【ライブレポート】sebuhiroko（世武裕子）、渋谷WWWワンマンで見せた自由自在な情景の旅

今年はミニアルバム『WONDERLAND』に加え、彼女が担当したフジテレビ系ドラマ『恋仲』のオリジナルサウンドトラックもリリースされるなど、プチリリースラッシュが続いたsébuhiroko。後半戦は『恋仲』メインテーマもこの日のスペシャルバージョンと称して披露された。バックにストリングス隊の演奏映像と音を一緒に流すという工夫をこらしたパフォーマンスだ。このストリングス隊は実際の楽曲収録時に演奏したメンバーが参加しているという。


弾き語りコーナーでは、sébuhirokoがスパイと並んで“大好きなもの”のひとつ“ちびまる子ちゃん”にまつわるカバーをと、「ハミングがきこえる」（TVアニメ『ちびまる子ちゃん』オープニング曲）を披露。さらに彼女が音楽の道に悩んでいた時、“歌ったほうがいい”と背中を押してくれた祖母へのバースデーソングとして毎年その日には1人でこっそり歌っているという「ハローハロー」を披露し、心に染みわたるような歌声を響かせた。

また、ダンサーをメインに据えたコラボに挑んだ「US」を経て、ライブは激しい不協和音からの四つ打ちへ至る「Stainless Steel Madness」へ。疾走感ある「Lost Highway」で突っ走ってから、ラストは彼女が「すごい好きだから最後に聴いてもらいたいと思います」とミニアルバム表題曲「Wonderland」で本編を締めくくった。


アンコールを経て再びステージに登場したsébuhirokoは、ここでもいきなり10分を超える大作「LONG GOODBYE」を披露。ミニマルループの上で移り変わっていくメロディはまるで一つのドラマのように情景を入れ替えていった。彼女は同曲について「アルバムに入れようと思ったんですけど、これを入れてしまうと“ミニ”じゃなくなるから。次のアルバムで入れたいけど」とコメント。彼女が好きだというLINEスタンプの“チラッ”というスタンプよろしく、先が気になるところだ。アンコールラストには花輪を被ったダンサー2人が「君のほんの少しの愛で」のPVと同じ衣装で再登場。同曲を演奏するsébuhirokoを観客ともども和やかなクラップで包み、この日のライブはお開きとなった。

sébuhirokoは来月11月20日にも大阪 digmeout ART & DINERにてワンマンライブ＜The Soft Hell Club special 燃える西のワンダーランド篇＞を開催する。大阪公演は東京公演とは演出も異なり、ドラマーにBOBOを迎えてのステージとなる。sébuhiroko VS BOBO の熱いステージも必見だ。

photographer : Tetsuya Yamakawa