【インタビュー】アレクサンドラ・スタン、日本のファンへの愛と感謝の気持ちを込めたアルバム『アレスタ』

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3月9日に約1年半ぶり3枚目となるニュー・アルバム『アレスタ』を発売したアレクサンドラ・スタン。日本での彼女のニックネームをアルバム・タイトルとした本作は、第1弾シングルとなったインナとの「ウィ・ワナ」、R&Bシンガー=モホンビと共演した「バランス」といった話題のコラボ曲が収録されているほか、ラテン、レゲエ調のトライバルなリズムとエレクトロ・ビートを掛け合わせたサウンドにアップデートされた新しいアレスタの世界が楽しめるものとなっている。今回、プロモーションと様々なイベント出演のため来日を果たした彼女は、これまで幾度となく日本を訪れていることもあり、すっかりリラックスしてご機嫌の様子。アルバムの内容から自身のスピリッツまで、たっぷり語ってもらった。

◆アレクサンドラ・スタン~画像&映像

■このアルバムは自分にとってスペシャルなものになっていて
■気分がハッピーになるし誇れるアルバムになっているわ


──1年ぶりの日本ですね?

アレクサンドラ・スタン(以下、アレクサンドラ):もう、第二の故郷に帰ってきたようなホッとした気持ちね。またこうやって帰って来てみんなに新しい曲、新しいアルバムを持って来られたのも嬉しいし、今回はBershka(ベルシュカ)とのコラボレーションだったり、大きいイベントにも参加できたり色々あって嬉しく思っているわ。

──今回のアルバムは、『アレスタ』という日本でのあなたのニックネームがタイトルになっていますが、どんな想いが込められているのでしょうか。

アレクサンドラ:日本のみんなからもらった愛を返したくて、感謝の気持ちを込めてこのタイトルをつけたの。みんなにはいつも本当にたくさんの愛をもらっているから。

──ちょうど一年前に来日した際にライヴを拝見したのですが(2015年3月26日恵比寿 The Garden Hall)、あなたが日本のファンにとても愛されているのがすごく伝わりました。それと同時に、歌もダンスも格段にレベルアップしていると感じたのですが、2ndアルバム『UNLOCKED』リリース以降はどのような活動をしてきたのか教えてもらえますか?

アレクサンドラ:ありがとう! 私も日本のファンのみんなを心から愛しているわ。『UNLOCKED』リリース以降は、とにかく曲を作っていたかな(笑)。日本向けに2曲をリリースして、夏にはトルコでもリリースしたり。インナとのコラボレーション(「ウィ・ワナ/アレクサンドラ・スタン&インナ feat. ダディー・ヤンキー」)も2015年の5月頃からスタートしていて、そうこうしているうちにアルバム制作にも着手しだして。作った楽曲の中から選んで、アルバムを形にしたのはつい1、2ヶ月前のことよ。


▲『アレスタ/ALESTA』≪初回限定盤≫


▲『アレスタ/ALESTA』≪通常盤≫

──今作は「グローバル・レコード」に移籍してから初めてのリリースになりますが、アルバムを作る上でどんな影響がありましたか?

アレクサンドラ:レーベルが変わるという環境の変化はあったけど、自分はもともと環境の変化に対応できる人間だと思っているの。色んな変化というものを、神が自分に与えた試練というか、宇宙から与えられた課題だと捉えて、それに適応できるようにしようとして今までもやってきたから。例えば、以前一緒に仕事をしていた人たちと、今回はレーベルの移籍もあって仕事をしないという状況にもなったんだけど、私自身、ものごとをポジティブな側面から見るようにしていて。今は、新しい人たちと新しい関係を築いて一緒に仕事ができる面もあるって捉えているわ。グローバル・レコードと契約してから8ヶ月なんだけど、その短期間の中でもうアルバムを1枚仕上げてリリースしたというのは、自分としても良くできたと思っているし、短期間にも関わらず、すごく良い作品になっているんじゃないかな。

──繰り返し聴くことで、色んな魅力が発見できるアルバムになっていますね。

アレクサンドラ:私もそう思う。聴くたびにいつも楽しんで聴けるし、自分の曲は全部大好きなんだけど、特にこのアルバムは自分にとってスペシャルなものになっていて、聴くと気分がハッピーになるの。自分でも誇れるアルバムになったと思ってるわ。

──前作は華やかで派手なトラックが多い印象でしたが、『アレスタ』はラテン調の「ココ・バナナ」やパーカッシヴな「アイ・ディド・イット・ママ」に代表されるように、デジタル・サウンドでありながらオーガニックな印象も受けました。

アレクサンドラ:そうね、色んな要素とビートを組み合わせていくというのは、今のトレンドというか、ムードなのかなって思う。トライバルなものだったりとか、「タラララララ~」って生の声を合わせて入れてみたりとか、「ココ・バナナ」だったらピアノとかギターをビートと合わせてみたりとかね。シンセを使ったエレクトロなものと、そうじゃないものをコンバインするみたいな。

──「ラ・フエガ」では日本の尺八のようなオリエンタルな音色が聴けますね。これはどんな楽器を使っているのでしょう。

アレクサンドラ:これはルーマニアの笛を使っているの。オリエンタルなウェーブを出せるようなもので。2015年あたりから、音楽だけじゃなくてファッションにもオリエンタルなもの、アジア的なものを取り入れるというムーヴメントは世界的にきてるんじゃないかなと思う。“バック・トゥ・ザ・ルーツ”っていうのかな。今回のアルバムにもそういう要素を取り入れているんだけど、100年くらい前は楽器にしてもそんなに機械的なものがなくて、歌も“ソウル”で歌っていたと思うの。それを取り戻したかったというか、要素として入れたかった。例えばDJなんかでも、ショーでただ単に機械をいじってDJするんじゃなくて、生で歌う人と一緒にやったりする人もけっこういるから。

──そんな中で、ご自分のサウンドをいかにアップデートしていくかということを常に考えているんですね。

アレクサンドラ:うん、自分は人としても常に向上したいし、音楽にしてもそう。色んな人と出会い、仕事をしていくと、やっぱり新しく出会った人の方が新しいものを持ち込んできてくれる。

◆インタビュー(2)へ
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