【インタビュー】Charisma.com、“OLコンセプト”の最新作は最高＆最強にして「おまけにこれが最後です。」

■いいよいいよ～もっとやって～
■ばっかじゃないのぉ～っていう（笑）

──ちなみに、タイトル『OLest』は、OLの最上級ですか？

いつか：そうです。タイトルどうしようかと思って、OLがコンセプトなのははっきりしてるんだけど……うーん……estつけちゃおう！って。まぁ、私たちが最上級のOLですと言ってるわけではなく。ま、みなさんそんなの見りゃわかるよって感じだと思うんですが。

──ええ、丸の内のオフィス街あたりにはいなそうですしね。

いつか：はい、こんなやついないでしょう、丸の内には。だから最上級のOLという意味ではなく、Charisma.comが打ち出すOLコンセプトの作品として、今作は最高で最強だという意味なんです。おまけにこれが最後です。

──なんと、OL三部作だったんだ。

いつか：飽きっぽいんで、もういいかなと。すぐ飽きちゃうんです。

──そして完結。

いつか：でも、1stアルバムのときはそんなに意識してなかったんですよね。

ゴンチ：そんなにOL目線の曲はなかったもんね。OL臭はあんまりしなかったと思う。「OLHERO」ぐらいでしょ？

いつか：キャッチコピーに“現役OL”っていうのがあって、そこで背負ったんだな、たぶん。それで2作目で深めに潜った感が出たんです。

──ただ、アルバムを3枚作ったことで、OLとしての視点の変化がちゃんと記録されたのは事実で、そこで自らの成長を確認することもできたでしょう？

いつか：そうですね。年を重ねれば見え方が変わってくるなっていうのが、今回作ってみて改めてわかったことでもあるんです。同じように見ているつもりでも、「お局ロック」は若い時の私じゃ書けなかったと思う。前は「怖いなぁお局……」って思ってただけだったから（笑）。だから会社員を続けてたら続けてたらで、いろんなことを書き続けられると思うんです。ただ、正直言うと、Charisma.comでアーティスト活動をしていく上で、OLであることは自分たちではさほど重要だとは思っていなくて。

──実は以前からそうなんですよね。

いつか：はい、たまたま目の前の出来事を曲にしていったらOL視点の曲が出来てきただけで。ただ、今回はメジャーからアルバムをリリースするということで、より多くの人に聴いてもらえるんじゃないかっていう期待もあって、わかりやすい形で伝えたいという気持ちがあったんですよね。

ゴンチ：はじめてコンセプトアルバムができて、やっぱりこれは伝わりやすいんじゃないかと思うんですよね。いっちゃん（いつか）っぽくストレートに言ってる曲もあれば、やさしいところもちゃんと出てます。「お局ロック」とか、「超絶に胸が痛んでいるあなたの上司」とかもそうです。かつて「イイナヅケブルー」で、同じ上司に対してクズとか言ってたけど（笑）、今回はちゃんと真実に手が届いてるというか。

──うん、踏み込んだ表現が多いです。

ゴンチ：深いところの感情を気づかされるというか。それが前作、前々作との違いかなと思います。トラックの印象がバラバラなのも飽きないですよね。最後に「黄昏各位」があるのが、個人的にはたまらなく好きです。

──なんてせつない曲なんでしょう「黄昏各位」。でも自己完結してるんだなぁ。黄昏れてる自分、ばっかじゃない？って（笑）。

いつか：そうそう、陶酔してんじゃねーよって思っちゃうから（笑）。浸ってる人、すごいイヤ。って言っちゃった!?

ゴンチ：言っちゃった（笑）。

いつか：でも、学生時代は私もそうだったんですよ。何悩んでたんだか知らないけど、真っ暗な部屋の真ん中にぽつんと座ってたりして。浸ってたのかどうかもよくわかんないけど。そういうのを思い返すと恥ずかしいですし、今でも周りの友達見てても酔ってんな～みたいな。

──ただ、聴いて泣く人、いるかも。

ゴンチ：わかる！だってほんとに泣きのメロディですもんね（笑）。歌詞をちゃんと聴かなければ、それこそ浸れる曲になりえる。

いつか：そこは狙ってなかったですけど、それはそれで、まぁ、いいのかな（笑）。小馬鹿にしていることに気づかない人がいても。

──ああ、それも言っちゃうのか（笑）。

いつか：結局ギャグじゃん、みたいな。ま、小馬鹿にしたいんですよね。こうだろ！っていう押し付け、抑え付けじゃなくて、いいよいいよ～もっとやって～ばっかじゃないのぉ～っていう（笑）。そういうのが聴いてて面白いかなって。ふざけたいって思っちゃったんです。

──悪意があるわけじゃなくて、よくよくその本質を見ると、ちょっとおかしくないそれ？って思うことが多いんでしょうね。

いつか：そうなんです。もちろん、わかる人だけわかってくれればって思ってるわけじゃないし、多くの人に聴いてもらいたいからメジャーから出すわけで。自分では「お局ロック」なんかもすごくポップに書けたなと思ってるんですよ。まぁ、聴いた人には攻めてるねって言われるんですけど。

──もしかして、今まで以上に評価が気になる？

いつか：はい、世の中でどんな風に受け取ってもらえるのかなって。自分でも手応えがあった作品なんで、すごく気になります。

──現実をディスってるように聴こえるけど、実はそこにある憂いをちゃんと汲み上げていたり、スパイスを効かせるように少しだけ視点を変えていたりと、ちょっと斜めから見ることで、Charisma.comはより楽しめると思うんですよね。はじめて聴く人が、そこを面白がってくれるといいな。

いつか：（うんうん！うんうん！）

──あ、無言で喜んでる（笑）。

いつか：はい（笑）。そのまま書いといてください！

──今作を引っさげてのライヴも楽しみです。

いつか：ツアーを10月にやるんですけど、こんなにコンセプトを固めたアルバムを作ったことがなかったんで、さてどうなるかな、と。

ゴンチ：ライヴではまだ「お局ロック」と「こんがらガール」しかやってないんです。全曲やったらどんな感じになるのかな？

いつか：音楽的印象というか、幅がもしかしたら広がるのかな。今までは速い曲やラップであおるタイプのライヴだったと思うけど、今度はゆっくりな曲が入ってきてどんな風な見え方をするのかは自分でも楽しみですね。コンセプトにのっとったライヴにしたいので、他にどの曲を入れるかっていうのも、これからじっくり考えたいと思います。ぜったい観に来てくださいね。

　　◆　　◆　　◆




◆Charisma.com オフィシャルサイト