【音踊人 39】「◯◯からの大切なお知らせ」の話(BARKS編集部)

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ある日、いきなり私たちの前に現れる「大切なお知らせ」。恐る恐る内容を確認すると「解散」「活動休止」「脱退」などの発表である場合が多い。最近は事前に日付だけ告知される場合「◯月◯日に大切なお知らせがあります。※いいお知らせです」なんていうフォローまで入っていたりして。

2016年は、解散ライブを1本、活動休止ライブを1本観た。どちらも10年以上活動してきたバンドだった。解散してしまったバンドのメンバーのひとりは、「もう表舞台に立つことはない」と話していた。今でも耳から離れないのは、そのメンバーの名前を泣きながら叫ぶファンの声。泣きながら絶叫する人の声を映画やドラマ以外では聴いたことが無かったので、悲しみにのまれて数日引きずってしまった。

ぼんやりとした頭で考えていたのは、私が人生で初めて好きになったバンドのことだ。音楽の仕事をしようと誓ったきっかけにもなっていて、CDをすべて購入して雑誌をチェックし、ファンクラブに入り、地元以外のライブを観に行くほど熱中していた。

本当に本当に大好きだった。

気づけば解散からまもなく10年が経つが、CDを聴くこともライブDVDを見ることもできないままでいる。ほんの少しだけのポジティブな変化としては、あれからいろんな音楽を聴くようになったことを挙げたい。解散が無かったらひとつのバンドだけを聴き続けて10年が経っていて、今気に入っている音楽にも出会えなかったかもしれないと思うと、解散が私に与えた影響は決して悪いことだけでは無かったのかなと感じている。

大切なものは大切なまま胸にしまって、それから少しだけ別の方向を向いてみるのも悪くないのかも。もちろん相変わらず寂しいままだけど、これほど好きになれたバンドに出会えたことが幸せだったと、そう自分に言い聞かせて今日もまたライブを観に行ってきます。

文◎BARKS編集部(高)



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