【インタビュー】高崎晃(LOUDNESS)、35年の歴史を語る「ロックは自由でないとあかん」

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11月2日に発売となった『LOUDNESS BUDDHA ROCK 1997-1999』は、LOUDNESS 35周年企画第15弾として発売されたBOXセットだが、LOUDNESSの歴史上でも際立って異質な作品集でもある。ブッダロックと呼ばれるここに収められた3作品は、インプロビゼーションに根ざした作風を持ち、メタル様式は薄れども極めてヘヴィなロックのうねりに溢れている。LOUDNESS第4期と呼ばれる時期のサウンドだ。

◆LOUDNESS 画像

デビュー当時から世界を目指し人跡未踏の世界ツアーを敢行、世界へ名を轟かせた唯一無二の日本産メタルバンドだが、その歴史には、様々な紆余曲折がある。世界制覇/メンバーチェンジ/活動の停滞/初期メンバーの再結成の後に訪れたメンバーの死…刻み続けたLOUDNESS 35年の歴史を紐解いてみよう。

   ◆   ◆   ◆

■35周年のツアーは
■歴史を存分に堪能してもらえる

──もうキャリアも35年になるんですね。

高崎:LOUDNESSはね。俺のプロのキャリアは2017年で40年になるけど。

──LOUDNESSを知らない若い世代もたくさんいるので、そういう人たちにLOUDNESSの凄さを紹介したいと思いまして。

高崎:ああ、僕のことを知らない人ね。いっぱいいてますよ(笑)。

▲4枚組BOXセット『LOUDNESS BUDDHA ROCK 1997-1999』

──誰も成し得なかった経験を重ね、高崎晃はどんな景色を見てきたのか……そういった話を聞きたいなと。

高崎:もうね、そっとしといてほしいんです。有名になりたくないんだよね、あはは(笑)。

──何をいまさら。

高崎:もうね、普段はゆっくりしたいじゃないですか(笑)。だから東京に30年住んでたけど、今はもう大阪。今、また忙しくなってきてるけど、普段のことを考えたらやっぱり大阪のほうが住みやすい。やっぱり東京だと外出たら何回か声かけられたり、いろいろあるんでね。

──以前はバンドを演るなら東京に出てこないとダメでしたが、時代は変わりましたね。

高崎:僕らがいち早く大阪から東京に出てきて、それで後から44MAGNUMやEARTHSHAKERとか1980年代のジャパニーズメタルといわれてる連中がみんな東京に来たね。で、僕がいち早く大阪に戻るという(笑)。

──東京にいなくても音楽活動が普通にできる時代になった、ということですか?

高崎:やっぱりインターネットの力はデカい。それこそレコーディングも海外と一緒にできる時代だし、譜面も音源もすぐ送れちゃうからね。ネット環境さえあれば、離島でもOK。俺らの仕事って、昔と違ってテレビ局を走り回ってるわけでもないから、レコードを年に1枚ぐらい制作して、あとはやっぱりライヴ中心な活動なんで、どこに住んでてもできますよ。

──むしろ旅の生活か。

高崎:音楽自体、全部タダで手に入る時代になっているんで、これからのロックバンドは、ライヴしてお客さんに来てもらって、自分たちのグッズとか買ってもらう。そこしかロックバンドの生きていく道はないんでね(笑)。

──ライブシーンの盛り上がりは、肌で感じますか?

高崎:もちろん毎回ツアーするたびにそれは感じるし、世界中でライヴをやっているけど、日本だけ特別変わっている感じも全然しないよ。アメリカもヨーロッパも、もちろん日本もいい感じに盛り上がってる。

▲高崎晃_BUDDHA ROCK in 1997-1999

──キャリアが長いとヒット曲も多くなるので、ライブのセットリストを作るのも大変ですよね?

高崎:そうなんですよ。だからアルバムを作る時もライヴをやる時もテーマを挙げて、コンセプトをちゃんと打ち立てて、それに伴ってやっていかないとね。オリジナル曲だけでも400曲あったりするから、その中からどの曲を演るかわからんというよりも、時期を切ったりコンセプトを立てたほうが、自分たちも演りやすいしお客さんも来やすい。樋口さんが亡くなってしまった2009年から<CLASSIC LOUDNESS>ツアー(1980年代の曲を中心としたクラブツアー)を始めたらすごい好評でね。

──LOUDNESSにとって、そういうコンセプトツアーは初めてでしたよね。

高崎:初めて。ものすごい反響で、そこから定期的にやるようになった。やっぱり忘れてる曲とかもいっぱいあったんだけど(笑)、やってるうちにすごくいい感じに戻ってきた。みんないろんなバンドを経験してきているから、より表現力も豊かになって、より良くなっている感じはしますね。

──いいですね。

高崎:2016年11月21日から始まった35周年のツアーは、今のメンバーの時代以外の第2期/第3期/第4期の曲もわりと入れながら、まあLOUDNESSの35年の歴史を存分に堪能してもらえるような構成でやってますけどね。

──ライブシーンが活況である反面、CDは売れず聴き放題サービスが溢れている。ミュージシャンとして生きていくことの価値や覚悟も大きく変わったと思いますか?

高崎:変わりましたね。昔はちゃんと演奏できないとレコードって作られへんかったけど、今はもう、コンピュータ使ったら多少は間違っても何回もできるし。機械のほうで編集もできちゃうしね。これからの時代って“レコードはええけどライヴ全然ちゃうやん!?”みたいなアーティストもやっぱり出てくると思うんだよね。

──そうかもしれません。

高崎:それは寂しいわけやし。LOUDNESSの場合は昔からやってきてるバンドなんで、ダイレクトカッティングでもレコード出せるぐらいでやっているけど、やっぱりロックバンドって本来そういうふうになっていったほうがいいとは思うんだけどね。

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