【インタビュー】UNLIMITS、アルバム『U』は「視野が広がった結果、心を開けて自由」

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■前作はまだ捉われてたところがあったのかな
■今作は本当に自由にやれたことが作品に出てる──石島

──そして大きなターニングポイントになったのが2013年、Jun Gray Recordsへの移籍だったと思います。2016年4月、レーベルコンピ『And Your Birds Can Sing II』のリリースタイミングにJun Grayさんにインタビューしたんですね。そのときにUNLIMITSが所属する経緯も聞いたんですが、当時はバンドとして“この先どうするか”というタイミングだったそうですね?

大月:ちょうど前にいたレーベルとの契約が終わって、「じゃあどうしようか?」という話になって。極論、それこそバンドをやめるのか、続けるのかと。バンドとしてはもう一回やっていこうと決めてじっくり次を探していこうぐらいに考えてたから、こんなにすぐレーベルが決まると思ってなかったんですよ。だからお話をいただいたときは、本当にいいタイミングだなと思いましたね。

▲石島直和(B)

──ましてやそのレーベルの特色も女性ボーカルバンドに特化したという、今までにないものでしたし。

清水:そういうレーベル自体も珍しいし、それをPIZZA OF DEATHでやるっていう面白さもあったし。そのレーベル内レーベルの第1弾で出せたのは自分の人生史にも残るぐらい、すごく誇らしいことだと思います。

──正直、UNLIMITSがPIZZA OF DEATHと組むことを知ったとき、結構衝撃を受けたんです。「そこがつながるのか! 何が起こるんだろう?」って。

大月:僕らが前にいたレーベルと180度真逆にいるようなレーベルだったので、確かにワクワク感は強かったですね。

──そして2014年にアルバム『アメジスト』をリリース。このアルバムに対するリアクションはかなり大きかったと思うのですが、皆さん的に手応えはいかがでしたか?

大月:今思えばですけど、PIZZA OF DEATH、Jun Grayと一緒だからできた1枚なのかなとも思うし、伸び伸びやらせてもらえてたとも今は思う。気負ってるとはまた違うんですけど、「よし、やってやるぞ!」っていう気持ちはすごく強かったですね。プレッシャーではなく、期待に応えたいっていう気持ちは強かったです。

──あのアルバムに対して皆さんは原点回帰という言葉を使っていましたが、実際に“再生”感が強くて、“第2のデビュー作”という印象の1枚でしたよね。

大月:いいですね、その“第2のデビュー作”っていう表現。

清水:うん。“再生”っていう言葉もピッタリで。

大月:いただきます(笑)。

──どうぞどうぞ(笑)。それくらいあの作品からは、また何かが始まる感を強く抱いたんです。2年経った今聴いてもまったく色褪せてないですし。しかも2015年は初のライブDVD『Film of The Amethyst Tour 2014』もリリースして、バンドとしてはさらに前進していく感が強まっている中で、2年ぶりのニューアルバム『U』が発売。前作が素晴らしかっただけに、どうなるのかと緊張しながら聴き始めたんですが、予想をはるかに上回る内容で。

清水&郡島:おーっ!

大月:言わせちゃってないですか? 大丈夫ですか?(笑)

──大丈夫です、本心なので(笑)。ぶっちゃけ、前作以上に好きなアルバムです。

全員:ありがとうございます!

清水:ここまでの流れでそう言っていただけると、本当に嬉しいです!

──実際、『アメジスト』というアルバムを超えるのは相当な苦労だったと思うんです。原点回帰という大きなテーマのもとに制作された前作に続くアルバムを、皆さんはどういうものにしようと考えてましたか?

大月:「次はどうしよう? 前とは違うものを作らなくちゃいけないんじゃないか? 新しいことをどんどん取り入れなくちゃいけないんじゃないか?」という気持ちが強すぎちゃうと良くないなというのは、たぶんみんな感じていて。だったら逆に今までどおりの自分でいいじゃん、自分でしかないわけだしって、そういう開き直りというか。僕の中では『アメジスト2』でいいんじゃないかなというのは思ってました。

清水:前作の原点回帰の中にはみんなに求められていること、例えばBPMが速い曲だったりUNLIMITSらしい哀愁のメロディを作らなくてはいけないというプレッシャーもちょっと感じていたんですけど、今作はその土台があって、またさらに上に行けた感はあるんですよ。自分自身もいろいろ経てきて、最近は他のアーティストに楽曲提供も始めて、そこでまたさらにいろんな音楽を聴くようになったことで自然と視野も広がって。そういうところも今回の曲作りには表れているかな。大月の言うように、そこはあまり深く考えずにもっとやっちゃえと。だから心を広く開けて制作できたかなと思います。

郡島:原点回帰の要素を含んだアルバムを作れたことは大きな自信にもなったし、その結果新しい作品を作るうえで以前よりもいいものを絶対に作れるという自信も強く持てました。

石島:前作はレーベル第1弾だったり原点回帰だったりして、悪い言い方をしちゃうと、そこでもまだ捉われてたところがあったのかなと。でも今回の作品に対してはそういう捉われるものがまったくないんで、本当に自由にやれたことが作品に一番出てるのかなと思います。それは楽曲の幅もそうですし、サウンド面もそうですし。特に今回は曲中にいろんな遊びが入ってるんですよね。「ナイトクルーズ」という曲では、途中でセッションぽいセクションもある。そういう遊びの部分も生まれるぐらい、楽曲に対して余裕ができたのかなと思います。

大月:今回のアルバムは5枚目なんですけど、初めて強迫観念がないアルバムなのかもしれない。

清水:うん、そうだね。

大月:言い方を変えれば、別にこのタイミングでアルバムを出す必要もなかったというか。誰に出せと言われて出してるわけでもないし。今までの4枚はいい意味で、タイミングも含めてこうしなきゃっていうのがいろいろあったんですけど、今回はそれがないんです。それは5枚目だからこそできたのかなと思います。

──言い方が悪いかもしれませんが、メジャーにいるときって、いろんなしがらみや「こうしてほしい」というオーダーもあったと思うんです。それに応えながら作品づくりを続けていたけど、それが前作で一旦解き放たれた。でも、原点回帰として自分たちらしいものを作らなくてはいけないということも、今思えば強迫観念になっていたかもしれない。だけど今作ではそういうものすらない、ありのままの自分たちを出せたと。

大月:そうですね。しかも、それまでの経験を全部プラスとして受け入れていて、どれも無駄にしてないというか。なので今は、そういう時期があってよかったと思います。

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