【インタビュー】Fuki Commune、メタリック&テクニカルな音楽性を核にアニソンを歌うFukiのソロ・プロジェクト

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LIGHT BRINGERでデビューを果たし、トップクラスの実力派シンガーとして注目を集めたFuki。LIGHT BRINGER在籍中にGacharic Spinのメンバーと立ち上げたDOLL$BOXXを筆頭に、LIGHT BRINGER活動休止後もSound HorizonやUnlucky Morpheusといった様々なプロジェクトに参加することで評価を揺るぎないものにした彼女が、Fuki Communeと名づけたソロ・プロジェクトをスタートさせた。その第一弾となるフル・アルバム『Welcome!』は彼女のルーツになっているメタリック&テクニカルな音楽性を核に据えつつ幅広い表情を見せていることが印象的。Fukiのさらなるスケールアップを予感させる一作に仕上がっている。

◆Fuki Commune~画像&映像~

■“ああ、自分の知っているFukiじゃなくなっちゃった”と思う人はいると思う
■でも私の軸の部分はブレてなくてメタルをルーツにした音楽性になっています


――まずは、ソロ・プロジェクトFuki Communeを立ち上げた経緯などを話していただけますか。

Fuki:元々アニメソングを歌いたいという想いが、ずっとあったんです。LIGHT BRINGER以降いくつかのプロジェクトに参加させていただいて、ソロでアニソン歌手を目指したいという想いからFuki Communeは始まりました。それとは別に、自分がソロをやるなら曲をMAO君(LIGHT BRINGER)に書いて欲しいと以前から思っていたので、MAO君には1年以上前から曲を作ってもらっていて。MAO君の曲でアニソンを歌えたら最高だよねという話をずっとしていたところ、今回TVアニメ『怪盗ジョーカー』のエンディング・テーマを担当させていただけるというお話をいただいて、それが実現しました。『怪盗ジョーカー』をイメージして作ったのが、「輝く夜へようこそ!」という曲です。私の想いを理解してくれるMAO君という存在や、事務所に所属する事となった経緯など、いろんなことが良い感じにかみ合って、私の夢だったアニソンシンガーになれてすごく良かったなと思っています。

――長年の夢が叶いましたね。「輝く夜へようこそ!」をシングルで切らずに、「輝く夜へようこそ!」も収めたアルバムを作ったのはなぜでしょう?

Fuki:リスナーとしての私もそうですけど、いっぱい曲が聴けるからシングルよりもアルバムのほうが嬉しいですよね。なので、お客さんに喜んでもらえるだろうし、Fuki名義で歌わせてもらっているゲームの主題歌もあるし、私がFuki Communeでやりたかったことを深く知ってもらいたいというのもあって、アルバムをリリースすることにしました。ただ、「輝く夜へようこそ!」は、配信販売だけしているんです。今風の形態ですよね、それって(笑)。


▲1st ALBUM『Welcome!』【初回生産限定盤】


▲1st ALBUM『Welcome!』【通常盤】

――たしかにアルバムというのは嬉しいプレゼントです。ということは、今回の1stアルバム『Welcome!』は「輝く夜へようこそ!」を核に据えることを見据えて制作に入ったのでしょうか?

Fuki:……何から決まっていったか、あまり覚えてないんです(笑)。ただ、今回のアーティスト写真を撮ったのが2016年の3月くらいだったんですけど、その時点で(衣装などを)『怪盗ジョーカー』のイメージにしたんです。シルクハットだったり、トランプを使っていたり。なので、「輝く夜へようこそ!」をアルバムのリード・トラック的な扱いにしようということは、わりと早い段階で決まっていたのかな。私の中でも今回のアルバムの中で一番思い入れが強いのは「輝く夜へようこそ!」です。初めてのアニメのタイアップ曲ですし、自分で歌詞を書かせてもらえたというのもあって、本当に感慨深い。これが毎週テレビで流れるんだぞという想いがすごく強かったです。

――Fukiさんのアニメ文化に対するリスペクトの深さを感じます。「輝く夜へようこそ!」は、歌の表情も絶妙ですし。

Fuki:分かっていただけましたか? そこも気を遣ったんです。アニメソングというのは、アニメ自体とリンクしているほうが良いと思うんです。私もアニメが好きなので、特にその想いが強くて。『怪盗ジョーカー』は年齢不詳の男の子が主人公で、原作は『コロコロコミック』に掲載されている小学生向けの作品なんですね。そういうことを踏まえると、“オラオラッ!”とカッコ良く歌い過ぎるのは違うんですよ。あと、女性視点の歌詞も合わないし。その辺を考慮して、ちゃんとマッチする歌詞が書けたし、マッチする歌い方ができたと思います。

――本当のアニメ好きでないと、なかなかそこまでいけませんよね。

Fuki:そうかもしれないですね。アニメに限らず、私は受け取り側やリスナーの視点を持つように意識しています。音楽について学校などで深く習ってきていないこともあって、そういうところが客観的な判断に繋がっていて、今回の「輝く夜へようこそ!」では特にそれを上手く活かせた気がしています。

――そう思います。それに、『怪盗ジョーカー』のエンディング曲を手掛けたり、ジャケットで新しいイメージを打ち出していたりしていますが、アルバム自体はFukiさんらしい内容で嬉しかったです。

Fuki:そう言っていただけると、私も嬉しいです(笑)。たしかに、『Welcome!』のヴィジュアルを見た時に、“ああ、自分の知っているFukiじゃなくなっちゃった”と感じた人はいると思うんですよ。でも、やりたい音楽の幅が広がっても私の軸の部分はブレていないので、今回もメタルをルーツにした音楽性になっています。それに、MAO君が作った曲がアルバムの多くを占めているというのも、その要因になっていると思いますね。LIGHT BRINGERで一緒だったMAO君は、私の癖とか、私の良いところ、それが活きるメロディーを分かってくれているんです。だから、MAO君にメインで曲を作ってもらえた事は正解だったと思います。

――メタリックだったり、マニアックだったりするサウンドとキャッチーなメロディーを融合させるMAOさんの曲はFukiさんに合いますよね。それに、彼ならではのトリッキーな転調を難なく歌う歌唱力はさすがです。

Fuki:たしかに客観的な耳で聴くとトリッキーに感じる時もあるけど、それは苦にならないんです。難しく感じることはほとんどなくて、特に意識しなくても歌えちゃうんです。

――そういう人は、なかなかいないと思います。

Fuki:『Welcome!』の曲は何曲かカラオケになるみたいなので、ファンの方に歌えるか試してみて欲しいです(笑)。

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