【最速インタビュー】geek sleep sheep、2ndアルバム完成「3人の人間性がすごく出ている」

■たぶん一生歌わないだろうなっていうことを
■歌えているんで、楽しいです──345

──そんなgeek sleep sheepですが、「geek sleep sheepってどんなバンドですか？」と聞かれたらなんと答えるんですか？

345：…えっ？（笑）。

momo：あははは。気抜いてた（笑）。

──みなさん、ひとりずつお答えいただきますよ（笑）。

345：え～？　なんだろう……？

yukihiro：オルタナです。

──うまく逃げたな（笑）。

momo：…じゃあ、シューゲイザーバンドです（笑）。

──とってつけたな（笑）。

345：ニューウェーヴ。

──資料を読まないでください（笑）。3人の共通している音楽性ってどのあたりですか？

momo：まあ、やっぱりニューウェーヴ、グランジ、オルタナ、シューゲイザーあたりを、もっとそれぞれ幅広い中で…。うーん、あんまり意識してない部分かもしれないですね。

yukihiro：聴いた人にはどう感じてもらってもいいんですけど、僕らから「こういう音楽やってるんです」っていうのを言葉で言うのは難しいですね。

momo：完全に決めつけたくないっていうのもあると思いますけどね。スタイルだけじゃなくてやっぱり3人の人間性みたいなものがすごく出ているバンドだと思うので、ジャンルで言っちゃうとちょっと違和感がありますね。

──レコーディング自体は順調だったんですよね？

momo：はい。今回は産みの苦しみの記憶があんまりないんですけど（笑）。あれ？あれ？っていうぐらい、すぱんすぱんとハマっていった。「ですよね」「ですよね」って感じで（笑）。

──それは凄い。

momo：やっぱりgeek sleep sheepで出したいって思っている方向性が一緒だったんでしょうね。だから自分がアレンジで迷っているときにyukihiroさんと345ちゃんに意見を聞いたりして、それが僕のイメージと全然違っても「じゃあちょっと委ねます」っていうことも多かったし、そのへんの信頼もすごくありました。

──「happy end」も歌詞が途中で変わったと聞きましたが。

345：はい。ちょっと、こう…ひとりの女の子というよりは対象を広げた感じにしたって言ってましたよね。

momo：たまに「これ、345ちゃんのキャラじゃないけどあえて歌ってみませんか」って提示する時があるんですけど、「happy end」はそういう曲。明るくてちょっとおバカな歌詞を最初つけてたんですけど、そうするとあまりにも一人称だったので、これはもしかすると345ちゃんの音楽活動に悪影響かなと（笑）。

一同：あはは（笑）。

momo：私の歌っていうより、345ちゃんが物語を歌ってる風に変えたんです。最初すごいイヤそうでしたけどね（笑）。

345：あははは。プリプロやった時は「いや、これ大丈夫かな？」って思ってた。

momo：キャラじゃないってことでしょ？

345：そうそう。このポップでかわいらしい感じはいいんだろうか？って（笑）。

──バンド内でのせめぎ合い、いいですね。普通だとなかなか出てこない世界観がきっと生まれるんだろうな。

momo：おもしろいですよ。345ちゃんの歌う歌詞を考えるのって。

──遊ばれてるのかな？

345：あ、そうなんですか？（笑）。でも、たぶん一生歌わないだろうなっていうことを歌えているんで、楽しいです。

momo：1stアルバム『nightporter』の時とかは、歌詞を読んで顔が険しい顔になってた（笑）。

345：「この歌詞すごいな」って（笑）。momoさん、こんな歌詞も書けるんだっていう。ほんとに女の子が書くような歌詞とかもある。物語を作るのが上手いなっていう。

momo：作詞家さんの気分で書けるというかね。

──アルバムになるにあたって、曲順はどういう風に決めたんですか。

345：ふふふふ。メールのやり取りで（笑）。

momo：はい。けっこうギリギリでしたね。

──どんな意見が交わされたんですか。

yukihiro：まず345ちゃんが曲順大臣なんで。

345：あははは、曲順大臣（笑）。で、momoさんがちょっと違うパターンのを出して。

momo：で、最終的にyukihiroさんがそれをまとめて。さすがリーダーって感じの（笑）。

yukihiro：いちばん最後に後出しして勝っちゃったみたいな。ちょっとズルかったかな（笑）。

345：いえいえいえ（笑）。

momo：もう必ずこの流れにしましょうよ（笑）。

──曲順でアルバムの景色が変わってくるでしょう？　何を大事にしたんでしょう。

yukihiro：流れですよね。とりあえず僕はこういう順番考えようっていう時は最初と最後を考えて、間を考えていく感じ。あと、ふたりが出してくれた曲順もあったんで、こういう流れがいいと思ってるんだっていうのも参考にして。345ちゃんには迷ったなっていう痕跡があったんで（笑）。

345：バレるなって思いました（笑）。4日間ぐらいずっとそのことを考えてた（笑）。

──現実はシャッフルで聴いたりもするんですけど、それでもいいですか？

yukihiro：聴く人の自由だと思います。並べ替えてもらってもいいですし、毎回シャッフルで聴いてもいいでしょうし。ただ、まあ、これは定位置としてあるというか、『candy』はこういうアルバムですよっていう曲順ですね。

momo：洋楽とか全然聴いてない10代の子がgeek sleep sheepの曲を聴いたらどういう風に感じるのかは聞いてみたいな。

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各楽曲はレコーディングやリハーサルの中で積極的に姿形を変えながら誕生してきたが、レコーディングは極めて順調に進んだ。2014年12月から2015年3月にかけて、3人のスケジュールが合う時を見計らってレコーディングを敢行、リズム録りは8日、ダビング／Vo録り／シンセ作業／プリプロ／マスタリングといったそれ以外の作業に6日、トラックダウンに8日という全行程を22日で完了させている。

エンジニアには、9mm Parabellum Bullet、赤い公園、ACIDMAN、the telephonesなど、日本のロックシーンを彩る数々の作品を手掛ける日下貴世志（くさかきよし）氏がレコーディングからミックスまですべてを担当、エッジの立ったそのサウンドは、2015年の感性で再構築された、シューゲイズ・オルタナティヴなグランジサウンドが渦巻いている。

取材・文◎BARKS編集長　烏丸哲也








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