【連載】トベタ・バジュンのミュージック・コンシェルジュは、音楽家/プロデューサーのトベタ・バジュンが毎回素敵なコンシェルジュをお迎えし、オススメの10曲のプレイリストを紹介していくコーナーだ。コンシェルジュの「音・音楽へのこだわり」を紐解きながら、今の音楽シーンを見つめ、最新の音楽事情を探っていくというもの。

第12回目のコンシェルジュにお迎えしたのは2016年11月2日にダブルA面シングル「記憶の影/遊びにいこう!」、そしてカップリングベストアルバム『Another Side Memories~Precious Best II~』を発表するなど、ベテランの域に入っても精力的な活動を続けているDEENのフロントマン・池森秀一だ。キャイ~ンとの「KYADEEN(キャディ~ン)」名義で発表した異色コラボ曲「遊びにいこう!」が話題のDEENは、2月から3月にかけて内容の異なる2daysライブDEEN LIVE JOY-Break20 ~Sun and Moon~を東名阪で開催する。そんなDEENの池森秀一の「今、ハマっている10曲」は以下の通り。


●DEEN「今、ハマっている10曲」

(1)ジャスティン・ビーバー「What Do You Mean?」
(2)アリアナ・グランデ「Be Alright」
(3)ペンタトニックス「Can't Sleep Love」
(4)ダーティ・ループス「Lost In You」
(5)マーク・ロンソン「Uptown Funk(feat.ブルーノ・マーズ)」
(6)エド・シーラン「Thinking Out Loud」
(7)OMI「Cheerleader」
(8)コロヘ・カイ「Paradise」
(9)アワ「Perfect Day」
(10)Ryo「HOMARE」

   ◆   ◆   ◆

(1)ジャスティン・ビーバー「What Do You Mean?」
(2)アリアナ・グランデ「Be Alright」

この2枚は世界中で売れてる作品ですから、音楽家として聴かなきゃいけない。僕はブラックミュージックが好きなので、そういう背景がある曲はわりと聴きます。ただあんまりコテコテのヒップホップとかは追っかけなくなりましたけど、ジャスティンもアリアナも、R&Bの中にポップがあるものは必ず聴きますね。

(3)ペンタトニックス「Can't Sleep Love」

凄い聴きました。iPhoneで聴いた回数がわかるでしょう?相当聴いたね。BOYZ II MEN以降、こういったアカペラR&B的な雰囲気って、あんまり出てきてないじゃないですか。ペンタトニックスは、確かTVKのビルボードランキングで最初に観たのかな。「すげえカッコいい」と思ってすぐ買った。

(4)ダーティ・ループス「Lost In You」

これはミュージシャンは皆聴いたと思うんだけど「今AORやるんだ」と思いました。まあAORだけじゃないんだけど、今時のエレクトリックな感じとソウルとガチガチのAORを融合しちゃった。「ワオ!」って感じですよね。ここまでスティーヴィーの背景を感じさせるボーカリストって中々いないですよね。ソウル・ミュージックが流行ってる時はいっぱいいたけど「今かよ」と。

(5)マーク・ロンソン「Uptown Funk(feat.ブルーノ・マーズ)」

なんかジェームズ・ブラウンそのまんまなんだ、それを今やるんだ、と。PVもアディダス着て、金ピカで、僕達がギンギンに踊ってた時代の感じ。音楽も、今こんなに新鮮にやっているんだ、って。僕達はもう恥ずかしくてできない。あの世代を通ってきた人は、多分できないと思う。それをやってしまう潔さがカッコいい。

(6)エド・シーラン「Thinking Out Loud」

アルバム『X』の曲。ネットサーフィンしてたら何かのバックで流れてたのかなあ。この曲が良くてアルバムも買ったら、結構ディスコっぽい濃い曲があったりして「面白い人だなあ」と思って。でもこの曲が良いですね。シンガーソングライターの色が濃く出ている。熱唱している感じにグッと来ますよね。

(7)OMI「Cheerleader」

ここ3~4年ジャワイアンが好き。要するにハワイのアーティストがレゲエをやるっていうもの。曲がすごくハワイアンなんだけどレゲエ。なんか夏にすごくハマった。この曲はよく聴きましたね。

(8)コロヘ・カイ「Paradise」

コロへ・カイはハワイに行ったときに、ノースショアの雑貨屋に行ったらめっちゃデカい音で流れてたの。めっちゃ良いと思ってその場で購入。この曲も凄く聴いてジャワイアンの中でも好きな1曲に入ってますね。

(9)AWA「Perfect Day ft.Anuhea」

AWAもジャワイアンのコンピで聴いて凄いなと思って。AWAの「Perfect Day」でフィーチャリングされている女性ボーカルのAnuhea(アヌヒア)のアルバムも好きです。この人の歌もめっちゃブラッキー。AWAはすごく才能がありますよ。

(10)Ryo「HOMARE」

彼は甥で僕がプロデュースしているんですが、ボーカリストとして凄いと思っています。「HOMARE」はデモとしてすでにあった曲で「あの頃笑っていた仲間たちが今どうしてるんだろう」「今俺達は夢かなったかな」っていう歌詞の世界観がすごく好きです。彼が音楽をやりたいって言ってきた時に、すぐに「あの曲を彼に歌わせてみよう」って思いましたね。

   ◆   ◆   ◆


──キャイ~ンさんとのコラボレーション「KYADEEN」ができたきっかけは何だったんですか?

池森秀一:6月に『バタフライ』というSKAのアルバムをリリースしたんです。そのアルバムのPRでTOKYO FMで天野さんがやっている番組にお邪魔した時に初めて会ったんですけど、「キャイ~ン天野です」「DEEN池森です」って、雰囲気似てるなってことになって。

──その場で「KYADEEN」が誕生したんですか?

池森秀一:「似てるね」って目を合わせて「キャディ~ン」ってなった。それで「天野さん何かやります?」って。なんか初めて会った気がしなかったのもあったし、ブラビ(ブラックビスケッツ)の記憶もあり、「キャディ~ン」って響きも面白いしツインボーカルでできそうだなと思って。

──行ける、と。

池森秀一:お互い「KYADEEN」に関わっている密度を同じにしたいなと思ったんです。ゲスト・ボーカルではなく。だからボーカルのポジションも天野さんと完全にデュエットにしてます。そういう作り方をしたかったんです。

──普段他のアーティストの曲を家で聴いたりしますか?

池森秀一:めっちゃ聴きます。音楽大好き。音楽オタクです。

──10代の時に影響を受けたアーティストは?


池森秀一:僕はもうソウル・ミュージックです。ソウル・ミュージックしか聴いてなかったって時代もあるくらい。まあ最初は姉貴の影響でディスコ音楽とかだったんですけど、ディスコの曲を紐解いていってたら、ソウル・ミュージックだった。で、ソウル・ミュージックに魅せられて、アマチュア時代はそういう音楽をやって、たくさんデモテープを作って東京に出てきたんです。それがDEENになった。泥臭い音楽ばっかり聴いていたから、「このまま君だけを奪い去りたい」を歌うとは夢にも思わなかったですよ。22歳くらいでデビューしてからは、メンバーの好きな曲からザ・ビートルズまで何でも色んなものを聴くようになりました。だからDEENに入って良かったと思いますよ。

──今後もDEENの活動、世界観、将来像というのは変わっていくのでしょうか。

池森秀一:DEENも不思議だからね。まさかこんなに長く続けられるなんて思ってなかった。僕はDEENを学校だと思ってました。自分の経験として。DEENという本当に良い学校で教育を受けて、義務教育中には色んな事を学ぶという。1990年代当時はCDがすごく売れてた時代でしたからね。新人をプロデュースするようになってから余計に思うようになりました。

──なるほど。

池森秀一:DEENとしてもプロデューサーをやるにしても。ヒット曲が出ない事には活動の場がない。DEENでツアーや武道館ライブができるのもヒット曲があるおかげだもんね。DEENのプロデューサーのプロデュース力はすごいよ。当時の事を振り返っても神がかってたもんね。そういう情熱やビジョンをもって熱くやりたい。

──あるアーティストが「やりたい曲をやるのではなく、多く人が聴いてくれる曲を作りたい。それができなくなったらミュージシャンは辞めて別の仕事をやったほうが良い」と言ってたんですが、それに近い感覚ですか?


池森秀一:「非常に正しい表現ですよね」って言い方かな。「その通りだな」という感じもします。かと言って、色んな世代もいるから、公の場では言葉を選ばないと。自分がやりたい音楽がヒットに結びつかない事もないとは思うし、もっと全体の中で音楽をやりたい。ヒット曲にコミットするという事は多くの人が求めるという事だから、「自分のやりたい事を押し殺している」と思われるのは勿体ないですよね。

──今は、ピコ太郎のようにヒットの方法もいろいろですよね。

池森秀一:DEENとしての僕は、世界一ラッキーな男だと今でも思っているんです。札幌でブラックミュージックを歌っている夢見る若いアマチュアのシンガーが、デモテープをプロデューサーに届け、運良く「すぐ東京来い」って言われて上京して、デモを作った。デビューするまでそれしかする事ないから、いつも曲を書いてた。ある時「お前が演っているセッションと違うけど、試しにこの曲を歌ってみろ」って言われ「こ~のまま~」って歌ったら、採用された。こんな人、世界中見てもいないと思うんですよ。

──物事が進むスピード感も凄いですね。

池森秀一:デビュー当時、うちの社長は「お前は宝くじよりラッキーだ」といつも言ってた。デビューできない人達はいっぱいいたし、しかも僕は違う事をやっていたのに、たまたま歌ったことで「お前の声で行く」って言われた。実はあの曲を歌うアーティストは5組くらい候補がいたんです。

──DEENという最高の教育を受ける機会を、宝くじのように与えられたんですね。宝くじ以上の夢物語の中にいた時「俺はすごい所にいる」って感覚はあったんですか?

池森秀一:全くないです。それはやっぱり教師が良かったんですよ。全く甘やかしてくれなかったから。

──浮足立ったりとかは?


池森秀一:まったくなかった。テレビにも出て行かなかったからチヤホヤもされなかった。あれだけの人が良い音楽求めて買ってくれたことを思うと、「聴く人が欲しいと思うものを提供すべきだ」というのは正しいかもしれませんね。

──これまでのヒット曲も大事にし、新しいものも取り入れていくと。

池森秀一:ただ曲だけじゃないですね。やっぱりタイアップです。プロの世界でヒット曲を出すというのはタイアップのあり方かな。熱のある同志を作る事ができれば、ヒットする可能性はまだまだあるんじゃないかな。CMクリエイターも曲を作る人も「この商品ならこういう曲だね」とお互いちゃんとコミュニケーションを取って、一番的を射たものを作ればまだまだチャンスはあると思います。

──2016年のシングルランキングのベスト20は、秋元さんとジャニーズ以外ないですからね。


池森秀一:僕はDEENという学校を出たから、若いボーカリストがもう一回夢を見られるような環境を作りたいと思っているだけなんです。Ryoみたいな子がチャートに入ったって何らおかしくないし、そういうのが出てくると各制作マンとかの士気が上がってくるんですよ。Ryoに関して言えば、知り合いを通じて直接僕がTBSのプロデューサーに渡しました。「こうしたい」とやり取りして、「こうして欲しい」って言われた所は「直しましょう」と。そういうやり取りをしてると熱量がものすごく上がるんですよ。クリエイターとCMクリエイターとクライアント、スポンサー、プロデューサー…非常に連携が取れていて「良いものを作りたい」っていう熱量が。

──良いですね。

池森秀一:燃え上がりたいんですよ。音楽でプロの世界に行きたい、売れたい。「売れたくない」と思ってる人なんてひとりもいないから。でも今の時代は冷めていて、若い子たちも「音楽では売れないですよね」ってクールで現実主義ですよね。

──ミュージシャンになりたいという夢を持っている若い人も減っているみたいです。

池森秀一:減ってきてるし、親も「馬鹿じゃないの?」って。僕らの時はまだ「頑張れ」とかあったけど。だから熱量が出てくる役を買いたいな。「カラオケボックスに行って歌いたい」という曲とかね。

──DEENさんとRyoさんの活躍を祈っております。今日はありがとうございました。

インタビュー:トベタ・バジュン

DEEN カップリング・ベスト・アルバム『Another Side Memories ~Precious Best II ~』

2016年12月21日発売
初回生産限定盤 ESCL-4779~80 \7,222+税
特典Blu-ray:DEEN LIVE JOY COUNTDOWN SPECIAL~マニアックナイト Vol.2~
2015/12/31 ZEPP TOKYO 全曲完全収録:全23曲収録【収録曲】晴れた空の下、きみつれて、僕の未来、逢いにゆくよ、もう一度…、愛しい人、神の雫、ノスタル~遠い約束~、いつかきっと…、白い記憶、VIOLENT SHAKING、月に照らされて、さよならも言わないで、I Break My Heart、東京、ミラクル ボーイ!、ハリネズミのジレンマ、YOU & I、NEXT STAGE、TWELVE、君にとってのスーパーマン、ずっと伝えたかった I love you、シャララ ハッピーデイ、千回恋心!
※ライヴフォトブック封入
通常盤 ESCL-4781 \2,913+税
1.シャララ ハッピーデイ!(44th/ずっと伝えたかった I love you)
2.Crossroad(43rd/千回恋心!)
3.ありのまま抱きしめよう(42nd/君が僕を忘れないように 僕が君をおぼえている)
4.Future(41st/もう泣かないで)
5.Hello(39th/心から君が好き ~マリアージュ~)
6.雨がいつか上がるように(39th/心から君が好き ~マリアージュ~)
7.Flower(38th/Brand New Wing)
8.oh Darlin' ~KAI~(37th/coconuts feat.kokomo)
9.Dear Friend(35th/Celebrate)
10.遠い夏の夢(34th/永遠の明日)
11.Sunrise Sunset(4th Maxi/Smile Blue)
12.僕の未来(3rd Maxi/夢の蕾)
13.光の珠 ~The shining ball~(33rd/ダイヤモンド)
14.HEARTBEAT(32nd/Starting Over)
15.Swing in Love(新曲)

LIVE Blu-ray&DVD『DEEN at 武道館 2016 LIVE JOY SPECIAL ~Ballad Night~』

2017年3月22日発売
一夜限りのバラード・ナイトを全曲完全ノーカット収録、特典映像も収録、ドキュメンタリー映像も満載の永久保存盤
Blu-ray ESXL-113~115 ¥10,500+税
完全生産限定盤 Blu-ray & Special Live CD2枚+ライヴフォトブック
3大特典
(1)LIVE CD 2枚
(2)豪華スペシャルBOX仕様
(3)ライヴフォトブック
DVD ESBL-2471~72 ¥6,900+税
完全生産限定盤

<DEEN LIVE JOY-Break20 ~Sun and Moon~>

2017年2月24日(金)Zepp Tokyo
2017年2月25日(土)Zepp Tokyo
2017年3月3日(金)Zepp Nagoya
2017年3月4日(土)Zepp Nagoya
2017年3月10日(金)Zepp Osaka Bayside
2017年3月11日(土)Zepp Osaka Bayside

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