【インタビュー】Crack6、破滅と再生を描く作品に「それでも花は咲いてほしいんです」

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■宇宙のドラマと人間のドラマは
■同じなのかもしれないと思ったんです

──それとアルバム唯一のバラード「白い百合の咲く丘で」はギターを含めて、今までにないアプローチです。

MSTR:僕の関わってきた曲……作曲や編曲にしてはサビの部分で、こういうハモりパートがないバラードは珍しいですね。弾き語りの感覚で作った曲で歌詞は女性目線。「飛桜花」とは違う形の愛を表現したかったんです。こういう歌をうたうのは以前はテレくさかったし、曲調も「これCrack6?」って思うぐらい爽やかだと思うんですけど、今後はこういう雰囲気の曲もアリかなと思ってます。実はいちばんチャレンジした曲。「Change the World」ならぬ、“Challenge the World”ですね(笑)。

──くくっ(苦笑)。歌詞は今はもういない“あなた”への想いを歌った曲でもあり、新たな生命の息吹を感じさせるという。

MSTR:曲のはじめは、この主人公が愛する人は誰なんだろう……父親かもしれないし、母親かもしれないし、恋人かもしれないし、夫かもしれないって想像すると思うんですけれど、間奏の後に“あなた”の存在が具体的になっていくという。詞を書きはじめた頃はもっと抽象的だったんですけれど、歌詞を共作した(大久保)英紀の提案もあって、こういう形になりましたね。聴く人によって解釈が違ってもいいかなと思っていますけどね。

──歌モノでもあるので、PENICILLINでカバーアルバムを作った影響もあるのかなと思ったんですが。

MSTR:多少はあるかもしれないですね。「飛桜花」と「白い百合の咲く丘で」は身近に感じるテーマの曲だけど、宇宙のドラマと人間のドラマは同じなのかもしれないと思ったんですね。特にこの曲の歌詞は愛する人がいなくなっても次の世代に希望(子供)を託すという、『Change the World』という作品のテーマにも沿っていると思ったので。

──ギターの音色、フレーズでこだわったところは?

MSTR:この曲は全部エレアコ(エレクトリックアコースティックギター)で録ってるんですよ。だから、こんなにキラキラしたクリスタルな音が出るんですね。エレキをアコースティック風に加工するでも、アコースティックにピックアップを付けて録るでもない。エレアコならではの特性が出ていると思います。’80年代から’90年代にかけて流行った音で、ピエゾピックアップなのでブリッジから来る音の固さがうまく出ていますね。

──そこも新たな試みですね。ではラストの「THE END OF THE WORLD」は?

MSTR:これは当初、暗い曲を作りたかったんですよ。さっきの「白い百合の咲く丘で」と対比させた黒百合みたいなイメージの曲をね。また世界は壊れていくっていう曲ですね。でもね、同じ破滅でも「Catastrophe666」ではひたすら突然の横殴りに訪れた破滅に対応できずといった感じで歌っていますけど、「THE END OF THE WORLD」では“滅び行く地球、それでも夢追うよ”って無力ながらも一生懸命良くしようと歌っていて。

──ただ、この曲には一片の希望がありますよね。

MSTR:そう。それでも花は咲いてほしいんですよね。ギリシア神話に出てきたパンドラの箱のように最後に残っている希望だけは失いたくないっていう。だから、同じ“終わり”でも「Catastrophe666」とは違うんですよ。ちなみにこの2曲はイントロのアルペジオフレーズが同じなんだけど、キーが違うんです。もっというと1曲目はSHIGEさんが弾いていて「THE END OF THE WORLD」は僕が弾いています。

──“荒野に咲いた 花のようなストーリー”という言葉がアルバム全体を総括していますよね。

MSTR:その意図を汲んでいただけたら嬉しいですね。

──あとギターは泣きのソロ。

MSTR:そう、珍しく。「泣きのソロ弾けるんだ、俺。意外と表現出来ていて上手いな」って(笑)。

──ホントにいろいろな発見が散りばめられてますよね。

MSTR:確かに音楽的にも挑戦してますね。チューニングを2音下げたのもそうだし、エフェクティブなことをしていたり、エレアコだけの曲があったり。

──確かに。先に出来ていた2曲は最初からボーナストラックにしようと思っていたんですか?

MSTR:いや、制作期間の後半に決めましたね。歌詞に関してはテーマに沿ってどこかに必ず“花”を入れました。【ライブ会場限定盤】のJIROさん作曲の「東西南北Crack6!!!!!!」は彼独特の明るさが出ていますね。“Count 1”、“Count2”って叫んでいるのもJIROさんだし、ライブを意識した曲。【通常盤】に収録されているTENJIくんの「RISING SUN」はボーナストラックとは言えど、「THE END OF THE WORLD」との繋がりがある曲です。世界が終わった後に再生して陽はまた昇るっていう。

──映画に例えたらエンドロールの部分みたいな?

MSTR:そうですね。ストーリーの終わりが「THE END OF THE WORLD」で、テロップが流れる部分が「RISING SUN」だと思っていただければ。

──では最後に6月7日からスタートする<Crack6 12th Anniversary TOUR「Change the World」>についてメッセージをお願いします。

MSTR:今回はテーマに沿った曲たちなのでアルバムの流れも取り入れつつ、盛り上げるところは盛り上げて聴かせるところはしっかり聴かせるライブにしたいですね。“キタ! これぞCrack6!”という王道感もありつつ、“これは新しい!”って。いつもの自分たちと新しい自分たちを両方感じてほしい。でも、基本的には最初に話したように“LIVE=生きる”なので、みんなで楽しみましょう。10年後はどうなっているのかわからないけれど、今、生きていることを感じてほしいですね。具体的にはタオルを振り回すことがけっこうあるかも。あとは…ギャグとかが出るかどうかはわからないですけど(笑)。

──ふふ。ギャグは当然、期待しています。

MSTR:ははは。その場にならないと何を言い出すかわからないっていうアドリブ的なね。あと、TENJIくんがYouTubeでショッカーの恰好をして新曲の振りをレクチャーしているのがツアー前にアップされると思うので、よかったらチェックしてライブにぜひ遊びに来てください(笑)。

取材・文◎山本弘子





■ミニアルバム『Change the World』

2015.6/3(水) 発売
【ライブ会場限定盤(CD ONLY)】SRPM-2003/L ¥2,000(本体価格) + 税
M1. Catastrophe 666
M2. Re-Born
M3. Change the World
M4. 飛桜花
M5. 白い百合の咲く丘で
M6. THE END OF THE WORLD
M7. 東西南北Crack6!!!!!! (Bonus Track)

【通常盤 CD ONLY】SRPM-2003 ¥2,000(本体価格) + 税
M1. Catastrophe 666
M2. Re-Born
M3. Change the World
M4. 飛桜花
M5. 白い百合の咲く丘で
M6. THE END OF THE WORLD
M7. RISING SUN (Bonus Track)

■<Crack6 ワンマンツアー 12th Anniversary TOUR「Change the World」>

15.6/07(日) SHIBUYA-REX <CLUB NEO 限定LIVE>
15.6/13(土) 大阪 RUIDO
15.6/14(日) 名古屋 ell.SIZE
15.6/20(土) 西川口 LIVE HOUSE Hearts
15.6/21(日) 柏 ThumbUP
15.7/05(日) TSUTAYA O-WEST
各公演 OPEN 17:30 / START 18:00 / END 20:00(予定)
【チケット】
All Standing ¥5,400(税込) 発売中
・入場時別途ドリンク代が必要になります。
・ご入場には6歳以上からチケットが必要になります。
※6/7(日) SHIBUYA REX 公演はファンクラブ会員限定ライブの為、チケットの販売は終了しました。
(問)サイレンエンタープライズ  TEL.03-3447-8822(平日12:00~18:00)br>

■イベント<「Crazy Monsters」~HALLOWEEN PARTY 2015~>

15.10/24(土) 新宿ReNY
OPEN16:00 / START 16:30
出演:Crack6 / ALvino / DASEIN / C4 / S.Q.F / wyse / 矢田 耕平(司会)
【チケット】
All Standing ¥5,500(D別) 15.7/25(土)発売
15.6/7(日)11:00~15.7/6(月)23:59にてゲットチケット先行予約受付(※先着順になります)
・チケットぴあ http://t.pia.jp TEL.0570-02-9999 Pコード:264-730
・ローソンチケット http://l-tike.com TEL.0570-084-003 Lコード:71095
・イープラス http://eplus.jp
<GET TICKET先行予約受付>
●受付期間:2015.6/7(日)11:00~2015.7/6(月)23:59 ※規定枚数になり次第終了致します。
●受付について
・お申込みはディスクガレージ インターネットチケット販売サイト『GET TICKET』をご利用頂きます。
・初めてご利用の方は、『GET TICKET』への会員登録(無料)が必要です。
・その他詳しくはお申込みページにてご確認下さい。
・本受付は、必ずしも優先的に良いお席・整理番号をご用意するものではありませんので、予めご了承下さい。
申込ページ【PC・携帯・スマートフォン共通】 http://www.getticket.jp/g?t=qbnhxgy
※ディスクガレージおよび『GET TICKET』ホームページからはお申込みできません。
必ず上記申込ページURLよりアクセスして下さい。
●お申込後の住所変更・申込内容確認
<PC・スマートフォン>http://www.diskgarage.com/getticket/support.html
<携帯>http://k.getticket.jp/cs/
(問)ディスクガレージ TEL.050-5533-0888(平日12:00~19:00)

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