07. State of mind
08. All to Light
09. Chaotica
10. Wasted Days
11. What lies beyond
12. Consequences
13. Alba Patera Suite
14. Beggars day
15. Rose in the Heather
All Music by Barry Sparks, All Lyrics by Michael Vescera

◆バリー・スパークス オフィシャルサイト
◆Riot on Mars オフィシャルYouTubeチャンネル

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