【ライブレポート】中村あゆみ、26年ぶりの川崎CITTA’公演で「もっとかっこよく、もっと素敵になりたい」

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合言葉は、“もう一度、青春を、はじめよう”。新録音ベスト・アルバム『A BEST~Rolling 50』をリリースしたばかりのロック・シンガー中村あゆみが、12月10日、川崎CLUB CITTA’にて<Ayumi Nakamura 50-year Super Live Rock Alive 2016>を開催した。

◆中村あゆみ ライブ画像

暗闇に浮かぶスクリーンに、なつかしい映像が流れ出す。当時20代前半の中村あゆみ、ここ川崎CLUB CITTA’でのライブ映像だ。愛くるしい表情、輝く瞳、強烈なシャウト。そして映像の中の「金曜日のバレリーナ」のイントロを、生演奏のバンドが受け継ぎ、タイトな黒パンツと白いレザージャケットに身を包んだ中村あゆみ登場。粋な演出に、満員のオーディエンスはいきなり総立ち。さあ、ロック・ショーの始まりだ。







セットリストは出し惜しみなく、代表曲を連発する。「BROTHER」は、マイクスタンドを軽々と回し、拳を天に突きあげる。「ちょっとやそっとじゃCan't Get Love」は、軽快なステップを踏み、ひざまずき、くるくる回る。この曲のみ、長い髪をポニーテールにまとめたキュートな姿。パワフルな声、アクティブなパフォーマンスは、完全に時を超えている。

「オープニングから、まるでアンコールのような(笑)。26年ぶりにチッタに帰ってきました!」





ファンとの強い絆を歌った「同じ空の下で」は、柔らかく穏やかに。「LONELY BLUE」は、疾走感いっぱいに。そして「HERO」は、力強く拳を握って。離れていてもふたりはつながっていると歌う「同じ空の下で」、どんなに友情と愛情が周りにあっても、泣く時はひとりだと歌う「LONELY BLUE」、翼が折れても、新しい翼できっと旅立てると励ます「HERO」。まったく違うテーマが、矛盾なく胸に響くのは、歌の主人公があまりにもピュアだから。それが、中村あゆみの歌のリアル。

ベスト・アルバムには、アレンジを変えて生まれ変わった曲がいくつかあった。ここからはアコースティック編成で、その世界観を再現する。「ONE HEART」は、盟友・鎌田ジョージの弾くアコースティック・ギターの艶やかな調べに乗せて。歌詞を書き換えた「ともだち」は、リリカルなピアノと共に。「Cry Baby」は、アコースティック・ブルースのスタイルで、ハーモニカも吹く。腰かけていたスツールから思わず立ち上がり、体いっぱいで激しく歌を表現する。ジョージとのデュエットもばっちりだ。アコースティックらしからぬエモーショナルな熱演から、一瞬も目が離せない。







中盤は、再びロックバンドのスタイルで、「メインストリート」と「太陽の光の中で」。どちらもサックスの豪快なブロウと、ピアノのメロディアスな響きがキャッチーなロック・チューン。白いTシャツにブルージーンズ。ほかに何もいらない。歌詞の通り、白いノースリーブのシャツで、マイクスタンドを倒してシャウトする雄姿は、ほれぼれするほどかっこいい。

スピードはどんどん加速する。「Wild Child」は、コール&レスポンスで会場が一体化し、「悲しみの詩」は全員がタオルを掲げてぶちあがる。10代から70代まで、年代を超えて彼女のファンはみんなタフだ。そして、“♪Wow Wow ラナウェイ”とイントロなしで歌い出した「真夜中にラナウェイ」の豪快なロック・サウンドと、80年代のヒット曲が持つ風格。30年前の曲が今も生き生きと歌われる、中村あゆみのライブはまるでタイムカプセル。

「この歌を歌っていた頃、私も、みんなも夢を見ていました。でも今は、夢を見るよりもどういう生き方をするか、そんなふうに変わってきたと思います」





チャリティ・ソングとしてリリースされた「君が光になるとき」、そして同じくベスト・アルバムに収録された最新曲「オリーブの花」。自分のためよりも、誰かのために生きること。刹那ではなく、長く続く愛を求めること。50歳の中村あゆみだからこそ歌えるメッセージを、スローなリズム、美しいメロディに乗せ、語り掛けるように歌う。これもまた、中村あゆみの大切な一面だ。そして本編の最後を締めくくったのは、29年前のヒット曲「Rolling Age」と、2015年リリースのアルバム『Chameleon』からの「Cry」。新旧の代表曲が、時を超えて響き合う。力強いロック・ビートに、熱い鼓動がシンクロする。回り、踊り、拳をあげ、そして華麗なハイキック一発。2時間を超えても崩れない、タフなハートとボディ。これぞRolling 50。

暗闇に浮かぶスクリーンに、なつかしい映像が流れ出す。現在は入手困難な映像作品『It's All right~パラダイスへ行こう!』だ。彼女がドライブする大型バイクが、道の向こうへと消えてゆく。バンドが演奏を始める。そこへ飛び込んできたのは、なんとバイクにまたがった、現在の中村あゆみ。ステージ脇にバイクを停め、情熱のロック・バラード「It's All right」を歌い出す。度肝を抜く、スリリングなアンコールの幕開けだ。ちなみにバイクは撮影で使った本物で、この日のためにレストアしたとのこと。「たくさんの人の協力と、いろんな偶然もあって、この日を迎えることができました」──飾らない感謝の言葉を、あたたかい拍手が包み込む。







プロレスラー・鈴木みのるに提供した「風になれ」は、リズムレスのアカペラから始まるドラマチックなバージョンで。鈴木みのるとの絆の深さについては、先日行われた対談インタビュー(対談記事へ )をぜひ読んでほしい。一体この曲は、どこまで進化し続けるのだろう。人生というリングで戦う人間の心を打ち続けてやまないパワーが、この曲にはある。

「もっとかっこよく、もっと素敵になりたい。私、歌しかないと実感しました。これからも人の心に沁みる素敵な歌を歌っていきます」

長く熱いライブの最後のクライマックスは、もちろん「翼の折れたエンジェル」だ。時代を超えるみずみずしい永遠の青春アンセムを、ひとり残らず歌っている。世代を問わず、一緒に歌える歌があることは、なんて幸せなことだろう。そしてこの日の22曲目、本当のラストは「MIDNIGHT HIGHWAY」。また会いに来るから。さよならはいらない。生涯歌い続けることを宣言したロック・シンガーの、ファンとの再会を約束した親密なメッセージ。歌い終え、手を振る彼女。“また来るよ”の思いを込めた、拍手を贈るオーディエンス。この日、中村あゆみとファンをつなぐ絆の上に、またひとつ新しい物語が加わった。

終わってみれば3時間弱。まったく落ちない声量と、動き回るアクション。そして30年前の曲も現在の曲も、同じ現在として愛情をこめて歌う姿。もう一度、青春を、はじめよう──Rolling 50の新しい旅は、実り多き豊かなものになる。そう確信させる素晴らしい一夜だった。



取材・文=宮本英夫

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なお、このライブの模様はCS放送「歌謡ポップスチャンネル」にて、2017年3月に独占放送される。中村あゆみが、「カメラが13台もあると燃えるよね」とライブ後に語ったように、当日は13のカメラ・レンズが中村あゆみのパフォーマンスを追いかけていた。映像の中で輝く中村あゆみにも注目したい。(詳しくはこちら )。

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【SET LIST】

<Ayumi Nakamura 50-year Super Live Rock Alive 2016>
2016/12/10(土) 川崎CLUB CITTA'

M1.金曜日のバレリーナ
M2.BROTHER
M3.ちょっとやそっとじゃCan’t Get Love
M4.同じ空の下で
M5.LONELY BLUE
M6.HERO
M7.ONE HEART
M8.ともだち
M9.Cry Baby
M10.メインストリート
M11.太陽の光の中で
M12.Wild Child
M13.悲しみの詩
M14.真夜中にラナウェイ
M15.君が光になるとき【新曲】【日本賃貸保証株式会社イメージソング】
M16.オリーブの花 【新曲】
M17.Rolling Age
M18.Cry

[encore]
M19.Its’ All right
M20.風になれ~I have to be a lonely warrior, tonight~
M21.翼の折れたエンジェル
M22.MIDNIGHT HIGHWAY

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音楽ストリーミングサービスのSpotifyにて、中村あゆみ「Rock Alive 2016」セットリスト(12/6川崎・クラブチッタ)を再現して公開中! あの興奮が甦る!
※セットリストのプレイリストはこちら

■Spotifyオフィシャルサイトはこちら
■Spotifyについてはこちら



新録音ベストアルバム『A BEST〜Rolling 50』

2016年12月7日(水)発売
※中村あゆみ本人によるCD全曲解説文掲載(2形態ともに)
【初回限定盤デラックス・エディション(CD+DVD)】WPZL-31242/43 ¥6,000(本体)+税
・三方背BOX仕様
・ライヴ・フォト・ブックレット付き(20ページ)
【通常盤CD】WPCL-12455 ¥3,000(本体)+税

[CD収録曲]※通常盤は全16曲収録。初回限定デラックス・エディションは全15曲収録。
1.翼の折れたエンジェル(新録Version)【3rdシングル/1985年4月21日発売/オリコン4位/日清食品「カップヌードル」CMソング】
2.真夜中にラナウェイ(新録Version)【5thシングル/1986年2月16日発売/オリコン17位】
3.金曜日のバレリーナ(新録Version)【3rdアルバム『FAIR CHILD』 (1986年3月21日発売) 収録曲/ファン人気No.1のアルバム収録曲】
4.ちょっとやそっとじゃCan't Get Love(新録Version)【6thシングル/1986年4月16日発売/オリコン2位/カネボウ'86夏キャンペーンCMソング】
5.ONE HEART(新録Version)【7thシングル/1986年11月21日発売/オリコン13位/民放「ゆく年くる年」テーマソング(1986年-1987年)/ TBS「世界・ふしぎ発見!」エンディング・テーマ】
ギター:今 剛
6.Rolling Age(新録Version)【8thシングル/1987年3月21日発売/オリコン24位】
7.ともだち(新録Version)【12thシングル/1989年4月12日発売/オリコン6位/'89カナダドライ「ジンジャーエール」CMソング】
※新歌詞
8.It's All right (新録Version)【15thシングル/1990年5月2日発売/オリコン8位/テレビ朝日系ドラマ「ザ・刑事」テーマソング】
9.BROTHER(新録Version)【16thシングル/1990年7月25日発売/オリコン23位/MIZUNOスーパースターCMソング】
10.HERO(新録Version)【17thシングル/1991年3月27日発売/オリコン13位/MIZUNOスーパースターCMソング】
11.同じ空の下で(新録Version)【ミニアルバム『1966628』(2011年7月23日発売)収録曲】
12.君が光になるとき【日本賃貸保証株式会社イメージソング】(新曲)
13.Cry Baby(新録Version)【ベスト・アルバム『rocks』(2004年8月4日発売)収録曲】
14.オリーブの花【中村あゆみ作詞・作曲の最新曲】 (新曲)
15.Cry(新録Version)【15thアルバム『Chameleon』(2015年2月25日発売) 収録曲】
16.翼の折れたエンジェル-BALLADE-(通常盤のみのボーナス・トラック)
ギター:今 剛 作詞・作曲:高橋 研/編曲:今 剛

※M1・M2・M3・M4・M6・M8・M9・M10:当時の迫真のオリジナル・サウンドに「2016年の中村あゆみの声」を新録音&新ミックス
※M5・M7・M13・M15: 新サウンド&新ヴォーカル。また、M7「ともだち」は今の中村あゆみの気持ちで歌詞を全面的に書き直した「新歌詞」

【初回限定盤DVD収録内容】
フル・ライヴ映像「AYUMI NAKAMURA HOPPING LIVE 2016 REUNION」(2016/9/18(日)マウントレーニアホール渋谷)
1. HERO
2. BROTHER
3. ちょっとやそっとじゃCan't Get Love
4. 同じ空の下で
5. Rolling Age
6. ONE HEART
7. ともだち
8. やせっぽっちのジョニーE.
9. Tokyo City Serenade
10.真夜中にラナウェイ
11.涙のTwistin' Heart
12.Come Back(To My Home Town)
13.ダンスで街にくり出そう(Do you wanna dance)
14.Cry Baby
15.悲しみの詩
16.オリーブの花(新曲)
17.Cry

Encore
18.翼の折れたエンジェル
19.君が光になるとき(新曲)【日本賃貸保証株式会社イメージソング】
20.It's All right

■撮り下ろしミュージック・ビデオ
「翼の折れたエンジェル-BALLADE-」

新録音ベスト・アルバム『A BEST~Rolling 50』配信

<iTunes Store>
https://itunes.apple.com/jp/album/id1162211569?app=itunes&at=10l6Y8
※iTunes は、米国およびその他の国で登録されている Apple Inc. の商標です。
<レコチョク>http://recochoku.com/w0/nakamuraayumirollingfifty/

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