LIPHLICH、メンバー4人が揃った全国ツアーファイナル「ごめん」「ありがとう」

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LIPHLICHが12月10日、全国ツアー<LIPHLICH ONE MAN TOUR 2016『発明』>のファイナル公演を東京・日本橋三井ホールにて開催した。

◆ LIPHLICH ライブ画像

今回のツアーは12月17日、18日の“After Show”を含めた全27公演が予定されていたもの。しかし久我新悟(Vo)が体調を崩し、中盤から急遽、新井崇之(G)、進藤渉(B)、小林孝聡(Dr)の3人でツアーをまわるという危機に見舞われた。さらにその途中で新井もダウンし1公演が中止となり、この2ヶ月間はLIPHLICHにとって最大級のピンチだったと言っても過言ではないだろう。オフィシャルから緊急のアナウンスが入るたびに、メンバーは大丈夫なのか、ツアーは続けられるのかと不安が胸をよぎったが、久我の復帰公演でもあり誕生日公演でもあったツアーファイナルでは、無事に4人全員が揃った姿を目にすることができた。



ライブは最新アルバム『発明』の収録曲を中心に比較的最近発表された楽曲で構成され、ダブルアンコールを含む全22曲を披露。久我の不在中バンドを引っ張っていた新井は「ファイナルかあ……今回のこのツアーはね、山と谷しか無かったんですよね。1回1回のライブを、悔いを残さないように全力でやってきました」と感慨ひとしおの様子だった。また、久我は自身が不在だった公演に触れ、自分の口から直接謝罪と感謝の気持ちを述べた。

なお、この公演の模様を収めたDVDが発売されることと、4月にシングル「VLACK APRIL」をリリースし4月23日に大阪・umeda AKASO、4月29日に東京・LIQUIDROOMにてワンマンライブを開催することが公演中に発表されている。



ちなみにこれは余談だが、「星の歯車」ではドラムの前に置かれたカメラから撮影した景色をスクリーンに映して演奏が行なわれ、新井氏に映像演出の意図について尋ねたところ、「星を見せたかったから」と答えてくれた。たしかに照明演出としてたくさんの星球が点滅していたが、彼が言った“星”とは照明機材で作られた“星”のことではなく、彼らにとっての“星”、大切なファンのことを指していたはず(「夜間避行」の歌詞は、LIPHLICHを飛行機に、ファンを星になぞらえている)。通常は彼らにしか見ることのできないステージからの景色は、とても美しかった。

以下は終演後に敢行した久我氏へのインタビューだ。

  ◆  ◆  ◆

──今日のセットリストに、昔の曲あまり無かったですね。

久我:あー、たまたま入ってなかったですね。

──最近はファンの方へ向けてるようにとることができる曲が多いような気がします。曲の背景に見えるというか。

久我:僕の性格上、「ファンに向けて歌ってる」って曲は無いんですよ。性に合わなくてやってないんですけど、でも結果的に「夜間避行」とかはそうなのかなあって。僕ら4人の目標に日本武道館っていうのがあって、それはまだ果てしなく遠いですけど、そういうファンに向けた曲っていうのはそれくらいの規模じゃないとやっちゃいけないような感覚があるんです。それをやりだすとすごく小さいところで終わるバンドな感じがしちゃうんですよ、なんとなく。ただ、なまじ6年以上LIPHLICHをやっていてもう7年近くになるので、もちろんファンの方に対しての想いってのはあるんですよ。ただそれを直接的に「みんなのことを想って作りました」みたいなのはなんかやりたくないんです(笑)。

──「夜間避行」「リインカーネーション」「星の歯車」はそういう曲なのかなと思ってました。

久我:結局自分たち4人、LIPHLICHというものに対して歌ってる……それが幸いにもファンの方が共感してくれて、ライブでやってるうちに自然とそうなっていくっていう感じで。自分としては理想的な形かなと。押し付けがましいのは好きじゃないんです。

──After Showの2公演を除いた25公演中、久我さん不在が13公演、新井さん不在が1公演、中止1公演と。これについてMCでも触れてましたけど、今ライブを終えて落ち着かれて改めて思うことってありますか?

久我:タッキー(新井崇之/G)は2日間(中止公演含む)休んだけど、僕の場合は数が多すぎるんで、多分ほかの3人と感覚が違うんだろうなって思います。3人は「やっと久我くんが帰ってくる」って思っただろうし。僕の場合は今日復帰だったんで「ようやく戻れる」っていうのと、「ごめん」だし「ありがとう」も言いたいしっていう感じです。

──セミファイナルの福岡公演ではサプライズでアンコールだけ出られてましたが、正式に4人が揃ったステージを見てファンの方は嬉しかったと思います。

久我:嬉しいって感じてもらえたらありがたいです。作るのがすごく大変だったけどいい作品ができたから、本当はちゃんとツアーをまわって(アルバムを)完成させたかったんです。僕だけライブ13本分の経験が無くて、約半分の本数で完成させなくちゃいけなかったのでそれが大変で。休んでいた間の映像を見たら3人は3人で演出を増やしていて良くなっていたから、そこに自分が元々考えていた演出を入れるのもまた大変だった。今日の演出やセットリストも、どんなに遅くても2週間前には出すんですけど出せなくて。4人でちゃんと会って、音も出してから確定させたかったので、結構ギリギリでした。

──演出内容もですけど、お休みしてた13本分の感覚のすり合わせみたいなのも必要ですもんね。演出といえばですが、今回の照明って過去最大くらいの派手さでしたよね? 機材の数もすごかった。

久我:いつもお願いしている照明の方で、だんだんLIPHLICHのこともわかってきてくれていると思います。あー……終わってしまった。

──でもまた来週末に沖縄でAfter Showがあるじゃないですか。アコースティックですよね?

久我:……どうなんですかね(笑)。

──え?(笑)。

久我:アコースティックのつもりですけど、なんとなくノリでいいんじゃないかって。アコースティックで飽きちゃったら普通にやろうかなと(笑)。

──当日のお楽しみということで。観光する時間もとれるといいですね。

久我:ラフテー食べたいですね。

──今年一年分の休憩をしてきてください。

久我:いやもう休憩しちゃったんで!(笑) もう十分です、もう休みたくない。

──(笑)。最後に2017年の目標を教えてください。

久我:ペースを落とさずにいい音源を作って、ライブをやって、規模を大きくしたいです。音楽的な話でいうと、ひとつ前のアルバムの『蛇であれ 尾を喰らえ』も一応みんなで作ったんですが、こばやん(小林孝聡/Dr)がばたばたって加入して制作に加わったっていう作品で。でも今回の『発明』はクレジット的に見てもみんながアイディアを出し合って作ったっていう初めての作品になったんです。今までは歌詞の世界だったりとかアレンジだったりっていうのは大体僕個人が作り上げていたものでした。でもそのへんがまた変わってきたので、今後どうなるんだろうなっていう楽しみがあります。

  ◆  ◆  ◆

取材・文◎高橋ひとみ(BARKS)

■セットリスト

1 発明家A
2 アナグラムシティ
3 メランコリー
4 It’s a good day to anger
MC
5 7 Die Deo
6 二人の事件
7 ガベル・マンの真相
8 ロボトミー
9 ウロボロス
MC 
10 この密室よりくちづけを
11 脳裏のドロ
12 SLAP TEA TIME
MC
13 三原色ダダ
14 GOSH!
15 Give me Chill me Killing me
16 MANIC PIXIE
MC
17 星
18 星の歯車

encore
19 リインカーネーション
20 夜間避行

encore2
21 SEX PUPPET ROCK'N'DOLL
22 SHOW MUST GO ON


New Single「VLACK APRIL」

2017年4月発売
※詳細は後日発表

■ワンマンライブ情報

<LIPHLICH ONE MAN SHOW VLACK APRIL #1>
2017年4月23日(日)大阪・umeda AKASO
開場16:45/開演 17:30
前売り¥4,000 当日¥4,500

<LIPHLICH ONE MAN SHOW VLACK APRIL #2>
2017年4月29日(土)東京・LIQUIDROOM
前売り¥4,000 当日¥4,500
開場16:45/開演 17:30

[プレイガイド]※両公演共通
■12月10日(土)LIPLHICH ONE MAN TOUR 2016『発明』ツアーFINAL チラシ先行
12月11日(日)10:00〜12月18日(日)23:59(イープラス)

■12月24日(土)LIPHLICH Xmas Eve Show 2016 チラシ先行
12月25日(日)10:00〜1月1日(日)23:59(イープラス)

■オフィシャルホームページ先行
1月14日(土)10:00〜1月22日(日)23:59(イープラス)
http://eplus.jp/lip2017hp/ (PC&携帯)

■イベンター先行
1月28日(土)10:00〜2月12日(日)23:59(各種プレイガイド)

■一般発売
2月25日(土)10:00〜

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