koma'n「クリスマスの頃に聞きたい10曲」/【連載】トベタ・バジュンのミュージック・コンシェルジュ

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音楽家/プロデューサーのトベタ・バジュンが毎回素敵なコンシェルジュをお迎えし、オススメの10曲のプレイリストを紹介していくこのコーナーは、コンシェルジュの「音・音楽へのこだわり」を紐解きながら、今の音楽シーンを見つめ、最新の音楽事情を探っていく連載企画だ。

本企画第10回目のコンシェルジュにお迎えしたのは、11月23日に『セヴンティーン・オクロック』を発表したkoma'nだ。このアルバム『セヴンティーン・オクロック』には「青春アミーゴ」(修二と彰)、「抱いてセニョリータ」(山下智久)等の作詞で知られるzoppや、映画化された「ヒロイン失格」や「センセイ君主」等のヒット作を持つ人気漫画家・幸田もも子、そして「スクールガール・コンプレックス」シリーズや指原莉乃(HKT48)、松村香織(乃木坂46)等の写真集作品で知られる写真家の青山裕企とコラボレーションを果たした「現代ポップス」作品に仕上がっている。そんなkoma'nに「クリスマスの頃に聞きたい10曲」をセレクトしてもらった。


●koma'n「クリスマスの頃に聞きたい10曲」

(1)山下達郎「クリスマス・イブ」
(2)稲垣潤一「クリスマスキャロルの頃には」
(3)桑田佳祐「白い恋人達」
(4)EXILE「Lovers Again」
(5)広瀬香美「ロマンスの神様」
(6)レミオロメン「粉雪」
(7)中島美嘉「雪の華」
(8)浜田雅功と槙原敬之「チキンライス」
(9)L'Arc~en~Ciel「Hurry X'mas」
(10)BUMP OF CHICKEN「スノースマイル」

   ◆   ◆   ◆

(1)山下達郎「クリスマス・イブ」

父親も音楽が好きなので、毎年コレですね。一人暮らしをする前は、ずっとクリスマスパーティーをしてて、皆でチーズフォンデュを。クリスマスツリーも飾って、80年代とか90年代の曲がずっと流れている中にあった曲です。『セヴンティーン・オクロック』のリード曲「ヒトクリ」というクリスマスの曲を作るときに、zoppさんと「クリスマスソングって言ったら誰だろう?」って考えた時に「あ、達郎先生だ」と。ちょっと「クリスマス・イブ」っぽい、良い意味で抑揚がなく、でも味わい深さはある…そんな楽曲ができたらいいよねという話がありました。「クリスマス・イブ」って歌詞がめっちゃ短いんですよ。9行くらいしかない。ずっと繰り返しじゃないですか? それも意識して「ヒトクリ」もサビは全部一緒なんです。

(2)稲垣潤一「クリスマスキャロルの頃には」

一昨年のクリスマスライブで歌いました。ちょっとクラブファンクバージョンみたいなアレンジをしまして、ライブ限定で一回だけ。年配の方が沸きました(笑)。いかんせん僕のファンは中高生が多いので、知らない子も多かったですね。娘さんと一緒に来てる方とか、そういう1~2割の方には響いてました(笑)。

(3)桑田佳祐「白い恋人達」

カラオケでずっと歌ってきました。カラオケのレパートリーは多いです。やっぱり盛り上げ役として桑田さんの真似とかもしたり。父がギターをやっていて、歌を歌っていたので。父の部屋から弾き語りがたまに聞こえてきたり。サザンだとかさだまさしとか。基本的にリビングでは何かしら音楽が流れていましたんで、そういう時に大分耳にはしてます。中学生の頃から尾崎豊、徳永英明、長渕剛とか歌ってました。みんながBUMP OF CHICKENとか歌ってる中で、ぼくだけ昔の曲ばっかり。その中の一曲ですね。

(4)EXILE「Lovers Again」

ド世代ですね。中~高校生くらいです。高校の隣にカラオケ屋さんがあったんですよ。うちの高校ってすごく自由で、道徳とかの自習の時に学校を抜け出してもOKだったんです。抜け出してカラオケに行った時にEXILEを。仲良い友達も歌が上手くて、ハモリとかも上手かったので、2人でフリータイムとかでEXILEとかCHEMISTRYを歌ってたりしましたね。

(5)広瀬香美「ロマンスの神様」

これこそ家族でスキーに行くとき、カーステレオでずっと流れていました。スキー場でもかかってますね。千葉のザウス(屋内スキー場)によく連れて行かれてたんです。今でもスキー場でかかってる曲ですよね。でも僕は高校二年生の時にスノボで膝を七針縫って、それ以来行ってません(笑)。

(6)レミオロメン「粉雪」

軽音部をやっていた高校の時、結構色んな人が歌っていました。普通に曲が好き。でも、キーが高いんですよね。だから他の男子があんまり歌えないけど、僕は歌えるからモテちゃうんですよ(笑)。今、ベースをやっている方が、藤巻(亮太:レミオロメンのボーカル)くんのベースを弾いてるんです。そういうご縁もあって、今度藤巻さんと飲みましょう的な。

(7)中島美嘉「雪の華」

徳永(英明)さんがカヴァーしてるんですよね。で、徳永さんヴァージョンをよく歌ってまして、4年前のクリスマスにニコファーレでクリスマスライブをやったとき、事務員G(Key)とふたりでアコースティックで歌いました。

(8)浜田雅功と槙原敬之「チキンライス」

小学生の時かな。普通に良い曲ですよね。確かdocomoで着うたフル(R)が出た頃で、ダウンロードしました。歌詞が良いですよね。槇原さんも好きで「どんなときも」もカバーさせていただいたり、結構歌わせていただく機会が多い。曲も好きですし、詞も良いですし泣けますよね。「ヒトクリ」を作るにあたって、色々クリスマス曲を聴いていった中で「チキンライス」も聴いたんですけど、不覚にもウルっと来ました。

(9)L'Arc~en~Ciel「Hurry X'mas」

僕がラルクの中で唯一歌える曲です。なんでこの曲だけ歌えるのかわからないんですけど…クリスマスシーズンに覚えたのかなあ。自分のキーに凄く合っているので。ライブで歌う事はないけど、メンバーとカラオケに行った時には歌います。メンバーは結構ラルク好きが多いので。イントロのコード進行がエモくて好きです。

(10)BUMP OF CHICKEN「スノースマイル」

僕がギターを中学生の時に始めて、一番最初に弾いたのがテツ&トモの「なんでだろう」です(笑)。で、世代なので2曲目に「スノースマイル」を練習しました。アルペジオはこれで練習してました。いまだに弾けます。カラオケでも歌いますね。尾崎とかばっか歌ってましたけど、同級生はバンプとかオレンジレンジを歌ってるので、一応人並みに知ってる曲を増やそうとバンプのアルバムは全部持ってたんです。サビの頭のコードが凄く綺麗で良い曲ですね。

   ◆   ◆   ◆


──今回は10カ月ぶりとなるリリースという事で、『セヴンティーン・オクロック』完成おめでとうございます。このタイトルにはどんな思いが込められているんでしょうか。

koma'n:今回は青春の失恋なんかをテーマにしているので、「セヴンティーン」というのは17歳という意味もありますし、17時という夕暮れ時、昼でも夜でもないアンバランスな時間という事で。年齢と時間を掛けました。

──タイトルを決めてから楽曲を作っていった?

koma'n:いや、タイトルは最後ですね。「青春」ってコンセプトは固まっていて、「どうまとめよう」って感じだったんですが、最後の最後で決めました。

──一言でいうと、どんなアルバムに仕上がったと思いますか?

koma'n:19歳くらいから曲を作らせていただく機会が増えたんですが、昔は前衛的というかハラハラする様なコード進行だったり、若気の至りと言いますかトゲトゲした音楽をやっていたんです。で、楽曲提供の仕事も増えまして、より曲が大人になったなあ、と。アルバム自体のコンセプトは「青春」で「17歳」ってテーマですが、曲自体は大人。

──昔の曲では、虚無感であったり青春の傷付きやすい部分が出ていますが、最近はそういうダークなイメージよりも爽やかな曲が多いなあと思って。

koma'n:学生時代は、単純に思春期のアレがそのまま表現されていたと思うんですけど、最近は本当に色んな人に勝たないといけないので。24年間生きてきて、お酒も好きで、色んな年上の人も飲む機会があって。引き算ができるようになってきたといいますか。ちょっと余裕のようなものが出てきたので、それが音楽にも表れてきたのかなあ、と。

──僕はお酒を飲んで曲作りができないんですよ。どうですか?

koma'n:公言して良いのかわからないですが、する時もなくはないです(笑)。

──酔って作った曲って、翌日聞くとダラけた感じがするんですよね。


koma'n:でもパンクとかジャズとかの要素が入っている時は、酔っ払うとアドリブがグルーヴしてきたりってのはありますし、恋愛についてのこっ恥ずかしい歌詞を書く時は酔っ払っている方が良かったりしますね。

──『セヴンティーン・オクロック』にはコラボクリエーターの方が数々参加されていますが、作詞家のzoppさんの参加はどのような経緯で?

koma'n:一度ジャニーズさんに楽曲提供をした縁もあって。今までは詞も曲もアレンジも全部自分でやって、歌も歌って全てが自分の中で完成していたんです。でも音楽の世界でやっていくんだったら、色んな人と知り合って刺激を受けたほうが良いというところです。有名なクリエイターさんとコラボする事で、新しいものが見えてきたりするんじゃないかと思いました。zoppさんは結構ジャニーズの曲を書かれているので、そこで「作詞をしてもらうのはどうか」という話があって、打ち合わせがてら一緒にごはんを食べまして、とりあえず1曲コラボレーションしてみようという事で「作ろう」って言った曲が「潮騒エレジー」。2年くらい前の話です。

──そんなに前なんですか。

koma'n:そう、やっと日の目を見た。折角だからコラボレーションアルバムというのも面白いんじゃないかと思って、2年越しでアルバムという形になりました。

──自分の曲に、他人が歌詞をつけるというのはどうですか?

koma'n:自分が思いつかない部分だったりとか、書き方も独特ですし、プロの作詞家なんで戻しが速いですね(笑)。

──「ここをもう少しこうして欲しい」みたいなのもあるんですか?

koma'n:ええ。やり取りはあります。「潮騒エレジー」に関しては、zoppさんがなんとな~く詞を書いてくださって、使えそうな「潮騒エレジー」ってフレーズに僕がメロディを当ててワンコーラス目を作って、言葉がはまるように変えてもらいながら進めていきました。そういう事をするのも初めてだったので、凄く刺激になりましたね。

──音に合わせることと意味を通すことは、どちらを優先させますか?


koma'n:いつも曲と詞を同時に作るので、なんちゃって英語を口ずさんで、かっこいい子音が見つかったらなるべく優先して使うようにしています。自分が言葉にして出したフレーズ…言葉の感じを大事にして。多分、自分から発せられた第一印象なので、一番キャッチーなのかなと思うんです。そこの言葉が決まったら、どんどん掘り下げていって、他の歌詞を作っていきます。平歌は意味を重要視しますけど、サビは勘重視で。韻を踏んだりとかもしますね。

──コラボレーションのときはどう調整するんですか?

koma'n:zoppさんの時は、詞が先にあったんです。平歌は、僕が詞を完全に無視して作ったので「そこのイメージだけ変えずにメロディにハメてください」という形でした。zoppさんとは割とスンナリできました。

──ジャケ写は青山裕企さんが担当されていますね。

koma'n:18歳か19歳の時に、自費でしょうもないポエム写真集を作って、コミックマーケットで販売したんです。マニアックな性のポエムと自分で撮った写真を(笑)。

──写真に青山さん的なテイストがありますよね。

koma'n:青山さんの写真集が好きだったんです。で「青山さんと通じるところがあるから対談しましょう」って話があって、4~5年前に一度対談させていただいたんです。そこからの縁です。

──前作に続いての参加されている幸田もも子さんとの出会いは?

koma'n:僕のファンが幸田さんの事も好きで『ヒロイン失格』というマンガを10巻まるごと差し入れしてくれたんです。で、僕がそれを読んだというツイートをしたら、幸田先生から「ありがとうございます」っていうリプライが来て、そこから互いをフォローして。そうするとツイートを見るわけじゃないですか。酒ばっか載せてるんです。「晩酌した」だとか「原稿にワインをこぼした」だとか。「この人、酒好きだな」と(笑)。それで「お酒が好きなら今度ぜひ飲みに行きましょう」って、日本酒バーに行ったんです。それが出会いのきっかけですね。似顔絵を書いていただきましてサインを貰いました。それが2~3年前の話で、そこから仲良くさせていただいてまして。

──いいですねえ。

koma'n:その店の日本酒を全種類飲みまして。


──そんなに強いんですか?

koma'n:僕は一升くらい飲みます。店の日本酒を全種類コンプリートして、別の店に行って(笑)。一昨日も幸田さんと飲みました。明日も飲みますよ(笑)。

──テンションが上がってきたらクリエイティブな話とかも?

koma'n:僕らは一切仕事の話とかはした事がないんです。お酒の話と先生の恋バナをひたすら聞かされたりとか(笑)。友達を連れて行って、みんなでワイワイ。2人っていうよりは5~6人で。僕も漫画家さんと知り合う機会がないですし、向こうもこっちの業界の友達はあまりいないんで、交流会じゃないですけど。

──お互いの業種の人を連れて行くみたいな?

koma'n:そう言えばROOT FIVEのメンバーもいました。石城(結真)と藤谷(慶太朗)と幸田先生で飲んで。この間は『おそ松さん』のシタラマサコさんと『のだめカンタービレ』の二ノ宮知子さんと4人で朝まで飲んだり。で、前作の時は、幸田さんが二日酔いで失敗したっていうポエムに「曲をつけてくれ」って言われて、それがシングルになったんです。でも、いざシングルが出たら「私、少女漫画家なんだよね…印象大丈夫かな?」って(笑)。少女漫画家なんだから、もっとキュンキュンしたのを書きたいということで、前作があってのリベンジといいますか、今回のコラボになります(笑)。

──最近はニコニコ動画の投稿というのはしていないんですか?

koma'n:あんまりやっていないですね。

──飽きちゃいました?

koma'n:ROOT FIVEもソロも忙しいので、歌う暇がなくなってるんです。でも最近、すごくやりたい熱が高まっています。原点に戻ってピアノアレンジをしたいです。

──普段、音楽はどんな感じで生活に溶け込んでいるのでしょう。

koma'n:自分の曲は聴かないですね。でき上がったらあんまり聴かない。アラを探して嫌になっていくタイプなので、でき上がったら「おしまい!」って感じです。でき上がったらそこで達成感。制作はいつも深夜一時に切り上げて、終わったらすぐ飲みに行っちゃうんで(笑)。で、朝起きて仕事に行って。強いて言うなら音楽が嫌いになりそうな時にクラシック、ラヴェルとか聴いてます。

──印象派系ですね。


koma'n:印象派系とか柔らかい音楽。大橋トリオさんとかトクマルシューゴさんとか藤原さくらちゃんとか。

──ダウンロードですか?

koma'n:僕はCDを買います。

──あえてCDというのは何故でしょう? 音質とか?

koma'n:僕が作っている側だから「買わないと申し訳ないな」と。CDが売れない時代ですから。「音楽を作っている人には感謝の気持ちを込めて買おう」という気持ちがあります。

──2017年以降は、何を目指して行きたいですか?

koma'n:どうしようかなあ。まず酒飲み過ぎて身体を壊さない事が第一ですね(笑)。曲の方は、ようやく今回落ち着いてきたので、楽曲が引き算できるようになってきて。でも過去の曲を聴くと、それはそれでトゲがあって奇抜で若々しさがあったので、悪い意味で言えば「失われた」わけじゃないですか? 丸くなったわけです。だからたまにはそういう刺激的な事も思い出してやったりだとか、挑戦してないジャンルだったりだとか、音楽は無限大なので。今回もコラボをやらせていただいて、色々勉強させていただいたんで、それを次のアルバムに活かしたいですね。楽曲提供もちょいちょいやってる、というくらいなんで、もうちょっと積極的に時間が許す限りやっていきたいです。ROOT FIVEもあるしソロもあるし、まあ酒飲む時間を削ればできるんでしょうけど、それもそれでちょっとダメなんで(笑)。

──それも準備過程ですもんね(笑)。

koma'n:そうですね。メンタルのバランスがありますから。まあ時間を見つけて、アーティストに合った楽曲を作れるように精進していけたらなあと思います。

──今日はありがとうございました。


インタビュー:トベタ・バジュン

koma'n『セヴンティーン・オクロック』

2016年11月23日発売
【通常盤】(CD Only)YRCN-95268 1,852円(税別)
【初回盤Type-B】(CD+ブックレット)YRCN-95267 2,130円(税別)
【初回盤Type-A】(CD+DVD)YRCN-95266 2,315円(税別)
1.潮騒エレジー
2.Fighteen!
3.サクラノ下
4.つまさき少女
5.ヒトクリ
6.Giving You Another Name
7.Calc.~FAZIOLI ver.~
初回盤A DVD
・ヒトクリ MUSIC VIDEO
・レコーディング風景
・メイキング

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