いきものがかりやSPYAIRなど、『銀魂』『NARUTO』主題歌アーティスト集結に13,000人が熱狂

Aqua Timez、SPYAIR、KANA-BOON、スキマスイッチ、いきものがかりなど、武道館やアリーナクラスのアーティストの名前がズラリと並ぶ＜ANI-ROCK FES.＞が7月16日および17日の二日間にわたって開催された。両日満員の6,500人、計13,000人が幕張メッセ イベントホールに集結した。

◆＜ANI-ROCK FES.＞ 画像

アニソンのフェスといえばアニソン・アーティストや声優の共演で開催されるケースが多いが、今回は『週刊少年ジャンプ』原作の人気アニメ『銀魂』と『NARUTO―ナルト―』の主題歌を担当したアーティストが集結した新しい音楽フェスということもあり、期待値も高くチケットは応募が殺到、即ソールドアウトしたとのこと。加えて、全国37ヵ所でライブビューイングも決定するほどの盛り上がりを本番前からみせていた。


初日のタイトルは【銀魂LIVE CARNIVAL 2016】だ。坂田銀時と万事屋の面々が繰り広げる物語を彩ったアーティストの競演。トップバッターで登場したCHiCO with HoneyWorksは1曲目「プライド革命」からオーディエンスを歓喜させる。「トップバッターはすごくすごく緊張しています」と言うCHiCOだったが「やっぱり『銀魂』と言ったらこの曲ですよね！」とアニメ『銀魂』放送開始当初のOP曲であったTommy Heavenly6の「Pray」のカバーで、会場を大歓声と熱で一体に。

続いて登場したのはAqua Timezだ。アニメ・タイアップ曲も多く、どの曲も彼らのパフォーマンスにオーディエンスが口ずさんでいた。「はい！『銀魂』はこれ！！」と太志（Vo）の声で鳴り出した「最後までII」では大きくサイリウムが揺れ、サビでは会場の歌声が重なった。


続くねごとは、ダンサブルかつ浮遊感と熱を宿すサウンドで会場を魅了する。自他共に認める『銀魂』ファンの澤村（Dr）のMCでオーディエンスの心を掴むと「DESTINY」で幕張メッセイベントホールをダンスホールへと変貌させた。


「今夜は付き合ってもらうぜ！　＜ANI-ROCK FES.＞!!」とオカモトショウのシャウトからライブをスタートさせたOKAMOTO’Sは「『銀魂』のフェスタに相応しいカバーを聴いてくれ！」と盟友・黒猫チェルシーのカバー「アナグラ」を披露。ソリッドなロックンロールに加え自分たちの「Beautiful Days」でもフロアのテンションを最高潮へ導くとライブは佳境に。


映画『劇場版銀魂完結篇 万事屋よ永遠なれ』の主題歌をはじめ多くの楽曲で銀魂とコラボするSPYAIRの登場で歓声はさらなる熱さを生み、「俺らも『銀魂』に、アニメに、人生救われてるんだよね」というIKE（Vo）の言葉と共に心をひとつにした会場は「サムライハート（Some Like It Hot!!）」の大合唱で繋がる。


そして熱気はラストのDOESの元へ。ステージに姿を現すなり、ファンが擦り切れるほど聴いているであろうあのギターリフのイントロが。『銀魂』ファンの心に刻まれた「曇天」からライブがスタート。1曲目から大きなコールが会場に起きる。「気力も体力も全部ここにおいていってください！」との氏原（Vo&G）の言葉は大歓声にかき消され、ラストの「バクチダンサー」でロックンロールの躍動ビートが『銀魂』と会場を繋ぎ、熱を刻みつけたのだった。




2日目のタイトルは【NARUTO THE LIVE 2016】だ。ナルトを巡る熱い戦いを時に支え、時に背中を押してきたアーティストの中で、最初に登場したのは近年の『NARUTO-ナルト-』の世界を強く印象付けてきたKANA-BOON。会場のボルテージが一気に急上昇した。映画『BORUTO -NARUTO THE MOVIE-』の主題歌「ダイバー」から『NARUTO-ナルト-』の音楽競演の一夜が幕を開ける。「デビュー前から『NARUTO-ナルト-』の主題歌を歌うのが夢でした」という谷口の思いがこもった「シルエット」も披露し会場を大いに盛り上げる。


続いての登場はスキマスイッチ。「すごい熱気ですね」と『NARUTO-ナルト-』ファンの熱さを絶賛し、感動のバラード「星のうつわ」を含む珠玉ナンバーが組まれたセットリストでオーディエンスを笑顔でいっぱいに。


「この夏一番の、人生で一番の、盛り上がりにしましょう！」と叫ぶ山口の声で三番目に登場したサンボマスターは、言葉通りに「青春狂騒曲」で大合唱と激震の盛り上がりを見せた。


光村（Vo）の「本当にあの3曲がなかったら僕たちは今ここにいないと思います」との言葉でファンのハートを揺さぶったNICO Touches the Wallsは「Broken Youth」から「ニワカ雨ニモ負ケズ」までパワフルなパフォーマンスで魅せ、ファンを熱狂の渦へ。


いよいよライブは終盤へ。大歓声とサイリウムの光に迎えられたいきものがかりは「ブルーバード」から『NARUTO-ナルト-』ファンのハートをガッチリキャッチして会場を一体にしていく。


そしてラストに満を持しての登場となったFLOWはもはや世界中のファンの中でNARUTOの代名詞といっても過言はないアーティストだ。「虹の空」から始まる全8曲のうち『NARUTO-ナルト-』の舞台のテーマソング「光追いかけて」を含め、5曲が『NARUTO-ナルト-』の主題歌だった。「『NARUTO-ナルト-』という作品にバンドの運命を変えてもらったと思っています」とKEIGO（Vo）が語るなど、彼らもまた『NARUTO-ナルト-』同様に火の意志を心に刻むアーティストだ。そんな彼らの熱いステージは「Sign」をラストに【NARUTO THE LIVE 2016】の幕が閉じた。


ライブの転換タイミングも実に充実していた。【銀魂LIVE CARNIVAL 2016】ではアニメ・キャラたちによるアーティスト紹介、【NARUTO THE LIVE 2016】ではテレビ東京系『特捜警察ジャンポリス』のMCを務める足立梨花と乃木坂46の生駒里奈が出演者にバックステージインタビューを行うなど、観客を盛り上げた。また、両日とも幕間に歴代のアニメオープニング＆エンディング上映が入り、その度にオーディエンスから歌声も湧きあがる。その様はどれだけ作品が愛されているのか、そして作品を彩ったアーティストたちの歌がどれほど愛されてきたのかを感じさせた。今後もずっとアニメへの、そして音楽への愛と共に、新たな一歩を踏み出したこのフェスが続いていくことを願いたい。

取材・文◎えびさわなち
撮影◎松本 健彦／能美 潤一郎






◆＜ANI-ROCK FES.＞ オフィシャルサイト