<VISUAL JAPAN SUMMIT>、DAY 1の見どころを再検証

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<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>の放送が迫ってきた。12月10日(土)、17日(土)、25日(日)の3回に分けて、各回で午後1時から夜7時までの6時間、合計18時間に渡ってWOWOWで独占放送(http://www.wowow.co.jp/music/vjs/)される。またそれに先駆け、12月3日にはWOWOW無料放送の番組も予定されている。

◆<VISUAL JAPAN SUMMIT>画像

この<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>は、10月14~16日に千葉・幕張メッセで行なわれたヴィジュアル系バンド50組以上を集めたフェスで、3日間で合計10万人以上を動員。開催前には“24年ぶりのエクスタシー・サミット”としても話題にもなった。

エクスタシー・サミットというのは、YOSHIKIが中心になってインディーズ・レーベル“エクスタシー・レコード”によるイベントで、レーベル所属の若いバンド達を育成する目的で1988年から始まったもの。まだ活動を始めたばかりのLADIES ROOMやZI÷KILLなどがイキのいいライヴを披露し、当初は目的どおりのイベントだった。が、Xのメンバーがおとなしくしていられるわけがない。若いバンドのステージに乱入してセッションしたり、交流あるバンド仲間達も呼び寄せ“無敵バンド”でライヴを繰り広げたりと、乱痴気騒ぎのお祭りイベントへと変貌。またライヴ後には、朝まで酒の一気が続き、飲み方まで育成されてしまうという、若手バンドにとって天国と地獄をいっぺんに味わえるイベントでもあった。


回を重ねるごとに規模は拡大化。1991年にノリでやることを決めたというその会場は、なんと日本武道館。ノリのままYOSHIKIとToshlがウェディングドレス姿でトークしたり、LADIES ROOMのGEORGEとTOKYO YANKEESのUMEが力士の着ぐるみ姿で取組したりと、笑いも強化。もちろん軸となるのは各バンドの熱いステージで、そのときばかりはお祭りムードはなく、他のバンドのファンも根こそぎかっさらってやるという真剣モードが炸裂。まだ“ヴィジュアル系”なんて言葉もなかった時代で、メタルもハードコアもニュー・ウェーブも入り混じった、しかしド派手なバンド達ばかりによる大宴会のようなイベントだった。

しかしXの活動が多忙を極めたことで、1992年を最後に開催されることがなくなり、伝説のイベントになっていた。その復活祭が<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>である。とくに12月10日に放送される10月14日のフェス初日は、YOSHIKI本人も記者会見で「エクスタシー・サミットの夜」なんて言い方をしていたぐらい、エクスタシーの色合いが濃厚だった。

その初日のトップを飾ったのは、1992年のエクスタシー・サミットにおけるXのコピー・バンド“サイレントいやらし~ず”の生まれ変わりと錯覚させるX SUGINAMI。NoGoDの団長やMUCCのミヤなど有名ミュージシャンが、憧れと尊敬の念を炸裂させたXのコピー・バンドである。メンバーのコスプレぶりと選曲はX JAPANではなく、『BLUE BLOOD』までのXだ。朝9時からファンの熱狂ぶりもすさまじい。そのカオスっぷりは、元気が出るテレビの早朝ヘビメタを思わせた。YOSHIKIも後にMCで「Toshl知ってる? 朝さ、X SUGINAMIってバンドが出たの。いきなり「BLUE BLOOD」やったんだって!」と事あるごとに話題にするほどのお気に入りっぷり。ファンはもちろん、御大にX SUGINAMIの熱い意志は届いたのである。


こうしてド派手に始まったフェスは、3ステージ制で次から次へと展開。VANIRUがデカダンな雰囲気と共に現代的なニュー・ウェーブを響かせ、SPEED OF LIGHTSは宇宙服姿でポップに決める。YOSHIKIプロデュースでデビュー経験あるBEASTは、さらに磨きの掛かったハードコアを轟かせる。かと思えば楽しさと間口の広いキャッチーな曲で一体感を作るPsyco le Cemuも会場を沸かせた。また洋楽ファンからの人気も高いNOCTURNAL BLOODLUSTは、本格派メロディック・デスを突きつけた。ヴィジュアル系を集めたフェスながら、各バンド、それぞれのスタイルやライヴ・パフォーマンスを発揮していく様は、あの頃のエクスタシー・サミットを彷彿とさせる。


リアルタイムのエクスタシー・サミット世代をさらに興奮させたのは、かまいたち、BY-SEXUAL、Gargoyleだった。個性的であることを美学として、どんなジャンルにも属したくない。そんな勢いで活動していたのが、ヴィジュアル系という形容が生まれる前のバンド達である。そうした重鎮とも呼べるバンド達と若手ヴィジュアル系バンド達が一緒になったこのフェスは、24年どころか、この30年近くの日本のロック・シーンを凝縮したような熱さばかりが渦巻いていた。


そして当日の夕方4時半。会場は一気にエクスタシー・サミット復活祭へと塗り替えられていく。エクスタシー・サミットが開催されなくなってしまった時期からエクスタシー・レコードに仲間入りしたGLAYは、やっと出られた喜びを全身で表すようなライヴ。ずっと可愛がってくれたHIDEにも感謝して、HIDEの書いたX JAPANの「Joker」を愛を込めてカヴァーする場面も。それに続いたのは、ストロング・スタイルのTOKYO YANKEES。往年のキラー・チューンを軸にしたステージに感涙まちがいなし。そのTOKYO YANKEESとインディーズ初期によく対バンしていたのがLUNA SEA。なんと彼らはメンバー全員が真っ白の衣装に身を包み、それは1992年のエクスタシー・サミットのデジャヴと思わせた。セットリストも初期ナンバーを中心にしているのも熱すぎる。初期も今も相変わらずハレンチなロックンロールでファンの気持ちを犯しまくるのはLADEIES ROOMだった。


フェスの開演から12時間以上経った夜9時55分。ついにX JAPANのライヴが始まった。「幕張、今日はわかってんだろうな。気合い入れてけよ!」とToshlが煽りを食らわせながら勢い全開で突き進むステージ。病気で療養していたPATAの復活祭でもあり、激速リフを刻みつつも、ついつい表情がほころんでしまうPATAでもある。またセットリストは決まっているはずだが、24年ぶりのエクスタシー・サミットの嬉しさもあるのか、ToshlとYOSHIKIはMCの場面でいろいろ脱線しまくる自由っぷりも。とはいえ、X JAPANの“やるときゃ、やれよ”の精神は健在である。激しさも美しさも、どちらもクライマックスを極めた振り切り方はX JAPANの真骨頂だ。


そしてラストを締めくくるのは無敵バンド。当日の出演バンド達はもちろん、なんと、KISSのジーン・シモンズまで飛び入り。先輩も後輩も入り乱れてロックを鳴らし、会場のオーディエンス全員を満足の笑顔に変えていった…。結果、14時間以上に及んだ初日。放送される映像を観たわけじゃないが、当日は名場面の連続であり、狂騒曲の旋律を奏で続けていた。12月10日の放送はたっぷり6時間。Toshlっぽく言うなら、観るときは気合い入れてけよ、オイ!



文:長谷川幸信
写真:VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 Powered by Rakuten

<VISUAL JAPAN SUMMIT 2016>WOWOW放送

[WOWOWプライム]
12月10日(土)午後1:00:DAY 1
12月17日(土)午後1:00:DAY 2
12月25日(土)午後1:00:DAY 3

世界で活躍するヴィジュアル系バンドが一堂に会す史上最大のヴィジュアル系音楽フェス全3日間の模様を、各日6時間、計18時間にわたりWOWOWで独占放送。
●12月10日(土)午後1:00
DAY 1:X JAPAN、LUNA SEA、GLAY、ユナイト、CLOWD、無敵バンド他
新旧の名曲たちで会場を歓喜と感動に包んだGLAY、結成から1万日目のメモリアルデーであることを発表し時代を彩ってきた楽曲の数々で魅せたLUNA SEA、そしてX JAPANは、これがPATAの復帰後初ライヴでもあり、スクリーンに在りし日のhideのパフォーマンスが映し出されるなど感動のステージとなった。出演者たちによるセッション、無敵バンドでは、サプライズでKISSのジーン・シモンズが登場するなど豪華共演となった。さらに、再現力の高いパフォーマンスでトップバッターを飾ったX JAPANのコピーバンドX-SUGINAMI、エンターテインメント色たっぷりのステージを繰り広げた元祖コスプレバンドPsycho le Cemu、圧巻の歌唱力と演奏力を見せつけたNOCTURNAL BLOODLUST、hideの名曲をカバーしたDaizyStripperなど気鋭のバンドたち、そしてLADIESROOM、TOKYO YANKEESのエクスタシー勢や、元祖ヴィジュアル系バンドかまいたち、5年ぶりの復活となったBY-SEXUALなどレジェンドも見逃せない。
出演:X JAPAN、LUNA SEA、GLAY、ユナイト、CLOWD、Psycho le Cemu、LADIESROOM、Gargoyle、TOKYO YANKEES、NOCTURNAL BLOODLUST、DaizyStripper、HERO、BY-SEXUAL、かまいたち、Anli Pollicino、VANIRU、SPEED OF LIGHTS、X-SUGINAMI、BEAST、無敵バンド

●12月17日(土)午後1:00
DAY 2:X JAPAN、GLAY、HYDE×YOSHIKI、hide with Spread Beaver、シド、無敵バンド他
2日連続で登場し名曲ぞろいのセットリストで聴かせたGLAY、初日に続く圧巻のパフォーマンスで貫禄を見せつけたX JAPAN、出演アーティストによるセッション、無敵バンドにも、初日同様ほぼ全員の出演者が登場。8年ぶりに復活のhide with Spread Beaverは、メンバーたちのアグレッシブなパフォーマンスが冴え渡り、YOSHIKIやPATAも参加して感動の渦が広がった。今回のハイライトの1つでもあるHYDE × YOSHIKIのコラボが実現したのもこの日で、YOSHIKIのピアノ演奏で、X JAPANとL'Arc~en~Cielの名曲をHYDEが歌うという夢のような時が流れた。さらに、人気アニメの主題歌など多彩な楽曲で魅力を全開にしたシド、端正なルックスとキャッチーな楽曲で魅せ“Aジャンプ”で会場を一つにしたA9、来年メジャーデビュー20周年、切ない楽曲が魅力のPlastic Tree、独特の世界観で注目を集めるR指定、ダンサブルなステージを繰り広げたLM.C、シンフォニックかつメタルなサウンドを聴かせる摩天楼オペラなど、ヴィジュアル系と一言では言い表わせない多彩なバンドたちのパフォーマンスも見逃せない。
出演:X JAPAN、GLAY、HYDE × YOSHIKI、hide with Spread Beaver、シド、カメレオ、VALS、Plastic Tree、A9、R指定、LM.C、DEZERT、ASH DA HERO、FEST VAINQUEUR、摩天楼オペラ、heidi.、The THIRTEEN、defspiral、グリーヴァ、ALDIOUS、無敵バンド

●12月25日(日)午後1:00
DAY 3:X JAPAN、LUNA SEA、清春、ゴールデンボンバー、MUCC、Angelo、無敵バンド他
初日とは異なるセットリストで圧巻のステージを見せつけたLUNA SEA、ToshlとYOSHIKIの絶妙な掛け合いが抜群のコンビネーションを生み、それがライヴの完成度をさらに高めていくX JAPAN、無敵バンドにはこの日ライヴのなかったGLAYも急遽駆け付け絆の強さを見せた。ゴールデンボンバーは、X JAPANコスで登場し、爆笑ステージとYOSHIKI演奏による“女々しくない”「女々しくて」で予想外のサプライズ。黒夢やソロの楽曲をアコースティックで妖艶に歌い上げた清春、多様な楽曲を織り交ぜたセットリストで結成10周年の実力を見せつけたAngelo、フェス常連のMUCCがさすがの実力を見せつけ観客が熱狂に染まる中L'Arc~en~Cielのkenがサプライズ登場。さらに、和製ホラーをコンセプトとし日本武道館公演も経験するなど気鋭の己龍、華麗なヴィジュアルと圧巻の演奏力で2017年2月には武道館公演も決まっているVersailles、シーンの“独裁”をコンセプトに掲げ、観客大暴れの激しいライヴを繰り広げたDIAURA、キャッチーな楽曲とサウンドが持ち味でオリコンのTOP10入りを達成したvistlip、ダークかつ艶美な世界観に会場を染めた実力派バンドcali≠gariなど、夢の共演が実現したイベントをご堪能いただきたい。
出演:X JAPAN、LUNA SEA、清春、ゴールデンボンバー、MUCC、Angelo、己龍、vistlip、cali≠gari、Royz、DIAURA、THE SLUT BANKS、ダウト、Versailles、THE MICRO HEAD 4N'S、NoGoD、ゴシップ、ぞんび、Mumiy Troll、無敵バンド

収録日:2016年10月14日~16日
収録場所:千葉 幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール

<関連番組>VISUAL JAPAN SUMMIT 2016 本放送直前スペシャル

●12月3日(土)夜9:00[無料放送]ほか
各6時間、計18時間にわたり放送されるVISUAL JAPAN SUMMIT 2016の見どころを紹介する直前番組。無料放送でお届け。

◆<VISUAL JAPAN SUMMIT>番組サイト
◆【総括レポ】<VISUAL JAPAN SUMMIT>、あの狂乱3DAYSの回想録「もう無敵である」
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