【インタビュー】HER NAME IN BLOOD、『BAKEMONO』発表「日本のモンスターとして海外にも打って出たい」

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HER NAME IN BLOODが、メジャーデビューアルバム『BAKEMONO』を9月14日にドロップした。その強靭でエモーショナルなバンドサウンドや、楽曲から滲み出る幅広い音楽的素養が、ジャパニーズ・メタル〜ラウドシーンの新たな可能性そのものような5人であるが、すでに昨年にはカリフォルニアでおこなわれたSLIPKNOT主催のメタル・フェス<KNOTFEST2015>に出演し、本場もんのヘッズ達に強烈なインパクトを与えている。また、今作の新録11曲のうち6曲を手がけているのがKORNやMarilyn Mansonらを手がけてきた世界最高峰のミックス・エンジニアTom Lord-Algeであることからもわかるように、世界をフィールドとして捉え活動しているのが彼らHNIBだ。

◆HER NAME IN BLOOD画像

今回のインタビューでは、Ikepy(Vo)、Makoto(Ba)、Daiki(G)と対面。音楽の原体験、アルバム『BAKEMONO』に至るまでの道のり、そして“ナメられたくない”と語る彼らに宿るパンキッシュでタフな精神性まで、ライターのヤコウリュウジ氏がじっくりと迫った。

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■ 正直、ここまでヴォーカルを強くするつもりはなかったんですけどね(笑)

── BARKSでは初登場ということで改めてお伺いさせていただきますが、HER NAME IN BLOOD(以下、HNIB)は結成タイミングから今のようなサウンドは見据えていたんですか?

Makoto(Ba):そうですね。もともと、僕とDaikiでやっていた前身バンドがあって。2007年に改名プラスIkepyが加入してHNIBになったんですけど、サウンドとしても今に近いモノを目指したいというコンセプトもありましたね。

── 前身バンドではどういったサウンドを?

Daiki(G):わかりやすく表現すると、SUM41のメタルっぽい曲をメインにしたような曲調です。僕がギターヴォーカルを担当して、そこまで多くなかったですけど、みんなでシャウトもしたりとか。

── そこから新たなバンドとして歩もうとしたキッカケはどこにあったんですか?

Makoto:もっと激しいモノがやりたくなったんですよね。それにピンヴォーカルを加えて5人編成にしてみたかったし。で、メンバー募集をしたらIkepyが来てくれたんです。

── Ikepyさんはどこが気になりました?

Ikepy(Vo):募集の際、デモが2曲ぐらいあったんですけど、それを聴いて気になったんですよね。

── それ以前は別のバンドをやっていたんですか?

Ikepy:実はバンド自体はちゃんとやってなくて。いちばん最初は弾き語りみたいなことをやって、そこからはメタルを好きになったのもあって、趣味みたいな感じでずっとギターを弾いてました。

── そこからピンヴォーカルに挑むというのはなかなかのチャレンジでしたね。

Ikepy:好きになったメタルコア系の影響もあって、シャウトをやってみたいと思うようになったんですよね。それがキッカケとしては大きかったと思います。

── 当時を振り返ると、Ikepyさんと合わせたときの感触はいかがでした?

Makoto:何人かのヴォーカル候補とスタジオで合わせたんですけど、Ikepyはまず声の強さにビックリして。あと、歌ってても喋ってても、声質にピンとくるモノがありましたね。

── ということは、求めてたヴォーカル像にも重なっていたんですか?

Daiki:正直、ここまで強くするつもりはなかったんですけどね(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

Daiki:でも、一緒にやりたいなとはすぐ感じました。

── そこからHNIBとして活動を始めて、いい手応えがあったのはどのぐらいの時期になります?

Makoto:いちばん最初の兆しみたいなところだと、MySpaceやAudioleaf(インディーズバンド試聴サイト)といったストリーミングサイトにデモをアップしたんです。2008年だったかな。そうしたら、反響が凄く良くて。

── メタルコアのシーンが日本で少しずつ盛り上がり始めたころですね。

Makoto:そこから、レーベルにも声をかけてもらって1stフルアルバム『DECADENCE』も作ったし。あの制作は大きかったですね。自分たちのやりたいことを洗い出せたから。

Daiki:とにかく、やりたいことを詰め込んでいったんです。

Makoto:初期衝動的というか、いいと思ったモノをまずはやるっていう。バンドとして最初の取っ掛かりになったのかなと思います。

── その後は順調にライヴや作品を積み重ねてきたわけですが、今作は聴かせていただいて非常に驚いたんですよ。今年4月にリリースした2nd EP『Evolution From Apes』からそういった兆しはありましたけど、こんなにも歌うバンドだったのかと。

Makoto:もともと、歌を入れたくなかったわけじゃないです。むしろ、みんなキャッチーなモノは好きですし。ただ、ナメられたくないみたいなところはあって(笑)。ただ、歌にしても楽器にしてもメンバーに技術が身についてきて、そういった部分も使った表現をしたい気持ちが出てきたというか。自然に湧き出てきたんです。

── サウンドとして、シャウトは万人にとって聴きやすいサウンドではないと思うんです。そういったところで、より多くの人へ届ける為、“扉”みたいな立ち位置でメロディーのある歌を取り入れるバンドもいますよね。

Makoto:そういった部分も無くは無いんですけど、音楽的な意味での欲求のほうが大きいですね。

Daiki:曲を作っていて、自分らとしてもレンジを広げていきたいと考えるようにもなって。自然と「ここは歌だな」みたいなアイデアが出てきたり。

── みなさんのバックボーンにはキャッチーな歌モノがあったりも?

Makoto:むしろ、そっちが大きいかもしれないです。IkepyはQUEENが好きだったりとか。

Ikepy:メタルに出会う前、小学校ぐらいのときから、いわゆる洋楽の定番みたいなものは聴いてましたね。QUEEN、OASIS、BON JOVI、Michael Jacksonもそうだし。

Daiki:僕は親の影響でMETALLICAを知って、ライヴにも連れて行かれました。

── ちなみに、いくつのときでした?

Daiki:小5です(笑)。初めてメタルっていうのを生で味わったんですけど、耳も痛いしうるさいし。で、みんな頭を振ってて、驚いて親父に助けを求めようとしたら、同じようにすげえ頭を振ってて(笑)。

一同:ハハハハ(笑)。

Daiki:ただ、曲も何もわからなかったけど、カッコいいとは凄く感じて。そこから、LAメタルにハマったり、デスメタルやハードコア、Makotoの影響でパンクも聴いたり。なので、メロディーや歌に関して抵抗はまったく無いんですよ。

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