【インタビュー】RYUICHI [LUNA SEA]、「HOLY KNIGHT」を語る「神聖なフィールドを5人が守る」
■きっとずっと約束の地に
■戻り続けられるバンドだと思います
──歌入れの時はどういうことを心掛けて歌われましたか?
RYUICHI:最近は、“うまく聞かせよう”という意識があまり働かないように、自分の未熟なところも含めて、その時の記録として残したいという想いがあるので、できるだけ一発録りを目指すんですよ。もちろん、ダメなところは後で歌い直すんですけど、あまりつくり込まない。“ここはこんな声色で歌ったほうがもっとコントラストがつく”とか、考えれば考えるほど物語はつくれるけど、ちょっと芝居がかった感じに聞こえちゃう、というか……。
──作為的な感じになっていくわけですね。
RYUICHI:うん。本当にいい芝居はたぶん、“愛してるよ”と自分に対してリアルに言っているような錯覚を起こすものだと思うので。そうすると、ちょっと不器用なほうがよかったりするんですよね。ライヴというのは実際、不器用にならざるをえない部分も多くなるわけですからね。だから、レコーディングの時も、歌詞カードは見るんですけど、“もし目の前にファンの人たちがいたらどうする?”“これが生放送で全国に映ってたらどうしよう?”という意識で、100点に近いところを目指して一発録りを狙う、という感じにこだわりました。「HOLY KNIGHT」のレコーディングではやっぱり、12月23日、24日のさいたまスーパーアリーナ2DAYSのイメージはすごく強く持ちながら歌っていましたね。
──仕上ってみて、今現在のRYUICHIさんは、この曲を会場ではどんな風に響かせたい、というヴィジョンを思い描いておられますか?
RYUICHI:ライヴというのは、いろんな楽曲を歌っていきながら、メンバーとファンの皆と一緒に旅をしているようなところがあると思うんですね。懐かしい曲もあれば新しい曲もあって、盛り上がったり切なくなったりして。1年9ヵ月ぶりのワンマンライヴですし、自分たちの存在を久しぶりにお互い受け取り合う、というか。ライヴの中でそんな中ふっと我に返る、リセットされる瞬間があると思うんですよ。まあ、まだセットリストが確定していないので、何曲目になるか分からないんですけど、間違いなく1曲目ではないと思うので(笑)。そのタイミングで、“ああ、LUNA SEAはそういえばもうすぐ30周年だな”とか、“今年のLUNA SEA最後のステージか”とか。そういうことを考えながら、いよいよ「HOLY KNIGHT」をこの場で初めて皆に贈ります、と披露した瞬間に、ちょっと現実に戻りながらも、“今いるこの神聖なフィールドを俺たち5人が守っていくから、お前たちも安心してね”って。そういう抱擁というか、愛というか。そんなイメージがあるんですよね。
──このバンドはこれからも共に歩き続けて行ってくれるんだ、という“未来”を感じられる曲になっていると感じます。
RYUICHI:LUNA SEAのメンバーはまず、音楽をやることが好きですからね。バンドを長く続けて行く中で、音楽をやり続けること自体が苦しくなってくる人もいるじゃないですか? そういう人がメンバーにいるとなかなか難しいと思うんですけど、僕らは5人で終幕も経験して、もちろん“永遠”というものはないわけだけど、とにかく本当に音楽が好きなメンバーが集まっていますから。“いつ”とは約束できなくても必ずまた集結する時が来る、というのはもう<REBOOT>後はずっとありますよね。そのタームが1年ぶりなのか3ヵ月ぶりなのか、それによってファンの一喜一憂がもちろんあると思うんだけど、活動はずっと繋がって来ていますので。もちろん、メンバーが皆最低限元気でいないといけない、とは思うんですけども。これから先、50代、60代、70代と、(ローリング・)ストーンズとかエアロ(スミス)のようになっていくことを考えると、全員が常にパフォーマンス高くいられる体力を保ってステージに上がり続けていれば、皆音楽が好きだから、きっとずっと約束の地に戻り続けられるバンドだと思います。
──2016年は、10年ぶりにTourbillonのオリジナルアルバムをリリースなさいましたし、ソロアルバムも出されました。そんな多面的で多忙な活動の中、RYUICHIさんにとってのLUNA SEAという場の位置付け、居心地はいかがでしたか?
RYUICHI:LUNA SEAとしてのライヴはあまり多くはできない1年だったんですけど、ソロとか、Tourbillonとか、ソロの中でもマイクを使わないコンサートとか、僕はいろいろとやっているんですけども、そういう中で“一瞬、すごいことができたかもしれない”という経験をエネルギーに変えてLUNA SEAに戻って来る、といった感じなんですよね。もちろんLUNA SEAを大成功させるとそれがまたエネルギーになって、次の別の自分の活動にも当然跳ね返ってくるんですけど。メンバーで集まって、もちろん仲良しなんですけど、変化がないのはつまらないですしね。“なんか今、すごくなってない?”という刺激はお互いに欲しいんですよ。“More,more,more!”と求める気持ちがある。そういう意味でも、いつも戦いに出てるヤツと、ぬくぬくと戦ってなくて久しぶりにリングに上がるヤツとではやっぱり全然違うじゃないですか? だから、ファイトし続けて自分を削いで削いで、僕の歌で言うなら、自分が今まで出せなかった声が出たり、粘れたりするようになって、LUNA SEAという場に戻っていく。そういうところは、一瞬でもファンの人たちにも感じてほしいな、と思ってステージに立っています。
取材・文◎大前多恵
■初のクリスマスソング「HOLY KNIGHT」
2016年12月23日、24日さいたまスーパーアリーナ会場でのみ限定販売
※1曲入り ¥800(税込)
▼配信
FC「SLAVE」会員限定で先行配信
■<LUNA SEA The Holy Night -Beyond the Limit->
2016年12月24日(土)さいたまスーパーアリーナ
▼チケット
前売¥9500 / 当日¥10000(税込み) 全席指定 3歳以上有料
【ステージプラン決定により追加席発売】
2016年11月25日(金)AM 10:00 より各プレイガイドにて販売スタート
(問)キョードー東京 0570-550-799(平日11時〜18時 土日祝10時〜18時)
http://www.kyodotokyo.com/lunasea2016
■生中継!LUNA SEA The Holy Night -Beyond the Limit-
放送日時:2016年12月24日(土)16:00~
番組オフィシャルサイトURL http://www.wowow.co.jp/music/lunasea/
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